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閑話:ヒロイン3
しおりを挟むあの日。
シルヴィウスが悪役令嬢ルクレツィアを殺すのに失敗したあの日。私はもうカガンに帰れなくなった。
なんてこと!ルクレツィアはシルヴィスの兄である皇太子と密かに共謀して私たちを嵌めたのだ!オズワルドルートは本当にハードモードみたいね。
私は攻略対象で攻略済だった宰相の息子ロレンツィオに連絡を取り、隣国のロタリンギアに亡命した。
私は聖女としてロタリンギア国王に大いに歓迎された。
けれど、ロタリンギア王の傍には偽の聖女が王妃として座っていたのだ。
なんなの?これ?コラボなの?
偽聖女王妃は、乙女ゲーム『Code:00~人工天使のくちづけ~』のヒロインだった。
豚みたいにブクブク太っていたけれど、ピンクの髪にウサギみたいな真っ赤な瞳。元男爵令嬢マリベル。
ロタリンギア王はマリベル王妃を幽閉して私を傍に置いた。
最初は私を怪しんだロタリンギアの重鎮たちも、私が数々の予言をして、死んだ王女しか知らない知識を教えてやったら面白いほど私を崇めた。
ああ、気持ちいい。
私は何か使えるモノがないかと王女の研究室を漁った。そして、見つけたのだ。
オズワルド様の生家、サルヴィーニ伯爵家の名前を。
ああ…オズワルド様……!
こんなところに攻略のヒントがあったのね!
オズワルド様は、竜と人間のハーフだったのだ!
作られた聖者。
なんてロマンティックな設定だろう!!
自分が人間ではないと知って、きっと彼は激しく動揺するのよ!あの悪魔にも悪役令嬢にも嫌われて、打ち拉がれるオズワルド様!そこを私が現れて受け入れるの!トゥルールートハッピーエンド!そうに決まってる!
さあ、帰らなきゃ!サヴァレーゼに!
東の森とか言われる樹海に行って、あの国の守護を解かせて。
何もかもめちゃくちゃにして、オズワルド様と逃げよう!
そう思った矢先に、ロタリンギアは『秋津國』とかいうバケモノの国から攻め入られた。
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