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領地編2
錬金術師オズウェル
たっぷり空の魔石に補充した後は、公爵が「プレンダーガストの錬金術師とやらに会いたい」と言い出した。まああれだ。プレンダーガストの錬金術師つったらあいつしかいない。
オズウェル。
家名は知らない。本人が名乗らないし、俺も腕が良くて俺を裏切らないやつなら過去は問わない。研究が好きで、酒が好きで、風呂も好き。現在、テキーラ蒸留所に住み着いてるあいつ。
先触れもなく(元々したことない)突撃したところ判明したのは、錬金術師オズウェルはシャーロック公爵の弟だった…。
はあ!?貴族!?それも上澄みじゃん!!
蒸留所の管理室に笑顔で押し入ったシャーロック公爵。それを見て、酒で真っ赤だった顔を今度は真っ青にして逃げ惑うオズウェル。
「ななな…なんで兄様がっ!?!?だ…だましたなぁ!リオオオオオオオオオオオ!!!」
騙してないし、なんの約束もしてない。っていうか、お前の身分も今知った。
「やっと見つけたよこの放蕩者!良い加減にしろオズウェル。こんな辺境で研究しながら酒三昧?なんって羨ましい…!!シャーロック家はお前が正妻の子なんだからお前が継ぐのが道理。そして私にその地位を譲れ!!」
「色々とダダ漏れです兄様!嫌です無理です義母様も兄様がシャーロック家を継いでさぞご満足でしょう!!あー、おめでとうございますおめでとうございます!さすがですぅ~僕には絶対真似できないなぁ~!」
「やはりお前が逃げ出したのは、あの色情狂女狐が原因か。……良いだろう。アレを修道院にぶち込んだらお前は帰ってくるんだな!?」
「そういうとこ!!そういうとこが嫌なんですよ兄様!!ぜーーーーーっったい帰らなぁぁあああああいぃぃぃいいい!!!」
ぅわあああああ!ストップストップ!!聞いてはならないシャーロック公爵家の闇ィイイ!!
話し合いの結果、錬金術師オズウェルはプレンダーガスト領に残留。だって錬金術師が居ないとガラス産業とかテキーラ蒸留所とか回らないじゃん!困るんだよ今更連れて行かれちゃあ!!
ただシャーロック公爵としては、歳の離れた弟がこんな辺境で研究三昧酒浸りになるのは羨まし……いや、忍びないようで、仕事を増やすことにした。
それが『転移門の管理者』。
主な仕事はメンテナンス。あと、不測の事態に緊急遮断。管理者は国のお抱えなので国からも給料が出る。最初は渋っていたが、シャーロック公爵が「金があれば素材がアレもコレも買えるんだぞ…?」と囁いたら俄然張り切った。現金ンンン!……シャーロック公爵としては長らく行方不明だった弟を繋いでおきたいらしい。
どこの兄弟もまあ、めんどくせえなあ!……え?うち?うちは平和だよ。うん。多分な?
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