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07 ヒモっていうのはな
しおりを挟む今世の涼音んちはなんだか前世の実家に似てた。
やたらとデカい平屋の、なんか日本国の中世史で見たような屋敷。庭も洒落にならないくらい広くて白い砂が模様描いて敷いてあって、これどこ踏んで歩くんだ?石の上か?歩幅広くね?って思ったら涼音も瑞穂チャンもガンガン踏んで歩いてた。
案内された家の中はドアがなかった。なんというかこう、簾っぽい綺麗な布で区切ってあるような感じの屋敷。
「刹那、僕がお風呂入れてあげるのと自分でするのどっちがいい?」
「あ、自分でするわ」(即答)
「………チッ…」
わあなにその舌打ち。
こいつやたらと俺の世話焼きたがってたよな…。前世で死ぬ直前とか、なんかやたらめったら構ってきて、俺ダメ人間になるとか思ったもん。
ヒモっていうのはな、結構がんばる生き物だぞ?愛子さんを例にすれば、朝昼過ぎに起きてきた愛子さんに温野菜のサラダとかスムージーとかササミハムとか食べさせながら朝刊を10冊くらい差し出して、愛子さんがそれ読んでる間に郵便物とかチェックして、俺とアハンウフンしてスッキリした愛子さんの風呂とか化粧とかヘアスタイリングとか着替えとか手伝って、軽く夕飯食べさせた後に仕事に送り出すだろ?そっから片付けして掃除して洗濯してクリーニング取りに行ったついでに買い出しして、明日の料理の下拵えして、やっと自分の飯食って風呂入ってゲームとかして暇潰してたら明け方に帰ってきた愛子さんにポカリ飲ませて裸に剥いて風呂で洗って、ぐてんぐてんの愛子さんに構わずに髪とか爪とか肌の手入れとかしてベッドに放り込み、隣で寝るという……。
わかったか?専業主夫だよ要するに!役に立たないと捨てられるだろ!?なのに涼音ときたら……うん、もういい、言うまい…。
実際、教団を飛び出した直後の、ヤクザとその情夫に飼われてた時はセックス以外 役に立てないダメ人間だったしな。
うん、話が逸れた。
で。
なんかやたらに広い風呂で、返り血でパリパリの制服脱いで、ペタペタを通り越しザラザラの血液を綺麗さっぱり洗い流し、袴みたいな服を貸してもらったらおかしなとこに連れて行かれた。
不思議な場所だった。
屋敷のその奥に地下に降りていく道があって、地下なのに神社みたいな鳥居と建物がある。よくもまあこの広い空間をくり抜いたと思うんだけど……そうだな!ここ、異世界だったよ!
松明の明かりに薄らぼんやり照らされたソレは、強烈な腐臭を放っていた。
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