絶死の森で絶滅寸前の人外お姉さんと自由な異世界繁殖生活 転移後は自分のために生きるよ~【R18版】

萩原繁殖

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ep257 叡智の館エストリア

 羚羊亭でのランチ後、セラミナはニールおばちゃんを質問攻めにした。

「おばさま! あのサラダのドレッシングって、卵黄の加減どうしてるんですか!? 分離しそうなのに全然まろやかで!」

「それから! キョン肉の燻製ってどのくらい燻すんですか!? 香りは強いのに、苦くないんです! あれはどうやって!」

「それと! あのダイオークのロースト! 下味の香草って何種類くらい入ってました!? ひとつひとつはわからないけど、全体で信じられないくらい調和してて……!」

「モンステラモンブレアも! あのピリッとするところ、どうやって生かしてるんですか!? 熱を通したら飛んじゃいそうなのに……!」

 セラミナは目を輝かせ、両拳をギュッと結びながら一気に質問を浴びせかける。
 ニールおばちゃんは腕を組み、少し困ったような、それでいてどこか嬉しそうな顔をしていた。

「んまぁ~……一気に聞かれても答えきれないわねぇ。でも、あんた、料理のことになるとほんとに目が変わるねぇ。いい目してるわぁ。私の若い頃みたいだよぉ~」

(ソルレオンのオラオラ系おばちゃんは、みんな若い頃セラミナに似てるの……?)

 軽い絶望が僕を襲う。

 諸行無常にも程があんだろ。

 一方で、セラミナは頬を赤らめながらもそと勢いを止めない。

「だ、だって……知りたいんです! もっと勉強して、もっと美味しいご飯を作りたいんです……! 工場の皆さんのためにも、私たちを救ってくださったご主人様のためにも!」

 あくまで他者のため。
 世のため人のため。
 ほんとに純粋で優しい子だ。
 その必死な姿に、僕は胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

 そして、その後どうなったかというと。

「やった! ありがとうございます、ご主人様!」

「わるいねぇ、ケイ」

「いいよいいよ。僕からもみんなには伝えておくね。でもおばちゃんは食堂以外の施設に入らないようにね。あと、なるべくセラミナやミゲルたち以外ともなるべく話さないように」

「はいよぉ」

 明日のお昼終わりにニールおばちゃんが食堂にやってくることになった。

 セラミナの質問に答えるかどうかは別として、彼女が力説する自分の父、ミゲルの料理の腕について興味を持ったみたいだった。

 従業員たちと同じ時間帯に来られたら、コスポのことが広まってしまうかもしれない。秘密保持の観点ってやつだ。まあ本当に秘密にしたいなら、部外者入れるなって話だけど。時間外せば大丈夫でしょ。あと、ミゲルとニールおばちゃんの、料理交流が単純に気になる。これでミゲルの料理がおいしくなれば従業員たちも幸せだし、僕も幸せ。みんな幸せオールハッピー。
 その時間帯に僕がいれるかどうか分からないのが残念だけども。


 そして午後。

 仕事の時間だ。商業ギルドと奴隷商会に顔を出さなきゃいけない。
 
 っとその前に。

「セラミナ、本は読める?」

「えっ。はい。忙しくてあまり読んだことはないですけど、文字は読めます」

 うん。ならいけるか。

「じゃあ、本を買いに行こうか」

「本、ですか? どんな本を買われるんですか?」

「料理に関係する本だよ」

「えっ、えっ?」

 困惑するセラミナの手を引っぱって、デイライトの道を行く。

 前から考えていたんだよね。セラミナに料理関係の本を買ってあげようって。

 この世界に本はある。高級品の部類だ。活版印刷技術も多分無いみたいだ。ただし、魔法を使った印刷技術はあるようで、そこそこ出回ってはいる。ねりりん御用達の本屋さんもあるくらいだからね。超高級品ではないけど、庶民にもギリギリ背伸びすれば手に入るくらいの値段かな。安くて銀貨一枚、高いと金貨クラスになる。まあぜいたく品の範疇だ。

「あった、ここだ」

「えっ、ここって……」

 大通りを抜けると、目の前に重厚な建物がそびえ立っていた。
 アーチ型の扉に刻まれた金文字──

 〈叡智の館エストリア〉

 デイライトで最も大きな本屋。なんとなくその名は知っていたが、僕自身も入るのは初めてだ。もちろんえっちな叡智ではない。正しい叡智の方ね。

「なかなか荘厳な外観だね」

「ご主人様! 私たち本屋さんに入れるような格好じゃありません!」

「えー、大丈夫だよ。本屋だよ? 気にしすぎだって」

「で、でも」

「ほら、入ろ?」

 扉を押して中に入ると、乾いた紙の匂いと、魔力を帯びたインクの香りがふわりと鼻をくすぐる。
 棚という棚に革装丁の書物がぎっしり並び、見上げれば二階の回廊まで本で埋め尽くされている。そして本棚にはガッシリとした格子が嵌め込まれており、勝手に手に取ることはできないようだ。

(ねりりんと行ったお店は格子なんかなかったけど……やっぱ内容の問題かな?)

 この本屋の本は専門書とか実用書みたいのが多そうだ。となれば生産数も少ないだろうし、希少性もあるんだろう。方やあっちの店は素人作家の自費出版が多そうだし、そこまで高くもなかった。

「……っ!」

 セラミナが僕の袖をぎゅっと掴んだ。

「ど、どうしましょうご主人様……! ここ……やっぱり……場違いじゃないですか、わたしたち……!」

 声が小刻みに震えている。

 僕は苦笑しつつ、軽く肩を叩いた。

「大丈夫。僕たちはお客さんだよ。ここに来るのは何も特別じゃない」

「で、でも……! あんな立派な格好の人ばっかり……!」

 セラミナの視線の先には、魔術師風のローブを着た客や、鎧姿の騎士、高位の冒険者たち。
 彼らが店員と真剣にやり取りしているのを見て、彼女は完全に萎縮していた。

「心配いらないさ。何もやましいことはない。堂々としてればいいんだ。僕たちは知識を追い求めに来たんだから」

 そう言ってにかっと笑うと、セラミナは不安そうに、小さくうなずいた。そして手ではなく、身体ごと腕ごと僕のぎゅうっと抱きしめる。

(おほっ、JKっぱいの感触ぅ)

 当然勃起するけども、サンドリアの霧穴が『勃ってた♡待ってた♡』と遠隔リモートおまんこでちんちんをにゅくにゅく包んでくれる。当然、その空間は周りから見えないので勃起し放題だ。うーん、視姦癖のある僕にとってはとても便利なんだよなこれ。

 店内を見渡すとカウンターに何人も店員さんがいた。みんなキチッとした高級感溢れる制服を来ている。お会計する場所は他にあるっぽいので、あの人たちに読みたい本を伝えるのかな?

「どうも、こんにちは。本を探しているのですが」

 僕が丁寧に声をかけると、カウンターにいた若い弾性店員がにこやかな笑みを浮かべて対応「おい、そこの平民ども!」してくれた。

 なんか後ろから怒鳴られたぞ。

 振り返ると、やたらと派手な上着に身を包んだ青年が、こちらを鼻で笑いながらふんぞり返っていた。
 腰には飾りだけの小剣、指にはこれ見よがしに光る指輪。見た目からして「センスの悪い成金」って感じだ。

 彼はいかにも嫌なテンプレ貴族みたいな声色で糾弾する。

「ここがどこだか分かっているのか? いいか、書房とは知識ある者と、それに相応しい立場を持つ者だけが足を踏み入れてよい場所だ」

 口元を歪め、僕とセラミナを上から下までじろじろと眺める。

「平民風情が本に触れるだなんて烏滸がましい! 帝国ではな、本と知識は高貴なる者の権利。農奴もどきが立ち入れば鞭で追い出されるのだぞ!」

 セラミナがびくりと肩を震わせ、僕の袖をぎゅっと握る。

 青年はさらに一歩近づき、鼻先で笑った。

「我が父はクーシャルバーニア帝国でも名の知れた豪商でな。日々、伯爵家や侯爵家と膝を突き合わせている。つまり――私はその『貴き血』に連なる身分。お前たちのような雑草とは違うのだ。分かったのならさっさと消え失せるがいい」

「いや貴族じゃないんかい!」

 はっ。思わず突っ込んでしまった。

 こんないかにもかませ貴族ですってナリしておいて、貴族じゃないなんて。
 いやむしろフリオチのしっかり聞いたコントだと思えば芸術点高いか。

「な、な、な……この無礼者!」

 その貴族ではない偉そうな一般人は怒りで顔を紅潮させる。

「誰に向かって口を利いている!」

「貴族とは無関係の平均一般男性でしょ?」

「誰が一般男性だぁぁぁっ! 我が父はクーシャルバーニア帝国の高名な商人だ! 日々、伯爵家や侯爵家と席を並べ──」

 青年が声を張り上げたその瞬間、背後から影がすっと差した。

 気付けば屈強な体躯の店員が二人、黒い制服に身を包んで立っていた。

「……お客様。お静かに願います」

 低く、しかしはっきりとした声。そして一般成人男性の両腕を横からガッチリ掴んでいる。

「は、離せっ! 僕を誰だと思って」

「貴族様とは無関係の一般男性でございます」

 冷徹な一言が突き刺さった。

 まさにおっしゃる通り。

 青年は顔を真っ赤にし、何かを叫びながらなおも抵抗したが、あっという間に両脇を抱えられ、ずるずると扉の向こうへ連れ出されていった。

「ま、待てっ! 非礼は詫びようっ! 僕は!」

 叫び声も、重厚な扉が閉じる音にかき消される。

 場に残されたのは、呆気にとられる僕とセラミナ、そして少しざわついた空気だけだった。

 その空気をすっと切り裂くように、一人の女性が現れた。
 きりりとした眼鏡をかけ、フォーマルなスーツに身を包んだ知的な美人。

「この度は不快な思いをさせてしまい、誠に申し訳ございません」

 彼女は深々と腰を折り、真摯な眼差しでこちらを見据える。

「わたくし、この〈叡智の館エストリア〉の主任司書を務めております、カタリナ・ヴェルクナーと申します」

 その姿は毅然としていながらも、どこか柔らかな気品を漂わせていた。

 名乗った彼女は、他の店員たちの制服とは一線を画していた。

 深藍色を基調としたジャケットは体の線に沿うように仕立てられ、胸元には銀のブローチがひとつ。腰のラインはきゅっと締まり、裾からのぞくタイトなスカートは膝上で切りそろえられている。

 布地は上質で、光を受けるたびにわずかに艶を帯び、その立ち姿はまるで凛とした役人のようだった。

 黒髪は首の後ろでひとつにまとめられ、うなじから肩にかけてのラインをきれいに際立たせている。
 理知的な眼鏡の奥からのぞく瞳は澄んだ灰色で、冷たさと温かさを絶妙に同居させていた。
 
 そしてそのタイトスカートから覗く御御足は、綺麗な脚線美を誇る生脚だった。

(生足の知的眼鏡美人……叡智の館……やはり叡智……)

「お客様?」

 カタリナさんの問いかけに我に返る。

「あ、あぁ……失礼。大丈夫です。少し目眩がしただけで」

 カタリナさんのフォーマルなお硬い叡智にくらっときてしまった。

「ご、ご主人さま! 大丈夫ですか?」

「左様でございましたか。重ね重ね、誠に申し訳ございません。ご気分が優れないようでしたらどうぞ奥へ。医務室がございますので、休まれていってください」

「いえいえ。お気遣いなさらず。それに今回のことはこのお店のせいだとは微塵も思っていませんよ」

「ご不快な思いをされたのにもかかわらず、笑って許してくださるお客様のご寛容に心より感謝申し上げます」

「もう大丈夫です。それよりも本を探しているんです。どなたかご対応いただけませんか?」

「それでしたら僭越ながらわたくしが責任を持って対応させていただきます。どのような書籍をお探しでしょうか」

 スチャ、と銀縁メガネが輝いた。

 ピク、と霧穴チンポが聳え立つ。
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