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王都編
ぅゎ…メンタル弱すぎィ
制圧完了!
いやぁ、久々に……転生して初めてこんなに運動した!日々、澱のように溜まっていってたストレスがスッキリ爽快だぜ!
護衛騎士の損害は死者5名、重傷者者7名、軽傷者3名。御者は死亡。静かに横たえられた仏たちに手を合わせる。戦で死ぬは武士の誉れと言うが、騎士はどうなんだろうな。
目の前の光景は散々だった。重傷者は応急処置をしただけだからいつ死ぬかわからない感じで呻くだけだし、軽傷の騎士たちは怯えて目も合わせてくれないし。ティグレはなんか俺に抱きついてべそべそ泣いてるし。
「ヒッ……さ、先程、信号弾を打ちっ、あ、ぁぁあ、上げ、ましたっ。こ…こ、から王都までは遠くありしぇ、せ、せん。すぐ、にっ、きゅうぅ…ぅご、救援が、来っ…くる、と……おもい、ま…す…」
いかん。軽傷の護衛騎士の兄ちゃん、歯の根があってねえ。めっちゃ怖がられてる。
さぁ、どうしたもんかね…と途方に暮れていると、漸く憲兵 ーーー 王都巡回騎士団がやってきた。
「……うっ…これ、は………!?」
「ひ、酷い…だが流石は王兄殿下の専属騎士といったところか…」
駆けつけた巡回騎士は一様に顔色を悪くして、離れた場所で吐いてる奴もいた。ぅゎ…メンタル弱すぎィ!
「大丈夫か、君たち!?血が…!」
「ああ、問題ありません。私も従者も他人の血です」
「………は…?」
「それより重傷の者に早く治療を。止血はしましたが、早くしないと命の危険があります」
「……は…?え?え……き、きみ、が…?」
「護衛騎士様たちはお怪我をなさっているからですね。痛みと恐怖で手が覚束ないようで」
にっこり笑う。どや!場を和ませるリオくんのエンジェルスマイル!
「……っ、…………!?……!…???」
巡回騎士の責任者っぽいおじさんは、なんだか青くなって軽傷の護衛騎士たちを見た。おい、目を逸らしてやるなよ。可哀想だろ?責任者のおじさん、ガクガク震え始めちまったじゃねーか。
巡回騎士たちは、なんだかビミョーな感じで目配せをし合い、『触るな危険』っぽい扱いをされた。解せぬ…!
「あー、ティグレ。お前も汚れたなぁ。汚ったねぇ」
顔にもろに浴びた護衛騎士の血を拭ってやる。……あ、いかん。俺の方が血塗れだわ。さらに汚くなっちまった。
「……ご、め…!ごめん、ごめんっ!リオ、ごめっ…ん…!!お、おれ……う、うごけなくて…こっ、こわ…こわく、て…!」
「……?あー、あれか?そうだなあ、ま、仕方ないんじゃねぇ?あっ!そういやおまえさあ、俺が出ていって、鍵どころか扉を開けっぱなしだっただろ!ダメだろ!俺の言うことはちゃんと聞け!」
「………っい!いやだっ!!」
ファッツ???
「いやだ!もうリオの言うこと聞かない!嫌だ!リオがっ…リオが、死んじゃうって、おっ、おれ…!!おれ…!」
「あー…」
べそべそ、すんすん。ティグレの顔は、涙と泥と血でとんでもねえことになってる。リアルスプラッターは、ティグレ少年にはちょっと刺激が強すぎたようだ。
「しょうがねえなあ……じゃ、王都の用事終わったら、プレンダーガストで一緒に鍛錬するか?」
「…ぅっ……う、ぅぇ…っ………?えっ…?」
「お前も強くなりゃあ、俺だって置いていかねえよ。背中預けられるくらい強くなってくれよ、お兄ちゃん」
可愛らしくバチコーン!とウインクをする。ほれ、泣きやめ!お前の可愛い弟の精一杯の……って!ぅおおおおい!!泣くな!待て!叩くな!洟水ぅぅううう!!
「うっ…うううー!馬鹿ぁ!!リオのっ、ばかあぁああー!」
何故だ。さっきから俺の『和ませ攻撃』は不発どころか、揮発油どっぱどぱ状態なんだけどぉ!?
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