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偽神編
閑話・この恋が終わるまで、あと少し
リオ3ヶ月の不在のためしばらく別視点の閑話が続きます。
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(ティグレ視点)
あれから、リオが学園に来なくなった。
あの時。久しぶりにリオと話して。
悲しくて、悔しくて、腹が立つのに ーーー 嬉しくて。そんな自分が嫌で。俺の汚い気持ちなんか知らないリオが眩しくて。
顔が。
目の前にあって。
奇跡みたいに綺麗な顔。光が蕩けるような柔らかい髪と、吸い込まれそうな澄んだ薔薇石英の瞳。
頬に触れた手が、あたたかくて。
ふわりと香ったのは、リオのにおい。木花のような、微かに香る……
気付いたら、夢の中のようにリオに接吻ていた。
リオは何が起こったかわからなかったみたいに目を開いたままで。
舐めて。貪って。
すぐに我に返って、逃げ出した。
あれからリオと顔を合わせていない。
あの日の夕方にリサがリュエール・デ・ゼトワール仮邸宅に乗り込んできて、三発ほど平手で殴られた。どうやらリオはあの後すぐに魔物の討伐に徴兵されたらしく、帰ってきたらすぐに馳せ参じて土下座しろと罵倒された。……リサってリオのこと好きすぎない…?まあ俺の方がリオのこと好きだと思うんだけど。
マクニール領の迷宮暴走が終結する予想日は1ヶ月。大きな迷宮だから妥当な予測だろう。聖女様 ーーー プリッドモア公爵令嬢は時折学園で見かける。リオの遠征に同行していないのは珍しい…と思ったが、彼女は還俗した。高位貴族のお嬢様が戦場に近付く方がおかしいのだ。
聖女様がリオのそばにいない。
ほっとしてしまう自分が浅ましくて嫌になる。
本当は俺がリオの傍に行きたい。第一王子たちの監視なんか放り投げて駆けつけて、リオの役に立ちたい。俺がいないと駄目だって言って欲しい。リオに必要とされたいんだ。
リオが居ないこの日々で。この醜くも浅ましい恋が終わってくれるだろうか。
いつか穏やかに、そんなこともあったと思い出にできる日を待ち望む。
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