【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

文字の大きさ
139 / 160
偽神編

閑話・19年前の真実 1



(王妃視点)


あらあら……アンティエーヌは酒乱の気があるのね…。

聞くに耐えない言い争いが始まって、わたくしはちらりと陛下に視線をやる。陛下は鷹揚に頷くが、内心「早くなんとかしてくれ…!」とチワワのようにプルプルしていることだろう。可愛い。理想のマッチョ受けだわ!

……では、もういいかしら。

『偽神』と呼ばれる異世界の神の依代の人物は絞れた。今頃、魔王ヴィンセントがリオ様の加勢をしてくださっているだろうから……ま、なんとかなるわよね。すべてを詳らかにして、終わらせないと。この馬鹿げた物語を。ぶっちゃけ早くティグ×リオが拝みたい!!アンティエーヌもなんだか良い感じで突き抜けたし!良いんじゃない、良いんじゃない!?

わたくしとモンサロ王国が目指したのは『めいくらぶじぇしか~イケメン達とイケナイことしてたら世界を救っちゃいました⭐︎~』のハーレムバッドエンドルート。主人公ジェシカがハーレムルートを確立しておきながら、悪役令嬢の断罪がなされなかったルートだ。結果、愛のパワーで保っていた王都の結界が消滅して魔獣がやってくる。けれど、それを知っていて対策を講じないのはあまりにも愚かだ。幸い、国王おっとも重鎮たちも非常に賢く柔軟であった。まあ1番の功労者は東野様 ーーー リオ様だけど。あの方が『勇者』というトップに収まった時から物事が非常にスムーズに進んだわ。さすが大老武家の東郷家。皇家の懐刀。東野様、サイッコー!!


「そこまでです」


わたくしはこの国の王妃として。座したまま二人を止めました。


「王妃様…!」

「母上!!」

「お黙り。わたくしは「そこまで」と申しましたのよ?」

「………っ…は、はい…」

「ですが母上!」

「ああ、誰か。アンティエーヌに水を。酔いを覚ましなさい」

「母上!!」

「ローレンス、それ以上言えば……」

「言えば!なんなのです!?私は当然のことを言っているのです!である私が勇者であるリオを娶って何が悪いのです!勇者を妻にした!さらなる王国の発展!私が王になれば筆頭公爵の娘であるアンティエーヌに後継を産めというのは当然の……」


黙れと言っているのシャーーー ラップッ!!!」


どうしてこんなにお馬鹿なのこのクソ王子は!!誰に似たの!?元婚約者エロザル!?それとも元大聖女クソビッチ!?ああああああああああああ……もう!せっかく穏便に……


「良い機会でしょう!母上ももうですし、父上と隠居なさると良い!になると怒りっぽくなるそうなのでそうなさいま………ヒェッ!?!?」

「………………ローゥレェンスゥ…?」

「あっ…あ、で、でも本当のことではありませんか!四十といえば老域に差し掛かって……」





「わたくしは!!37歳です!!!」







感想 76

あなたにおすすめの小説

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

婚約破棄された悪役令息は隣国の王子に持ち帰りされる

kouta
BL
婚約破棄された直後に前世の記憶を思い出したノア。 かつて遊んだことがある乙女ゲームの世界に転生したと察した彼は「あ、そういえば俺この後逆上して主人公に斬りかかった挙句にボコされて処刑されるんだったわ」と自分の運命を思い出す。 そしてメンタルがアラフォーとなった彼には最早婚約者は顔が良いだけの二股クズにしか見えず、あっさりと婚約破棄を快諾する。 「まぁ言うてこの年で婚約破棄されたとなると独身確定か……いっそのこと出家して、転生者らしくギルドなんか登録しちゃって俺TUEEE!でもやってみっか!」とポジティブに自分の身の振り方を考えていたノアだったが、それまでまるで接点のなかったキラキライケメンがグイグイ攻めてきて……「あれ? もしかして俺口説かれてます?」 おまけに婚約破棄したはずの二股男もなんかやたらと絡んでくるんですが……俺の冒険者ライフはいつ始まるんですか??(※始まりません)

公爵家の次男は北の辺境に帰りたい

あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。 8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。 序盤はBL要素薄め。

婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。 現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。 最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。

家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る

りーさん
ファンタジー
 アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。  その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。  そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。  その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?