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レーヴァンシュタインの悲劇【現王視点】
これから幸せが待っているはずだった。
クララとの仲を裂こうとした魔女が死に、僕はこの国の王になる。そしていつか、ルーカス様を魔王から取り戻す。
あの夜。
クララとの神聖な儀式の最中にルーカス様は現れた。僕たちが母の振りをした魔女を殺そうとした事を知って激昂した。ルーカス様は騙されている。魔王に。魔女に。だってクララが言ったんだ。
あれは魔女だと。
聖なる乙女の神託だから。だからきっと正しい。
僕は厳しい母の振りをした魔女よりも、ルーカス様が大好きだった。ルーカス様は僕を叱らない。いつも笑っている。誰かを傷付けるな、蔑むな、己を知れと嫌なことばかり言う魔女とは違う。魔女は言った。
『ねえシャルル。ルーカスが貴方に優しいのは、貴方を……』
ああ、その後の記憶がない。その直後にクララに出会ったんだ。
クララは優しい。可愛い。……気持ちいい。
この国の王になって、クララを妻にして、ルーカス様が側で笑ってくれたらどんなに素敵な日々だろう。王になれば、アレクシス様からルーカス様を奪える。そうクララは言った。
けれどこの不安はなんだ。何かが違う。僕は何かを間違えた。
ルーカス様も、クララとの儀式に参加すればわかる。アレクシス様なんか捨てて、またこのレーヴァンシュタインに戻ってくる。ずっとずっと僕の作る王国で、幸せに……
「…どうしたの、シャルル?」
純白の花嫁衣装のクララが笑う。いけない。今はパレードだ。国王として。聖女の夫として手を振って、国民に幸せを分け与えないと。
「ねえシャルル、楽しみね?やっとルーカス様が帰っていらっしゃったわ。この後直ぐにお会いして、みんなで愛し合いましょう?」
クララが笑う。そう。愛している。クララを。ルーカス様を。愛し合って、それから…それから……
『ねえシャルル。ルーカスが貴方に優しいのは…』
ああ、魔女の言葉が木霊する。
『貴方を愛していないからよ』
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