【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

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王都編

閑話・俺は主人公、エルマー・ゲージ


頭おかしいレベルの胸糞があります。書いてて胃が…がががが……



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この世界は、小説かゲーム、またはマンガとかアニメの世界だ。原作は知らないけれど、俺が異世界転生したんだから絶対にそうだ。

クラスメイトに死んだ、と思ったらこの世界で生まれた。剣と魔法の世界。それなりに力を持った侯爵家の五男。なんだよこれ、勝ち組じゃん!最近のハイファンタジーは底辺スタートがデフォルトだけど、たまにはこういうのもいいよな。

俺は『贈り人』として登録され、神童と呼ばれた。剣も知識も面白いほど上達する。親父は厳しいが、欲しいものはなんでも買ってもらえた。女を切らしたこともなかった。初めての相手は閨教育のエロい未亡人だった。それから屋敷のメイドは食い放題。顔面偏差値の高い異世界の美少女たちは俺を奪い合った。兄や姉はそれを見て眉を顰めたが、もちろんそれは嫉妬だと知っている。俺は貴族の義務なんかない。自由なんだ!

12の時、親父から「王兄殿下が没落貴族の子供を王都に呼んだ。多少は顔の良い子供らしいから監視して、できればなり変わって殿下の寵愛を受けろ」と言われた。王兄殿下ってあれだろ?めちゃくちゃ顔の良いオッサン。いくら顔が良くてもなぁ。掘られるのはマジ勘弁だぜ。

新築の広すぎる屋敷。集められた上位貴族の使用人たち。王兄殿下は本気で没落貴族の子供を愛人にするらしい。

現れた没落貴族の子供は、顔面を見た瞬間にしばらく時が止まっちまうほどの美形の子供だった。この国の王族や高位貴族は金髪、下位貴族や平民は茶色の髪か黒髪が多い。それなのに前世のマンガやアニメでしかあり得なかった艶々のプラチナブロンド。透けるように白い肌。まつ毛まで白っぽい金髪で、瞳はピンク。それも普通のピンクじゃない。吸い込まれそうな宝石みたいなキラキラしたピンクだ。瞬きするたびに光を反射してキラキラ輝く、特別な瞳。

なるほど、『特別』だ。

こいつはきっと主要キャラなんだろう。ああ、いるいる。主人公の隣に、なよっちい女みたいな相棒。前世ではなんて言ったっけ?ブロマンス?男同士の友情ってやつ。こういう奴が隣にいれば、主人公の男らしさとか少年らしさが際立つんだよ。うん、良いんじゃねえ?これだけ美形だったら正直チンコ付いてても抱けるけど、まあとりあえずは『友情』だよな?

そう思って ーーー 話しかけるきっかけをやったっていうのに、こっちを見もしねえ。なんだこいつ。ツンデレか?めんどくせえなあ、もう。次の日はわざわざ見える場所にキスマークを付けさせた。少し遅れたけど、それもまあ主人公なら許される。ほら、真っ赤になって「不潔だ!」って怒れよ。そういうシーンだろ、これって。

それなのに、は汚物を見るような目をして『否定』した。

一緒に馬車にっていうのに、淡々と『拒絶』した。

なにやってんだよ!?俺が一緒に乗ってお前、殿下に犯されるぞ!?ほら!俺を頼れよ!!

結局、リオと一緒に王兄の馬車に乗り込んだのは侍従。あいつ……平民のくせに!愛人の子のくせに!なんで没落貴族の伯爵家のリオと平民の不倫の子が王兄の馬車に乗って、侯爵家の俺が馬で追いかけないといけないんだ!?王兄も所詮は下位貴族が母親なだけある。黒髪だもんなあ!くっそ!

大公邸に着いても誰も俺を出迎えず、平民侍従と黒服のジジイがなにやら話し込んでいた。完全無視だ。舐めやがって!平民のくせに熱心そうにメモなんか取ってさあ…「頑張ってます!」アピールお疲れ様!!俺なんか一発で覚えられるぜ?

暇すぎるから椅子と何かつまむものを持って来いってメイドに言ったのに、メイドは無言で頭を下げた後に去っていき、いつまで待っても椅子と食い物は持ってこなかった。痺れを切らして「おい!」とそのへんのメイドを呼びつけると、何故か平民侍従が「明日の予定スケジュールをただいまから読み上げます。復唱してください」とかふざけたことを言い出した。放置して帰ろうとしたら、黒服のジジイが襟首を掴んで「復唱しろ」と凄んできた。暴力だろ、これ!!なんだよこのジジイ!すげえ目が怖えよ。何人か殺してる目じゃね?

二度ほど復唱した俺は解放された。やってられるかよ!!

俺はそのまま帰り、酒をがぶ飲みしてメイド数人と乱行した。処女だったメイドが泣き喚いていたけど、俺に初めてを捧げられたんだ。もっと嬉しそうにしろよ。次からは自分でパンツを脱いで脚を広げて「どうぞ存分にお使いください」だ。わかったか?お前の先輩メイドなんか「妊娠したい」って俺に跨ってくるんだぞ?

………起きたら昼前だった。

やばい!確か一時課の鐘(午前6時)には身支度を整えて護衛に付けって言われてたんだ…!縋り付いてくるメイドたちを突き飛ばして服を着る。昨日の服だが構わない。確か用意してると言っていた。だから大丈夫。…っていうかクソッ!なんで起こしに来ないんだよ!?なんで迎えに来ないんだ!?昨日のことで俺が怒ってるとか考えなかったのかよ!?あの平民侍従が土下座しにくるべきだろ!リオが「ごめん」って一言言えば許してやるのに!!

披露目式はすでに始まっていた。リオは俺を探しているだろう。なのに……衛兵に止められた。はぁ!?招待状!?酒臭い!?関係ねえだろ!俺が行かないと始まらないんだよ!なんで主人公の俺がこんな扱いされるわけ!?おかしいだろ!!





おかしいだろ!こんなの!!

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