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蘇生【ユキ視点】
しおりを挟む一度しか教えない。そうお父さんは言った。
修復を含む『魂魄の構築』は封印するつもりだったそうだ。曰く、世界に多大な影響を与える……と。
この光の繭の中で、千早の砕け散った魂魄がよく見える。千早の目みたいに綺麗な青い魂魄は粉々だった。
千早は ーーー バカだ。
俺なんかを庇って死んじゃった。もうホント、バカ。でも俺もバカだから仕方ない。バカ同士の夫婦だから仕方ないよね。千早は俺が死にそうだったら何度でも庇うだろうし、世界が歪んでもおかしくなっても俺は何度も千早を生き返らせる。
だから俺は、死ぬ気でこの技術をお父さんから盗まないといけない。
まあるい水槽みたいな魔力の入れ物の中で千早の魂魄を繋ぎ合わせる。ぺたり。ぺたり。俺の魔力でくっつけていく。近しい人の魔力じゃないと馴染まないとか、生前をよく知ってないとまるで性格が変わってしまったりするとか。勉強になるような、気が散るような話をお父さんはポツポツと話してくれた。
「……そういえば、お父さんはお母さんと再婚するの?」
「さいこん…」
「うん。一回別れたんでしょ?」
「別れてないッ!!」
「でもねえ…お母さん、もう内縁の夫のひといるしねえ…」
「……ぐっ…!」
「ハナちゃんとツキちゃんもお母さん大好きっ子だから揉めると思うよ?」
「は……?え…?」
「うーんとね、お母さんと紅葉さんの子供でね、俺の弟と妹なんだけど良い子なんだあ」
「こども…」
「紅葉さんは俺とお母さんの恩人だし、千早のお母さんみたいな人だからあんまり悲しませたくないしねえ…」
「我が子よ…!我が子はどちらの味方なのだ!?」
「んー…そのへんは難しいからお父さんたちで話し合って。俺、バカだから難しいことはわかんない」
「我が子よ!馬鹿は魂魄の修復など一度で覚えきれないぞ!?」
アーアーアー!わかんなーい!俺バカだからぁ!
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