【7人の魔王 終】白の恋と、黒の愛

とうや

文字の大きさ
81 / 174

《精霊族》の事情

しおりを挟む


「ホントは随分前からそういう計画してたんだけどさあ」

「待て!副官にしたいっていうなら事前に相談してくれ!!もうほぼ決定じゃないか!?」


一条が珍しく青くなって叫ぶ。悪戯が成功したように凛がテヘッと笑う。可愛い。


「うーん、兄さんたちに言っちゃった時点でもう決定?」

「お前らはぁぁぁ!!」

「頼む…!上司になるのなら報告連絡相談は最低限やってくれ…っ」

「因子持ちの栢木とルーカス、あと因子はないがなんとかなりそうなエルンストとアイリーンにはもう聞き取り調査が終わっている」

「ホゥ!!あの野郎!俺は何も聞いてねえぞ!?」

「妻にも何も聞いてない!待てそれはいつの話だ!?」

「話したのは1ヶ月くらい前かな?」

「「聞いてない!!」」


あー、うるせえ。


「栢木とルーカス、エルンストは受け入れるらしい」

「………は?アイリーン嬢は…?」

「『可愛いおばあちゃんになって子供と孫に看取られたい』だと…」

「まあ本音はあのお腹の子供の父親の ーーー なんて言ったっけ、あのベーレンドルフの私兵の……あの男と添い遂げたいんじゃない?」

「ああ…そういう……」

「クリスはなんと?」


俺と凛は困った顔を突き合わせる。


「クリスは《先祖返りアタビズム》だ、言う必要がなかった」

「アイリーンが言うなって」



 ーーー お兄ちゃんにはまだ言わないで!お兄ちゃんに私とお兄ちゃんの寿命が違うって……私が人間として死にたいって言ったって…言わないで……言わないで、ください…



「俺もそれが正解だと思う。資料によれば《精霊族》ってのはめちゃくちゃ死にやすい。存在自体があやふやだと言っても間違いじゃない。昔、爺さんがらしいが『清浄な森で適切な餌と清潔な巣箱、結界を張ってそこそこの自由を与え、守護霊獣を1匹につき1体。絶対にストレスは与えぬように真綿で包む様に、できれば番で飼育』……らしい」

「エルンストも同意したよ。クリスの母親の《精霊族》も死因はショック死らしいからね。僕もクリスが死ぬのは嫌だし」

「先祖返りの《精霊族》の中に異世界人の図太い魂が入ってなきゃ今頃クリスは生きてない。難しい判断だが、クリスには年月を重ねてなってもらうしかない」


四人で顔を突き合わせ溜息を吐く。ええと…なんの話だ?そうそう…


「さっきロゼにも「人間やめないか?」と聞いておいた。上機嫌でOKを貰ったぞ?」

「「酔ってるだろそれは絶対!?」」

「今晩あたり進化パレード?とかいうのやるらしいから」

「「パレード!?」」



ハモリすぎだろ、前世オッサンとオッサンコンビ。





しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

公爵家の五男坊はあきらめない

三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。 生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。 冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。 負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。 「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」 都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。 知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。 生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。 あきらめたら待つのは死のみ。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー AI比較企画作品

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

ブレスレットが運んできたもの

mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。 そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。 血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。 これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。 俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。 そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?

侯爵令息は婚約者の王太子を弟に奪われました。

克全
BL
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!

ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。 その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。 しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。 何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。 聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)

心からの愛してる

マツユキ
BL
転入生が来た事により一人になってしまった結良。仕事に追われる日々が続く中、ついに体力の限界で倒れてしまう。過労がたたり数日入院している間にリコールされてしまい、あろうことか仕事をしていなかったのは結良だと噂で学園中に広まってしまっていた。 全寮制男子校 嫌われから固定で溺愛目指して頑張ります ※話の内容は全てフィクションになります。現実世界ではありえない設定等ありますのでご了承ください

処理中です...