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《精霊族》の事情
しおりを挟む「ホントは随分前からそういう計画してたんだけどさあ」
「待て!副官にしたいっていうなら事前に相談してくれ!!もうほぼ決定じゃないか!?」
一条が珍しく青くなって叫ぶ。悪戯が成功したように凛がテヘッと笑う。可愛い。
「うーん、兄さんたちに言っちゃった時点でもう決定?」
「お前らはぁぁぁ!!」
「頼む…!上司になるのなら報告連絡相談は最低限やってくれ…っ」
「因子持ちの栢木とルーカス、あと因子はないがなんとかなりそうなエルンストとアイリーンにはもう聞き取り調査が終わっている」
「ホゥ!!あの野郎!俺は何も聞いてねえぞ!?」
「妻にも何も聞いてない!待てそれはいつの話だ!?」
「話したのは1ヶ月くらい前かな?」
「「聞いてない!!」」
あー、うるせえ。
「栢木とルーカス、エルンストは受け入れるらしい」
「………は?アイリーン嬢は…?」
「『可愛いおばあちゃんになって子供と孫に看取られたい』だと…」
「まあ本音はあのお腹の子供の父親の ーーー なんて言ったっけ、あのベーレンドルフの私兵の……あの男と添い遂げたいんじゃない?」
「ああ…そういう……」
「クリスはなんと?」
俺と凛は困った顔を突き合わせる。
「クリスは《先祖返り》だ、言う必要がなかった」
「アイリーンが言うなって」
ーーー お兄ちゃんにはまだ言わないで!お兄ちゃんに私とお兄ちゃんの寿命が違うって……私が人間として死にたいって言ったって…言わないで……言わないで、ください…
「俺もそれが正解だと思う。資料によれば《精霊族》ってのはめちゃくちゃ死にやすい。存在自体があやふやだと言っても間違いじゃない。昔、爺さんが飼ったらしいが『清浄な森で適切な餌と清潔な巣箱、結界を張ってそこそこの自由を与え、守護霊獣を1匹につき1体。絶対にストレスは与えぬように真綿で包む様に、できれば番で飼育』……らしい」
「エルンストも同意したよ。クリスの母親の《精霊族》も死因はショック死らしいからね。僕もクリスが死ぬのは嫌だし」
「先祖返りの《精霊族》の中に異世界人の図太い魂が入ってなきゃ今頃クリスは生きてない。難しい判断だが、クリスには年月を重ねて鈍くなってもらうしかない」
四人で顔を突き合わせ溜息を吐く。ええと…なんの話だ?そうそう…
「さっきロゼにも「人間やめないか?」と聞いておいた。上機嫌でOKを貰ったぞ?」
「「酔ってるだろそれは絶対!?」」
「今晩あたり進化パレード?とかいうのやるらしいから」
「「パレード!?」」
ハモリすぎだろ、前世オッサンとオッサンコンビ。
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