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わがまま
「もちろんそのつもりよ。でも情報が無いと何も分からないわ。今、シュレアが生命力を与えているからしばらくは大丈夫。だからラミアルカがどうしてこうなっているのか、なんでこっちに来たのか教えてくれる?」
「う、うん。そうだ。姉さんはあたしが守らなきゃ……」
くっと顔を上げる。少しだけ凛々しい顔立ちになった。気弱さはぬぐえないけど。この子髪の色と目つきのせいでヤンキーぽい?んだよな。気弱ヤンキー。ありです。
「えっと、こっちに来たのは、ちょっと前にあたしたちの住処の近くに温かい川ができたからなんだ、あ、です。そしたら姉さんが、『この方角はベステルタのいる方か……。元気にしてっかな』って言っていたので……」
「それでラミイが倒れた時、焦ったあなたはその言葉を頼りに彼女を運んできたってことね?」
「は、はい」
びくびく三白眼のサンドリア。なるほど、温かい川って言うのは温泉湖のことだろうな。あれ、そんなとこまで到達していたんだ。ちょっと影響の大きさにびっくりしたけど、これに関しては良かった。
「ラミイはこんな風になる前になんか言っていた?」
「え、えっと、姉さんは意識が無くなる直前に『これは……毒か……この俺が、ちくしょう』って言っていた……」
「毒!?」
素っ頓狂な声を上げたのはシュレアだった。いつもあんなにぼそぼそ声なのに。
「馬鹿な。ラミアルカはかなりの毒耐性があるのに……なぜ……」
シュレアが思案モードに入ってしまった。
「おい、他にラミイにおかしい様子は無かったか?」
「ひっ、い、いや無かったと思う、思います」
プテュエラ顔が怖いよ。無意識に威嚇するのやめて。サンドリアちゃん怯えているよ。この子もビビリなんだろうけど。
「確認なんだけどあなたたちは一緒に暮らしていたのかしら? 食事とか、生活とか変わらなかった?」
ベステルタが良い質問をする。確かに、他人が一緒に暮らせばどちらかの暮らしは変わるはずだ。
「い、一緒に暮らしていた。その、あたし、足が遅くて、全然狩りとかできないし、力の使い方もうまくなくって……。森の奥で弱っていたところをラミアルカ姉さんが見つけてくれて、いろんなことを教えてくれたんだ。だ、だからあたし、姉さんっていう様になって大好きで、う、うぅぅ」
震えるサンドリアを優しく抱きしめるベステルタ。
「いいのよ。大丈夫。ゆっくりで良いわ。他にある? ラミイは主食は土のままよね?」
えっ、土食べるの?
「う、うん」
本当のようだ。うーん、そっかそういうこともあるのか。亜人って本当に色々いるんだね。
「あっ、そう言えば」
サンドリアが思い出したように声を上げた。
「何だ? 何でもいい。話せ……ぬっ」
脇を突いた僕を、何するんだ、とこっちを見るプテュエラ。威圧しすぎだよ。もっと優しくしてあげて。
「ひっ、そ、そのあたしの住んでいた場所で暮らしたんだけど、『ここの土は味が違うぞ、まぁ別に気にならねえけどな、わはは、不味っ』って言ってた」
プテュエラにビビリつつもはっきりと答えてくれた。
どうやらラミアルカさんはなかなか愉快な人のようだ。それがあんなに弱ってしまうなんて。どうにかしたい。
「あっ」
シュレアが突然呟いた。
「何か分かったのかしら」
「たぶん分かりました。おそらくですが。しかしそうなると……」
「シュレア、もったいぶるのはよせ。早く教えろ」
イライラ気味に凶悪な鉤爪をふみふみ、翼をばさばさする風鷲さん。だめだ、サンドリアちゃんめちゃくちゃビビってる。これは完全に苦手意識持たれたな。
「ラミアルカの症状は魔素中毒です。それも重度の」
そう言ってシュレアは僕を見る。
何でもやりますよ?
…………
……
「それって貴方がこの前言っていた……」
「そうです。魔素に犯された肉や水を摂取することで蓄積され、強靭な亜人の肉体をも不調にさせる病です」
プテュエラやベステルタが知らない内に患ってやつだ。僕が浄化マッサージで治したけど。絶死の森ならではの病。僕とシュレアの間にはそれに関する契約が結ばれている。僕が魔素を浄化し、彼女がその対価を払うと言った内容の。忘れてないよ? でもまさか、ここまで重篤になる亜人が出てくるとはね。
「絶死の森は魔素の進行が進んでいるエリアとそうじゃないエリアがあります。おそらくサンドリアの住処は相当進んでいたのでしょう」
「そ、そんな。それじゃ、姉さんは、あたしの住処に来る前は平気だったってことなの……か?」
「ああ、そうなるな。ラミイめ、他人に構うからだ。くそっ」
「プテュエラ」
吐き捨てるプテュエラとそれをたしなめるベステルタ。やばい、空気が。
「う、うぅう、ご、ごめんさない。あ、あたしが役立たずだから、ね、姉さんが、す、すみません……ひっ、ごめんなさい」
うわあ、ここに来て、最も重い雰囲気だよ。プテュエラは仲間想いなんだけどね。ただ、割と排他的なところがある。それが悪い方向に出てしまった。
サンドリアは絶望したように泣き、
ベステルタはサンドリアを宥め、
プテュエラは負の感情を抑えきれず、
シュレアは何を言えばいいのか分からなさそうだ。
あかん、亜人の絆が瓦解してしまう。どうにかしなければ。
「シュレア、魔素中毒ってことは僕の浄化で治せるんだよね?」
一番大事なところだ。
「……おそらく有効でしょう。ケイの浄化は驚くべきものです。しかし、今回の魔素中毒、ラミアルカの体内の魔素蓄積量は尋常ではありませんし、毒性も強い。ケイの身に危険がないとは言い切れません」
あー、フグとか体内にため込んだ毒は強力だもんね。毒は生物に蓄積されると強くなっていくんだよな。
「さっきも言いましたが、ラミアルカの毒耐性は亜人随一です。彼女はそもそも地と毒を分解して栄養にする亜人。それを突き抜けて彼女を中毒状態にする毒性など、もしそれが体内に蓄積された場合、シュレアたちでも耐えきれないでしょう。人間のケイでは何が起きるか分かりません。それでも……やりますか?」
そっか。
確かに魔素を浄化中、身体に負担がかかることはあった。
その時は魔素そのものっていうよりも、それを浄化するために体力と言うか生命力を消費する感じだったけど。そうか、直接触れないにしても、間接的に関与する訳だから少なからず影響がある可能性はあるのか。毒素が皮膚から侵入してくるみたいに。あるいは、放射線物質、ガンマ線、詳しくは知らないけど異世界ならもっと凶悪なのがあってもおかしくない。スキル越しから悪影響を与えるような。
今までは大したことなかったけど、今回はその比じゃないんだろうな。もう少し異世界ならではの危険について考えるべきだな。
「シュレアは……シュレアは、ケイのことを考えたら、お勧めしません」
シュレアが苦しそうに言った。
「シュレア……貴様……」
プテュエラがこの間みたいにブチ切れモードになる。
「しかし……そうだな」
でもすぐにその怒りを収め、力なく笑う。
「シュレアの言う通りだ。ケイに無理をさせることはできない。ケイは……大切だ」
「本当に? プテュエラ、それでいいの?」
ベステルタが言った。彼女だって内心分かってはいるだろうが。
「じゃあどうしろっていうんだ!」
バン、と大きな音がしたかと思うと、プテュエラが消えベステルタに馬乗りになっていた。鷲爪でベステルタの腕を押さえつけ、猛禽類が獲物を喰らうように顔を近づけ吠える。
「ラミイは大切だ! でもケイだって大切なんだ! 分かるだろう!」
「プティ……」
「どちらかを選べなんて、私にはできない……」
力が弱められた脚をそっとどかしベステルタがプテュエラを抱きしめる。
「でもどちらかを選べっていうなら……私はケイを選ぶ……それが最善だ。そうだよな……?」
「そうよ、その通り。よく言えたわね。偉いわよ」
よしよし、と背中をさするベステルタ。
「ケイ、私も同じ気持ち。ラミイはわたしたちの大事な友達。だからこそ……」
毅然とした態度だ。
「他の方法も試してみましょう。できるだけ生命力を保持して……」
シュレアもそんなことを言う。まったく。
「うう……姉さん」
サンドリアちゃん、かける言葉が見つからない。こんなのトラウマだよ、彼女の今後の人生の暗い影を落とすよ。
「いやいや、僕はまだ何も言っていないし。ていうかやりますよ? やるに決まってるじゃん」
何で話を勝手に進めるのか。
ぽかんとした亜人達。話聞いてた? って顔だ。
「で、でもね。ケイ」
「だまらっしゃい」
分かってる、ここがシリアスな場面って言うのは。でもおどけるしかないじゃないか。
「ケイ、ここでお前が無理することは無いんだ」
「お気持ちは嬉しいですが」
何だよ、全員そういう感じか。それなら僕がわがままを言っているみたいじゃないか。
わがまま、か。
いや、それでいいか。そうだよ、僕はこっちに来て自由にやるって決めたじゃないか。
もう誰にも邪魔されないって。好きに生きるって。
ラミアルカさんを浄化したいけど皆は止めて欲しい。でも僕は浄化したい。だって……ああくそ。うまく言えないけど、友達なんだよな? それなら大事だ。大切にして欲しい。
でも僕は彼女たちを説得できる理詰めの言葉を持っていない。今すぐ思いつくなんてことはできない。それなら皆が納得するようなわがままを言ってやろう。
嘘でもなんでもいい。言ってやる、ああ、言ってやるさ。なんか突拍子のないことを言ってやろう。錯乱したと思われてもいい。本当に自由な奴はいつも錯乱しているように見えるしね。だからこれでいい。
「実は僕、亜人の王になりたいんだ。将来の嫁を見殺しになんてできないよ」
「「「「……は?」」」」
あー、言っちゃった。言っちゃった。後で絶対羞恥心にもだえるんだろうなぁ。枕に顔うずめるやつだ。でもいい。別に、それで僕のわがままが通って、結果的に誰かが助かるなら。そういうことにしておいてくれ。あー、恥ずかしい。やばい鳥肌が。絶対後で、からかわないでくれよな。
「う、うん。そうだ。姉さんはあたしが守らなきゃ……」
くっと顔を上げる。少しだけ凛々しい顔立ちになった。気弱さはぬぐえないけど。この子髪の色と目つきのせいでヤンキーぽい?んだよな。気弱ヤンキー。ありです。
「えっと、こっちに来たのは、ちょっと前にあたしたちの住処の近くに温かい川ができたからなんだ、あ、です。そしたら姉さんが、『この方角はベステルタのいる方か……。元気にしてっかな』って言っていたので……」
「それでラミイが倒れた時、焦ったあなたはその言葉を頼りに彼女を運んできたってことね?」
「は、はい」
びくびく三白眼のサンドリア。なるほど、温かい川って言うのは温泉湖のことだろうな。あれ、そんなとこまで到達していたんだ。ちょっと影響の大きさにびっくりしたけど、これに関しては良かった。
「ラミイはこんな風になる前になんか言っていた?」
「え、えっと、姉さんは意識が無くなる直前に『これは……毒か……この俺が、ちくしょう』って言っていた……」
「毒!?」
素っ頓狂な声を上げたのはシュレアだった。いつもあんなにぼそぼそ声なのに。
「馬鹿な。ラミアルカはかなりの毒耐性があるのに……なぜ……」
シュレアが思案モードに入ってしまった。
「おい、他にラミイにおかしい様子は無かったか?」
「ひっ、い、いや無かったと思う、思います」
プテュエラ顔が怖いよ。無意識に威嚇するのやめて。サンドリアちゃん怯えているよ。この子もビビリなんだろうけど。
「確認なんだけどあなたたちは一緒に暮らしていたのかしら? 食事とか、生活とか変わらなかった?」
ベステルタが良い質問をする。確かに、他人が一緒に暮らせばどちらかの暮らしは変わるはずだ。
「い、一緒に暮らしていた。その、あたし、足が遅くて、全然狩りとかできないし、力の使い方もうまくなくって……。森の奥で弱っていたところをラミアルカ姉さんが見つけてくれて、いろんなことを教えてくれたんだ。だ、だからあたし、姉さんっていう様になって大好きで、う、うぅぅ」
震えるサンドリアを優しく抱きしめるベステルタ。
「いいのよ。大丈夫。ゆっくりで良いわ。他にある? ラミイは主食は土のままよね?」
えっ、土食べるの?
「う、うん」
本当のようだ。うーん、そっかそういうこともあるのか。亜人って本当に色々いるんだね。
「あっ、そう言えば」
サンドリアが思い出したように声を上げた。
「何だ? 何でもいい。話せ……ぬっ」
脇を突いた僕を、何するんだ、とこっちを見るプテュエラ。威圧しすぎだよ。もっと優しくしてあげて。
「ひっ、そ、そのあたしの住んでいた場所で暮らしたんだけど、『ここの土は味が違うぞ、まぁ別に気にならねえけどな、わはは、不味っ』って言ってた」
プテュエラにビビリつつもはっきりと答えてくれた。
どうやらラミアルカさんはなかなか愉快な人のようだ。それがあんなに弱ってしまうなんて。どうにかしたい。
「あっ」
シュレアが突然呟いた。
「何か分かったのかしら」
「たぶん分かりました。おそらくですが。しかしそうなると……」
「シュレア、もったいぶるのはよせ。早く教えろ」
イライラ気味に凶悪な鉤爪をふみふみ、翼をばさばさする風鷲さん。だめだ、サンドリアちゃんめちゃくちゃビビってる。これは完全に苦手意識持たれたな。
「ラミアルカの症状は魔素中毒です。それも重度の」
そう言ってシュレアは僕を見る。
何でもやりますよ?
…………
……
「それって貴方がこの前言っていた……」
「そうです。魔素に犯された肉や水を摂取することで蓄積され、強靭な亜人の肉体をも不調にさせる病です」
プテュエラやベステルタが知らない内に患ってやつだ。僕が浄化マッサージで治したけど。絶死の森ならではの病。僕とシュレアの間にはそれに関する契約が結ばれている。僕が魔素を浄化し、彼女がその対価を払うと言った内容の。忘れてないよ? でもまさか、ここまで重篤になる亜人が出てくるとはね。
「絶死の森は魔素の進行が進んでいるエリアとそうじゃないエリアがあります。おそらくサンドリアの住処は相当進んでいたのでしょう」
「そ、そんな。それじゃ、姉さんは、あたしの住処に来る前は平気だったってことなの……か?」
「ああ、そうなるな。ラミイめ、他人に構うからだ。くそっ」
「プテュエラ」
吐き捨てるプテュエラとそれをたしなめるベステルタ。やばい、空気が。
「う、うぅう、ご、ごめんさない。あ、あたしが役立たずだから、ね、姉さんが、す、すみません……ひっ、ごめんなさい」
うわあ、ここに来て、最も重い雰囲気だよ。プテュエラは仲間想いなんだけどね。ただ、割と排他的なところがある。それが悪い方向に出てしまった。
サンドリアは絶望したように泣き、
ベステルタはサンドリアを宥め、
プテュエラは負の感情を抑えきれず、
シュレアは何を言えばいいのか分からなさそうだ。
あかん、亜人の絆が瓦解してしまう。どうにかしなければ。
「シュレア、魔素中毒ってことは僕の浄化で治せるんだよね?」
一番大事なところだ。
「……おそらく有効でしょう。ケイの浄化は驚くべきものです。しかし、今回の魔素中毒、ラミアルカの体内の魔素蓄積量は尋常ではありませんし、毒性も強い。ケイの身に危険がないとは言い切れません」
あー、フグとか体内にため込んだ毒は強力だもんね。毒は生物に蓄積されると強くなっていくんだよな。
「さっきも言いましたが、ラミアルカの毒耐性は亜人随一です。彼女はそもそも地と毒を分解して栄養にする亜人。それを突き抜けて彼女を中毒状態にする毒性など、もしそれが体内に蓄積された場合、シュレアたちでも耐えきれないでしょう。人間のケイでは何が起きるか分かりません。それでも……やりますか?」
そっか。
確かに魔素を浄化中、身体に負担がかかることはあった。
その時は魔素そのものっていうよりも、それを浄化するために体力と言うか生命力を消費する感じだったけど。そうか、直接触れないにしても、間接的に関与する訳だから少なからず影響がある可能性はあるのか。毒素が皮膚から侵入してくるみたいに。あるいは、放射線物質、ガンマ線、詳しくは知らないけど異世界ならもっと凶悪なのがあってもおかしくない。スキル越しから悪影響を与えるような。
今までは大したことなかったけど、今回はその比じゃないんだろうな。もう少し異世界ならではの危険について考えるべきだな。
「シュレアは……シュレアは、ケイのことを考えたら、お勧めしません」
シュレアが苦しそうに言った。
「シュレア……貴様……」
プテュエラがこの間みたいにブチ切れモードになる。
「しかし……そうだな」
でもすぐにその怒りを収め、力なく笑う。
「シュレアの言う通りだ。ケイに無理をさせることはできない。ケイは……大切だ」
「本当に? プテュエラ、それでいいの?」
ベステルタが言った。彼女だって内心分かってはいるだろうが。
「じゃあどうしろっていうんだ!」
バン、と大きな音がしたかと思うと、プテュエラが消えベステルタに馬乗りになっていた。鷲爪でベステルタの腕を押さえつけ、猛禽類が獲物を喰らうように顔を近づけ吠える。
「ラミイは大切だ! でもケイだって大切なんだ! 分かるだろう!」
「プティ……」
「どちらかを選べなんて、私にはできない……」
力が弱められた脚をそっとどかしベステルタがプテュエラを抱きしめる。
「でもどちらかを選べっていうなら……私はケイを選ぶ……それが最善だ。そうだよな……?」
「そうよ、その通り。よく言えたわね。偉いわよ」
よしよし、と背中をさするベステルタ。
「ケイ、私も同じ気持ち。ラミイはわたしたちの大事な友達。だからこそ……」
毅然とした態度だ。
「他の方法も試してみましょう。できるだけ生命力を保持して……」
シュレアもそんなことを言う。まったく。
「うう……姉さん」
サンドリアちゃん、かける言葉が見つからない。こんなのトラウマだよ、彼女の今後の人生の暗い影を落とすよ。
「いやいや、僕はまだ何も言っていないし。ていうかやりますよ? やるに決まってるじゃん」
何で話を勝手に進めるのか。
ぽかんとした亜人達。話聞いてた? って顔だ。
「で、でもね。ケイ」
「だまらっしゃい」
分かってる、ここがシリアスな場面って言うのは。でもおどけるしかないじゃないか。
「ケイ、ここでお前が無理することは無いんだ」
「お気持ちは嬉しいですが」
何だよ、全員そういう感じか。それなら僕がわがままを言っているみたいじゃないか。
わがまま、か。
いや、それでいいか。そうだよ、僕はこっちに来て自由にやるって決めたじゃないか。
もう誰にも邪魔されないって。好きに生きるって。
ラミアルカさんを浄化したいけど皆は止めて欲しい。でも僕は浄化したい。だって……ああくそ。うまく言えないけど、友達なんだよな? それなら大事だ。大切にして欲しい。
でも僕は彼女たちを説得できる理詰めの言葉を持っていない。今すぐ思いつくなんてことはできない。それなら皆が納得するようなわがままを言ってやろう。
嘘でもなんでもいい。言ってやる、ああ、言ってやるさ。なんか突拍子のないことを言ってやろう。錯乱したと思われてもいい。本当に自由な奴はいつも錯乱しているように見えるしね。だからこれでいい。
「実は僕、亜人の王になりたいんだ。将来の嫁を見殺しになんてできないよ」
「「「「……は?」」」」
あー、言っちゃった。言っちゃった。後で絶対羞恥心にもだえるんだろうなぁ。枕に顔うずめるやつだ。でもいい。別に、それで僕のわがままが通って、結果的に誰かが助かるなら。そういうことにしておいてくれ。あー、恥ずかしい。やばい鳥肌が。絶対後で、からかわないでくれよな。
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