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その昔、『女神の泉の間』は『断罪の間』と言っていたそうです
しおりを挟む5年に一度の禊の日がやってまいりました。前回王族がこの『女神の泉の間』を訪れたのは5年前。セオドア様のお胤がないということが判明した時です。この女神の泉の間では、何が起ころうと不思議ではない。そう言われています。女神が真実を暴き、裁きを下す。そう、その昔、『女神の泉の間』は『断罪の間』と言っていたそうです。
薄い木綿のワンピースだけを身に付け、泉に腰まで浸りながら禊を始めます。罪があれば泉は赤く染まり、罪なき信者が祈りを捧げれば泉は ーーー
パァッと泉が黄金色に輝きます。
……あら?これはプリムちゃんのご祈祷…?……ではないようですね。歓迎されていると自惚れてよろしいのでしょうか?ありがとうございます女神様。わたくしは祈ります。愛する者たちへの祈りを。彼らをお守りくださいと願いを。
どのくらいそうしていたでしょう。
グイッとわたくしの体が羽交締めに拘束され、ずるずると引き摺られていきます。眼下に見える泉の色は赤を通り越して真っ黒でした。
「……っ!…ぅ!ぐ、ぁあ!……いっ、あ!」
「……おお、やはり良い声で鳴く」
泉の淵で引き倒され、激しく体を打ち付けます。
「……っ、や…はり……あなたですか…」
「ほう?待っておったか、私を。良いぞ良いぞ!水に張り付いた衣服も私を誘うためであろう?さあ足を開け、エマ。可愛がってやる」
わたくしは笑います。
「ええ、貴方を誘うためですよ、陛下」
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