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偽神編
閑話・19年前の真実 1
(王妃視点)
あらあら……アンティエーヌは酒乱の気があるのね…。
聞くに耐えない言い争いが始まって、わたくしはちらりと陛下に視線をやる。陛下は鷹揚に頷くが、内心「早くなんとかしてくれ…!」とチワワのようにプルプルしていることだろう。可愛い。理想のマッチョ受けだわ!
……では、もういいかしら。
『偽神』と呼ばれる異世界の神の依代の人物は絞れた。今頃、魔王ヴィンセントがリオ様の加勢をしてくださっているだろうから……ま、なんとかなるわよね。すべてを詳らかにして、終わらせないと。この馬鹿げた物語を。ぶっちゃけ早くティグ×リオが拝みたい!!アンティエーヌもなんだか良い感じで突き抜けたし!良いんじゃない、良いんじゃない!?
わたくしとモンサロ王国が目指したのは『めいく♡じぇしか~イケメン達とイケナイことしてたら世界を救っちゃいました⭐︎~』のハーレムバッドエンドルート。主人公ジェシカがハーレムルートを確立しておきながら、悪役令嬢の断罪がなされなかったルートだ。結果、愛のパワーで保っていた王都の結界が消滅して魔獣がやってくる。けれど、それを知っていて対策を講じないのはあまりにも愚かだ。幸い、国王も重鎮たちも非常に賢く柔軟であった。まあ1番の功労者は東野様 ーーー リオ様だけど。あの方が『勇者』というトップに収まった時から物事が非常にスムーズに進んだわ。さすが大老武家の東郷家。皇家の懐刀。東野様、サイッコー!!
「そこまでです」
わたくしはこの国の王妃として。座したまま二人を止めました。
「王妃様…!」
「母上!!」
「お黙り。わたくしは「そこまで」と申しましたのよ?」
「………っ…は、はい…」
「ですが母上!」
「ああ、誰か。アンティエーヌに水を。酔いを覚ましなさい」
「母上!!」
「ローレンス、それ以上言えば……」
「言えば!なんなのです!?私は当然のことを言っているのです!王太子である私が勇者であるリオを娶って何が悪いのです!勇者を妻にした王!さらなる王国の発展!私が王になれば筆頭公爵の娘であるアンティエーヌに後継を産めというのは当然の……」
「黙れと言っているのッ!!!」
どうしてこんなにお馬鹿なのこのクソ王子は!!誰に似たの!?あの元婚約者!?それとも元大聖女!?ああああああああああああ……もう!せっかく穏便に……
「良い機会でしょう!母上ももうお年ですし、父上と隠居なさると良い!年増になると怒りっぽくなるそうなのでそうなさいま………ヒェッ!?!?」
「………………ローゥレェンスゥ…?」
「あっ…あ、で、でも本当のことではありませんか!四十といえば老域に差し掛かって……」
「わたくしは!!まだ37歳です!!!」
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