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私と妹の帰宅
しおりを挟む侯爵家に帰ると侯爵夫妻がニヤニヤしながら待ち構えていました。あら?お父様、お仕事は???領地の仕事は私と妹、そして執事長がやっていますが、お父様は宮仕のはずです。宮中庶務第三課って暇なのでしょうか?
「まーあ!お早いお帰りねレアさん!お茶会は楽しかったかしらぁ?」
「お前のことだから粗相をして居た堪れずに帰ってきたのだろう!まったく、これだからお前はダメだというのだ!ニナを見習え!」
えっ…小言言うために待ってたのですか?
「ずるいですわぁ!!パパ、ママ!お姉様に小言を言うなんてずるいわぁ!お姉様と言葉を交わしたいのならわたくしの許可を取ってくださいませ!」
「えっ…そ、そう?ず…ずるい、の?かしら???」
「そうよママ!お姉様に小言を言うのはわたくしだけですわぁ!」
「ニ…ニナや?パパは小言など言ってないぞ?本当のことを……」
「………(うっざ!)」
おっふ。妹の反抗期が怖い。
「ま…まあ良いわ!さ~あ、ニナちゃん?わたくしの可愛いフェアリーちゃん?今日のお茶会の出来事をママに教えてちょうだい?晩餐は柔らかくてジュ~シィ~なステーキよお!……あっ、レアさんは遠慮してくださる?家族水入らずですからね!」
「ハハハ!そうだぞニナ。家族だけで夕食にしよう。思えば私が忙しすぎて一緒に食事をするなどと何年ぶりかな…?」
「あら?ではお姉様はお部屋で夕食を取るのですか?」
「ええ、そうよ…」
いつも通りじゃない。
そう言おうと………
「ずるいですわぁ!!」
「えっ」
「えっ」
「えっ」
いつものように、いつもの如く。お父様、義母、私の気持ちがひとつになる。
「ずるいずるいずるいですわぁ!!お姉様だけお部屋で召し上がるなんて!!ずるい!わたくしもパパとママのブクブクシワシワなお顔を見ながらご飯なんか食べたくないですわぁ!わたくしもお姉様のお部屋で!お姉様の麗しいお顔を愛でながら姉妹水入らずで美味しく食べるのですぅ!!」
はいぃ???
どうしよう。妹の思考回路がわからない。いやわかるんだけどわかりたくない。どうしてこの妹は火種に揮発油ぶっ掛けるようなことするのよ!?しかもさりげなく侯爵夫妻をディスってる!!
「バーサ!お姉様とわたくしの夕食はお姉様のお部屋に用意してちょうだい」
「かしこまりました、お嬢様方」
恰幅の良い古参の侍女が頭を下げる。侍女の名前はバーサ。10年前、離れに閉じ込められた私とお母様に、唯一食事を持ってきてくれた侍女です。今では侍女頭になっています。私とお母様の唯一の味方…!と思っていたのですが、今では何故かニナの命令しかききません。解せぬ…。
「さ、お姉様行きましょう!ドレスを脱いで!お風呂に入って!パジャマで夕食を頂きましょう!」
「……ニナお嬢様、それははしたのうございますよ」
「いいじゃない!じゃあワンピース!!」
「……仕方ありませんね。今日だけですよ?」
ぐいぐいと手を引かれて。あれよあれよという間に一緒にお風呂に入ってウエストの楽なワンピースを着せてもらう。
……ごはん…おいしい………
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