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学園編
ろくでもない神あるある
それは荒唐無稽な、けれど、どこかで聞いた話。この世界の。この国の物語。どこにでもいる少女が聖女として目覚め、英雄たちと愛や友情を育みながら世界を滅亡から救う。地球のヒノモトでそのストーリーは『ゲーム』だった。誰と愛し合うか、どう攻略していくか。何度でも繰り返せる娯楽だった。
「偽神戯」
「え…」
「あー…軍関係者じゃなかったお孫ちゃんは知らねえか。『ぎしんぎ』、『イビル・ゲーム』とも言われていた。ヒノモトでも…ジアースの世界中でも同じようなことが起こっていて、偽神と呼ばれる神に似た化物が物語に似せて舞台を作り、世界の滅亡という極限の中で人間がどう足掻くかを観察する遊戯だよ。少なくない英雄症候群患者を量産し、本気で何度か世界が滅びかけた。『登場人物』が失敗して滅亡が確定したら、各国の軍が動く算段だ。ヒノモトでは秋山大将が率いる第七特殊部隊がその処理に当たっていた」
「そんなことが……」
「陸でもない『神』あるあるだ。神様って奴ァ、よっぽど娯楽が少ないんだろうよ」
偽神戯。それは神にとって正しい手順を用いて解けば豊穣をもたらす超常現象だ。豊穣は物質だけのものではない。新しい技術、新しい概念、そして人間が持ち得ない異能力。当然、各国は偽神によって齎される恩恵を求めた。自国だけで処理できればそれは莫大な富と力を得る。だが他国の介入を一度許せば、その偽神戯の恩恵は全て毟り奪われ、跡には惨憺たる被害と現実だけが横たわる。
「……もうお分かりでしょう。ゲームは花の月に始まるのです。主人公が王立学園に入学するその時から」
「『仕事』だと思えば話は早い。状況を聞かせてください」
「『攻略対象』である4人の王族貴族はすでに学園に通っています。可もなく不可もなく、大きなトラブルは起こっていません」
ふむふむ。良いんじゃないか?今現在イレギュラー無し。……ん?最初の話では攻略対象は6人とか言わなかったか?
「あとは貴方とティグレ・プレンダーガスト。そしてエルマー・ゲージで……」
「は???」
「………っ」
「あ、続けてください」
「は、はい…」
おっと。思わず大きな声が出ちまった。エルマー???また懐かしい……というかすっかり忘れてた名前が出てきたな。それにティグレも?……あれ?でもそうしたら7人になるんじゃねえか???
「プレンダーガスト侯爵、貴方は ーーー 『リオ・プレンダーガスト』は、ラスボスです」
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