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王都編
むかし、むかしのものがた………えっ、最近の事件なの!?
先王陛下所有の豪邸、王家の森付き。予想外の損害賠償に俺は白目を剥く。いやいやいや……ねぇだろ、これはァ!?
「父が隠居する前に愛人を住まわせようとしていたらしくてね?それはまあ愛らしい阿婆擦れ……ではない、男爵令嬢だったのだが、どうやら魅了の魔眼を使って売国を謀っていてね。拘束して平民に堕としたのちに絞首刑に処した。手引きしようとした男たちもね。ああ、父の処刑は無理だったから、断種の上に隠居して頂いたよ。……残念ながら、その数日後に病を得て身罷られたが」
うわあああああ!これ、吟遊詩人の歌にもなってる『愚かな王様』じゃん!!
『三番目』の王子が学園で恋をして、婚約者の令嬢を捨てて男爵令嬢を妃にする。無邪気で愛らしい第三王子妃は周囲の男たちに愛され、いつしか国王陛下をも虜にする。第三王子妃のせいで国力は落ち、民は疲弊し、貴族の勢力図はぐちゃぐちゃになった。そうして持ち上がる第二王子と隣国の姫の婚約話。明らかに属国化のお知らせ。そこで立ち上がったのが筆頭公爵家の姫と第一王子。公爵家の姫は、かつて第三王子に婚約を破棄された麗しの令嬢。第二王子に持ち上がった婚約話を突っ撥ね、国王を拘束。第三王子と王子妃、その取り巻きたちを拘束して奴隷の身分に堕とし絞首刑。
「『愚かな王様。本当に愛しているのは王妃様だと気付きます。愚かな王様。泣いても叫んでも、もう塔の下には降りれない』」
「ふふ…良く知っているね。辺境の小さな領なのに」
田舎ディスってんのかオラァ!?
「乳母が寝物語にしてくれました」
「『契約を反故にしたり民を甘く見るとこうなるぞ』という教訓だね。領主教育としては良い題材だ」
「尽くした婚約者を婚約破棄とか、息子の嫁に手を出すとか、一族郎党絞首刑に幽閉…と、子供に聞かせるには中々薄ら暗い話でしたが……ああ、そうですか。あれ、実話なんですか。……その曰く付きの屋敷を?こんなに幼気な少年に?……どうしよう…僕、お化けが苦手で……(チラッチラッ)」
「君の中身が年齢通りではないことはわかっている。気持ち悪いから、いまさら可愛子ぶるのはよしなさい。それに、この屋敷は未使用だよ。王子妃や先王の亡霊が出ることは……多分、ない…んじゃないかな?」
ぉおおい!多分、かよ!?幽霊は斬れないからマジでちょっと怖いんだけどなあ。でも未使用なのは良いことだ。不倫関係の男女があれやこれやしたベッドは使いたくない。
「リオ!屋敷の中を見て回っても!?」
「森を見たいニャ!」
「キャワンッ!」
もおおおおお!お前らチョロすぎねえ!?こんなにあっさり懐柔されやがってェ…!
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