【完結】リオ・プレンダーガストはラスボスである

とうや

文字の大きさ
149 / 160
偽神編

蕃神討滅 5



目の前で人が喰われた。肉と骨をゆっくり咀嚼して、偽神は笑う。


「あら?かしら?だった?」


……うん。せめて飲み込んでから言ってほしい。グロ注意だ。

エルマーと、知らない肥えたオッサンだった。ウォーレンが「父上」とか言ってたからヘイウッド侯爵なのか…。

申し訳ないが、俺はエルマーが擦り潰されて喰われても「あー…死んだかぁ」くらいの気持ちしかない。あいつはやりすぎた。俺が見捨てるくらいに他者を踏みつけ過ぎた。きっと今助けられていてもエルマーには更なる地獄しかなかっただろうから死んで幸せだったんじゃないだろうか。本人もよくわからないまま死んだみたいだし。

けどウォーレンは……

ちらりと隣を見ると、「清々した」と言わんばかりに鼻息をひとつ。ウヮーオ…。温厚でムードメーカーなウォーレンにここまで嫌われるって……ヘイウッド侯爵、何したよ!?


ぼこり。


目玉がまた浮かび上がる。

ぼこり。ぼこり。ぼこりぼこりぼこぼこぽここ……


「ま、やることは変わんねえよな!」


眼球を撃つ。赤い目玉なのはエルマーたちを喰ったせいか。


「ギャッ!?あ…ああ、アンタら、まだこっちにはが……いっ!痛ァ!?」


『リ…リオ様!こちらは結界を張ります!構わずやっちゃってくださいませ!!』


アンティエーヌの声が拡声魔法で張り上げられる。


「させないわ!」

「……っし!」


一閃。

二の太刀、三の太刀。

どこぞの武士が『二の太刀要らず』とかやっていたが、偽神バケモノ相手なら愚の骨頂。こいつらが一撃で死ぬことはない。それこそとどめをさしたと思ったら狂化して復活しやがる。神に造られし、神たり得ない、神の成り損ない。それが偽神。

一般人の避難誘導も終え、プレンダーガストうちの騎士全員が揃う。いやはや、圧勝だろ?こいつらうちの騎士になってから、あっちこっちの化け物退治に放り込まれ、今じゃあのスペシャリストだぞ?楽勝、楽しょ………


「ぁぁぁあああああ……アーアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアぁぁぁアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「…退避ッ!!」


残り少なくなった手が狂ったようにダンスホールの結界をぶん殴り始める。……まずい!


パキン!


「キャァ!!??」

「アンティエーヌ!?」


結界の。清浄なモノが割れる音と共にアンティエーヌの悲鳴が響く。








感想 76

あなたにおすすめの小説

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

新しい道を歩み始めた貴方へ

mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。 そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。 その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。 あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。 あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……? ※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。

愛を知らない少年たちの番物語。

あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。 *触れ合いシーンは★マークをつけます。

婚約破棄された悪役令息は隣国の王子に持ち帰りされる

kouta
BL
婚約破棄された直後に前世の記憶を思い出したノア。 かつて遊んだことがある乙女ゲームの世界に転生したと察した彼は「あ、そういえば俺この後逆上して主人公に斬りかかった挙句にボコされて処刑されるんだったわ」と自分の運命を思い出す。 そしてメンタルがアラフォーとなった彼には最早婚約者は顔が良いだけの二股クズにしか見えず、あっさりと婚約破棄を快諾する。 「まぁ言うてこの年で婚約破棄されたとなると独身確定か……いっそのこと出家して、転生者らしくギルドなんか登録しちゃって俺TUEEE!でもやってみっか!」とポジティブに自分の身の振り方を考えていたノアだったが、それまでまるで接点のなかったキラキライケメンがグイグイ攻めてきて……「あれ? もしかして俺口説かれてます?」 おまけに婚約破棄したはずの二股男もなんかやたらと絡んでくるんですが……俺の冒険者ライフはいつ始まるんですか??(※始まりません)

公爵家の次男は北の辺境に帰りたい

あおい林檎
BL
北の辺境騎士団で田舎暮らしをしていた公爵家次男のジェイデン・ロンデナートは15歳になったある日、王都にいる父親から帰還命令を受ける。 8歳で王都から追い出された薄幸の美少年が、ハイスペイケメンになって出戻って来る話です。 序盤はBL要素薄め。

婚約破棄されて捨てられた精霊の愛し子は二度目の人生を謳歌する

135
BL
春波湯江には前世の記憶がある。といっても、日本とはまったく違う異世界の記憶。そこで湯江はその国の王子である婚約者を救世主の少女に奪われ捨てられた。 現代日本に転生した湯江は日々を謳歌して過ごしていた。しかし、ハロウィンの日、ゾンビの仮装をしていた湯江の足元に見覚えのある魔法陣が現れ、見覚えのある世界に召喚されてしまった。ゾンビの格好をした自分と、救世主の少女が隣に居て―…。 最後まで書き終わっているので、確認ができ次第更新していきます。7万字程の読み物です。

家族に忘れられていた第五王子は愛され生活を送る

りーさん
ファンタジー
 アズール王国の王宮には、多くの王子や王女が住んでいる蒼星宮という宮がある。  その宮にはとある噂が広まっていた。併設されている図書館に子どもの幽霊が現れると。  そんなある日、図書館に出入りしていた第一王子は子どものような人影を見かける。  その時、父である国王にすら忘れられ、存在を知られていなかった第五王子の才覚が露になっていく。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?