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はじめての嫁料理はカレー
しおりを挟む俺がカレーを作るって言ったら、千早はすごく喜んだ。
「じゃア俺がメしを炊こウ」
ウキウキとお米を……
「待って千早!お米はちゃんと研がなきゃ…」
「ン?鑢ガいるのカ?」
「なんでヤスリ!?」
ダメだ……そういや千早は魔王サマだった……。
俺がお米を研いで飯盒にセット。幸いにも飯盒と一緒にご飯の炊き方がメモしてあった。……日本語で。
「『こメを研イで水に浸ス』……エ?ひタすのカ?」
「吸水させなくても炊けるよ?させたほうが美味しいけど」
真剣。千早、超真剣。美人でイケメンでかっこいいくせに可愛いとか…。俺の旦那、最強じゃない!?
前世で家事力ゼロの両親に鍛えられた俺は、一通りの食事は作れる。異世界転生しても村人だったからご飯くらい作ってたし。っていうか、俺の親代わりだった神官様は生活能力がまるでなかったからなあ…。
ご飯は紅葉さんもメモを覗き込んでフンフン言ってるから多分大丈夫。最悪、パンの木のパンを捥いでこよう。
お芋の皮を剥き始めると、ムッキムキの鬼いさんが手伝ってくれ始めた。コックコートがはちきれそうな筋肉って……。手が大きくてお芋が小さく見える。俺も俺もと厨房のみんなが手伝ってくれて瞬く間に下準備完成。
大鍋でお肉を炒める。なんで大鍋なの?とか、お肉大きすぎない?とか聞いちゃいけない。表面に少し焦げ目がついたら玉ねぎ。玉ねぎが透き通ってきたらニンジンとジャガイモ。鍋もヘラも大きくて、踏み台の上で一生懸命混ぜる。っていうか量、多すぎ!みんなで分けるといいか…。
ある程度表面に油が付いたら水を……あっ、ありがとう。至れり尽くせりで水を入れてもらった。あとは煮込むだけだから千早の方を見に行くと、飯盒からいい感じで蒸気が出てた。
「『蒸キがでなクなったラ火かラおろシてひッくり返ス』?」
「うん。ひっくり返したら蒸気が飯盒の底に当たって美味しくなるよ?」
「ふム…おくガ深イ……」
浮き上がった飯盒の蓋をペシペシ千早が叩く。……なにこれ。可愛い。めっちゃ可愛い…!千早は猫みたいだ。美人で気まぐれで行動の予想がつかない猫。前世も猫派の俺、千早の嫁になって良かったなあ…。
カレーの具に火が通ったからルーを入れて溶かす。どういうことか、カレールーの容器が煙みたいに消えていった。異世界って……いいや、考えちゃダメだ。ゴミが出ないエコだと思っておこう。ちょっと煮込んで完成。千早のご飯も炊けたらしい。
飯盒で炊いたご飯はいい匂いがして、皿に移すと底にちょっとおこげが出来ていた。
「わあ!千早、すっごく美味しそう!」
「ソうか、ソうか」
えっへんと得意気な千早。紅葉さんも鬼いさんたちもニコニコしてた。《眷属》のみんなはホントに千早大好きなんだなあ。
出来上がったカレーはとろっとしてて具がゴロゴロしてる。前世ぶりのカレーだ!美味しそう!!
お皿に盛って、冷めないようにここで食べようって椅子を持ってきてもらったら……
「慰謝料を要求するっ!!」
…………誰か叫んだ。…えっ???
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