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流れるような共同作業ですわ
しおりを挟む自分以外の人間にわたくしとケイレブを蔑められるのがお嫌いなセオドア様。わたくしとの不倫を疑われ、果てに守るべきセオドア様に守られて覚醒したケイレブ。二人の流れるような共同作業で、あっという間にザカリー・アルバーンとその妻子は姿を消しました。
ケイレブは宣言した通り、日付が変わるとわたくしの貸し出した私兵を使ってザカリー・アルバーンとその妻子を屋敷の外に放り出し、待ち構えていたようにセオドア様に指示されたのであろう騎士たちがザカリー・アルバーンを連行していきました。
罪状は外患誘致罪。敵国と通じていたとして斬首刑だそうです。
その後、相続の書類を偽装してシェパード公爵家を乗っ取っていたことが発覚。こちらは社交界ではずっと囁かれていたそうですが、建国以来のシェパード家に物申せるのは王家くらいなもので。
シェパード家を乗っ取って何をしようとしていたのか、どこと繋がっているのかを自白させ終われば刑の執行です。この件に関してアルバーン侯爵家も関わっているのではないかと疑惑の目が向けられましたが、こちらは何も出てこず。アルバーン家当主は三男のザカリーの貴族籍を消し、生まれて来なかった者として手打ちにしたようです。
罪人ザカリーの妻と息子たちがケイレブの元に現れ、「家族なのだから面倒を見ろ」と衣食住を無心するという驚きの事件も起きましたが、こちらは側妃宮に無断で侵入したので鞭打ちの刑に加え、しっかりと前科を付けておきました。次にケイレブに接触すると鉱山送りだそうです。え?わざと侵入させた?いいえ、偶然の事故でございますわ。
今回、初めて双子の王子たちの髪の色を指摘されました。『勇者の再来』などと囁かれておりますが、みなさま、わたくしの子は黒髪でも当然と思っていらっしゃるようで。これは現王家を貴族の大半が見限ったということです。全く…お父様とセオドア様はいつから計画されていたのかしら?
あの二人、とても仲が悪いと思っておりましたが、実は仲良しですね?
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