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領地編1
プレンダーガストレッド
ガラスペンとワイングラスは飛ぶように売れた。実用品のガラスペンは比較的安く、贈答品は強気の値段だが完全オーダーメイドで。贈答品はペン先が割れたりしたら有料だが修理サービスも始めた。まああれだよ。思い出の品ってやつ。
血のように赤いガラスは『プレンダーガストレッド』とか呼ばれて、それこそ宝石より高値で取引された。まあ異世界のパクリなんだが、実際の配合とかはガラス職人たちが頑張ってくれた。当然模倣品も出たが、硫酸鉛じゃなくて直で鉛を突っ込んだ鉛ガラスだ。当然、中毒患者が出た。この世界の鉛、毒性強すぎねえ!?被害者から補償とか賠償とか詰め寄られたが、うちじゃねーし。結局は職人の1人が間者だったようで、『鉛っぽいもの』→『鉛でいいんじゃね?』と……。プレンダーガストガラスは中央教会できちんと誓約書を使って保証書を出してるからコピー商品はバレるんだよなあ…。当然、情報を漏らした職人は即日解雇した。二度とガラスに触れられない神の祟りが発動して、気が狂わんばかりに叫んでいたなあ。腕の良い職人だったから残念だ。ちなみに『血のように赤いプレンダーガストレッドグラス』は再現できていないらしい。ざ ま あ www
さて、ガラス産業はこれでしばらく大丈夫。今現在、プレンダーガストはガラスだけでなく棗椰子や龍舌蘭を採取&栽培中。棗椰子は大事に収穫して肥やしをやり、龍舌蘭は元から大量に崖に自生していたものを採取して、株分けしたものは畑に植える。蒸したり乾燥させたりして加工したのがこちら。意識高い系女子が大好きデーツとアガペシロップだ。ついでに醸造所も作ってテキーラを。蒸留の技術は錬金術師主導で行なっているから間違いがない。テキーラ醸造所を管理するだけで飲み放題!と誘ったら釣れた。酒飲みめ。
さて、領地改革開始からここまでで5年。俺がティグレを引き取って2年が経った。ティグレは『生まれた時からここにいました』みたいな顔をして立派な執事見習い兼侍従になった。相変わらず口数は少ないし表情筋は仕事をしていないが。今日も今日とて疲れ切って這う這うの体で帰り着いた俺の介護をしてくれる。比喩じゃない。こっくりこっくり船を漕ぐ俺に粥状のスープを飲ませ、意識のない俺の体を風呂に入れる。朝起きたら全身清潔スッキリだ。最初は「無理!!」って思ってたけど…まあ慣れれば慣れるモンだな。
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