【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

文字の大きさ
3 / 160
領地編1

父(クソ)の借金を振り分ける



話は現在に戻る。

その腹上死したクソの死体を屋敷に持ってきた娼館の店主は、両手をにぎにぎしながら滞納したツケを請求した。プレンダーガストがガラスで儲けてるのを当てにして。娼館の主人の後ろには、ド派手なババアと貧相なガキがいた。


の内縁の妻と息子です」

「………はぁ…」


俺は気の抜けた返事しかできなかった。俺がショックを受けて対応できないと思ったらしい。うんうん、わかるよ。だって俺、めっちゃ可愛いもん。曾祖母譲りのホワイトゴールドの髪と、シャンパンピンクの大きな瞳。白い肌とふっくらした桃色のほっぺ。まつ毛なんかバサバサ。ドヤ?どこに出しても恥ずかしくない美少年であるぞ!

……うん、脱線した。その幼気いたいけな俺を丸め込もうとしているんだろう。だが残念!中身は俺だ。元ヒノモトの叩き上げ軍人舐めるなよ?


「……まず借金を支払おうか。借用書を」

「……は…!?え……えっ…」

「セバス、うちの帳簿も持ってきてくれ。ああ、遊郭地区の税金関係だけでいい。確認をしよう」

「えっ…、えっ…え……」

「あのクズのこさえた借金の内訳を見せろと言っているんだ。聞こえないのか?日時、金額、サインの有無。それだけでもいい。早く出せ」

「は…ははっ……こ、これは驚いた………もしや、ぼっちゃまは帳簿が…」

「読めるし書ける。が作った借金だ。信用ができない。払わないとは言わないが、確認はさせていただこう。……もしも虚偽であれば………まあ、その時に考えよう」

「………っ…」


すでに準備されていたらしい税収の原本をセバスがテーブルに置いた。「ほれ、早う出せ」と指で手振りすると、娼館の店主はおずおずと鞄から小汚い紙の束を出した。


「……ふむ。書式も日時もバラバラ。セバス、まずはクソのサインと日時のあるものだけを抜き出せ」

「はっ」


セバスが仕分けた借用書は、サインと日時がないものが半分以上。そこから日付順に並べていき、ざっと月に幾らの借金を作ったのか確認する。……しかしこの紙汚いな。なんだかネチョってするし、心なしか臭い。そう思って眉を僅かに顰めると、乳母であり侍女頭兼メイド統括のリサに手袋を装着された。素早…


「……この十三月の収支は大金貨1枚金貨89枚小金貨3枚銀貨62枚銅貨4枚鉄貨無し。なのにクソの借金が大金貨2枚?翌月の一月にも計上されていないな?売掛金にも記入されていない」

「そ…それは!その…!伯爵様の…領主様の借金ですので……」


「ねえ!ちょっと!まだなの!?アタシは今日からここの女主人なのよ!の部屋に案内しなさいよ!!」


後ろに連れて来られていたババアが叫ぶ。ガキの方は静かなもんだ。いや、『無』か…。

パン!とひとつ手を叩く。


「黙れ阿婆擦れ。そして妓楼クルチザンヌベルフィーユ店主。ジョッシュ・プレンダーガストはであって伯爵ではない。しかも3年も前に代理の職務も放棄し、屋敷中の貴金属を売り飛ばして失踪。発見次第捕縛せよと領内の憲兵には命じている。私が伯爵位を継ぐまでの繋ぎの、いわば部下だ」

「そん…な!では借金は…!?」

「心配するな。私の、生物学上の父親だ。適正金額なら支払ってやろうというのだ。手切れ金だ。貴族としての対面もある」

「はっ…は……はひっ…」

「それと阿婆擦れ。あのクソと番ったところでこのプレンダーガストの女主人になれる訳がなかろう。は顔だけで我が母に取り入った男爵家の三男だ。すなわち、お前がいくらアレと愛し合おうと、子を成そうと、プレンダーガストの女主人になどなれるはずがなかろう?……もしも、だ。もしもの話、あのクソが生きていて、お前とその小汚いガキを連れてこのプレンダーガストを乗っ取ろうと乗り込んできたのなら、敷居を跨ぐ前に斬り捨てている」

「なっ…なぁ……っ!?」



「命が惜しくば口を閉じろ。下郎めが」











感想 76

あなたにおすすめの小説

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

婚約破棄された悪役令息は隣国の王子に持ち帰りされる

kouta
BL
婚約破棄された直後に前世の記憶を思い出したノア。 かつて遊んだことがある乙女ゲームの世界に転生したと察した彼は「あ、そういえば俺この後逆上して主人公に斬りかかった挙句にボコされて処刑されるんだったわ」と自分の運命を思い出す。 そしてメンタルがアラフォーとなった彼には最早婚約者は顔が良いだけの二股クズにしか見えず、あっさりと婚約破棄を快諾する。 「まぁ言うてこの年で婚約破棄されたとなると独身確定か……いっそのこと出家して、転生者らしくギルドなんか登録しちゃって俺TUEEE!でもやってみっか!」とポジティブに自分の身の振り方を考えていたノアだったが、それまでまるで接点のなかったキラキライケメンがグイグイ攻めてきて……「あれ? もしかして俺口説かれてます?」 おまけに婚約破棄したはずの二股男もなんかやたらと絡んでくるんですが……俺の冒険者ライフはいつ始まるんですか??(※始まりません)

公爵家の次男は北の辺境に帰りたい

あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。 8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。 序盤はBL要素薄め。

婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。 現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。 最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。

家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る

りーさん
ファンタジー
 アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。  その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。  そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。  その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?