【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

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領地編1

「おぎゃっ」と生まれたら異世界だった



旦那様が亡くなりました」

「………は?」



危うくガラスペンを書類の上に落としそうになった10歳の秋。この俺、リオ・プレンダーガストの遺伝子上の父であり、プレンダーガスト伯爵代理のクズが死んだらしい。死因は腹上死。場所は遊郭地区の高級娼館。所持金は銅貨5枚と鉄貨2枚。クソが。






クソが失踪したのは俺が7歳の時。元々「おぎゃっ」と生まれた時から前世の記憶のあった俺は、執事やその他の部下たちの助けを借りてなんとかこの伯爵家を回してきた。母はクソの失踪騒ぎで首を吊った。1人残された子供がどんな目に遭うとか考えもしないで。祖父母はすでに亡く。前世の記憶が無ければ泣いていた。嘘。ちょっと泣いた。精神が子供ボディに引き摺られた。

普通は貴族の一人娘だった女が死に、その配偶者が失踪しているとくれば顔も見たこともない親戚が集りにくるのだろう。それが全くなかったのは幸か不幸か。要するにプレンダーガスト伯爵家は『ド』がつくほどの没落一歩手前のド貧乏だった。

痩せた土地に、希少鉱石も金も銀も、鉄さえ取れない禿山ばかり。そりゃそうだ。美味しい領地はみんな上位貴族や王族が持っていく。下位貴族は生かさず殺さずが基本。プレンダーガスト伯爵家、死にそうだったけど。匙加減っつーもんがさあ、王政さんよォ…。

まず始めたのは地質調査。金銀銅鉄宝石の鉱山はないが水晶系の天然石はそこそこ出た。水晶(英石)とくれば方解石。あとは灰。前世チート炸裂。ショボイほうの。領地で一件しかない廃業寸前のガラス工房を、なけなしの金貨袋でぶん殴って従業員ごと買い取った。コアガラスが主流だったこの世界に吹きガラスが爆誕。コアガラスよりはるかに薄く透明度があり、天然石や貝で美しく装飾されたミルフォリガラスは王都でバカ売れして金貨が飛び交った。

工房を拡大して工場を作り、販売経路も他領の商人は入れずにプレンダーガスト伯爵領で独占。王都の大店なんかから再三苦情を言われたが、この貧乏プレンダーガスト領から逃げ出さなかった商人を甘やかして何が悪い。商隊が襲われたりしたが、その頃には冒険者ギルドも金で抱き込んで蹴散らした。見るがいい、これが真の癒着だ。わはははは。




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