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ep25:姉のピンチを救いたい
最終バスで帰ってくると、家に近づいていく車窓から見える景色は、いつもの帰宅時間と違い人影はまばらった。本橋元紗耶香は、公園前のバス停でバスを降りると、一旦家に向かおうとしたが踵を返し、目の前の公園に足を踏み入れた。無性にブランコに乗りたい気分だった。
今日は、勤務先で事務処理に予想以上に時間が掛かり、残業時間が伸びてしまっていた。帰宅時間が遅くなってしまったが、逆にそういう時こそブランコに乗りたくなる。紗耶香が、公園に少し入ったところで、話し声が聞こえた。気のせいかと思い歩みを進め、ブランコにあと数歩というところで、暗闇の中ベンチに座っている人影が見えた。どうやら男二人で酒を飲んでいるようだった。鮮やかな赤いTシャツと青いTシャツが目に入った。紗耶香はブランコの手前で方向転換した。公園の出口方向を向かおうとしたとき、背中から声を掛けられた。
「あれっ?おネェさん、行っちゃうの?僕たちと飲もうよ!」
紗耶香は無視してそのまま公園を早足で出ようとした。すると、赤いTシャツを着た男が立ち上がり紗耶香を追いかけてきた。その男は酒の入ったアルミ缶を片手に彼女の前方に立ちはだかった。
「ねぇ?おネェさんたらぁ、無視しないでよぉぉぉ。・・・うわぁぁっ!このおネェさん近くで見たら凄い美人さんだぁぁっ!!」もう一人の青いTシャツの男もそれを聞いて、紗耶香の元にやってきた。
「ホントだっ!ねぇ、僕たちと一緒に飲もうよっ!!」
男たちの年齢は20代前半くらいだろうか。かなり酔っぱらっているようだ。紗耶香は困って立ち止まってしまった。
「・・・どいてください。家に帰りますので・・・」
「そんな事言わないでよぉぉ。一緒に飲もうよぉぉ!」
その時彼らの後ろから声が聞こえた。
「私も一緒に混ぜてもらおうかなぁ・・・・・・」
振り向くと、さっきまで彼らが座っていたベンチに、いつの間にか老人男性がちょこんと座っていた。「セキジイ」だった。
「あぁ?何だ?この、じじいは?」赤いTシャツの男がセキジイの元に、サンダルの踵を地面に擦りながら、ゆっくりと歩みを進めた。
「私にも酒をくれないか・・・?」
「ああぁ?お前に飲ます酒はねえんだよぉ。とっとと、家に帰んな?」男が、右手でセキジイの左肩を掴んだ。
セキジイは、掴まれた男の腕の手首と二の腕の辺りを順番に軽く掴んだ。誰の目にも別段力を入れたようには見えなかったが、赤いTシャツの男は、前のめりで勢い良く、その場に倒れ込んだ。数秒前まで粋がっていた男が、今は、うつぶせの状態で、無様に公園の地面にへばりついていた。
今日は、勤務先で事務処理に予想以上に時間が掛かり、残業時間が伸びてしまっていた。帰宅時間が遅くなってしまったが、逆にそういう時こそブランコに乗りたくなる。紗耶香が、公園に少し入ったところで、話し声が聞こえた。気のせいかと思い歩みを進め、ブランコにあと数歩というところで、暗闇の中ベンチに座っている人影が見えた。どうやら男二人で酒を飲んでいるようだった。鮮やかな赤いTシャツと青いTシャツが目に入った。紗耶香はブランコの手前で方向転換した。公園の出口方向を向かおうとしたとき、背中から声を掛けられた。
「あれっ?おネェさん、行っちゃうの?僕たちと飲もうよ!」
紗耶香は無視してそのまま公園を早足で出ようとした。すると、赤いTシャツを着た男が立ち上がり紗耶香を追いかけてきた。その男は酒の入ったアルミ缶を片手に彼女の前方に立ちはだかった。
「ねぇ?おネェさんたらぁ、無視しないでよぉぉぉ。・・・うわぁぁっ!このおネェさん近くで見たら凄い美人さんだぁぁっ!!」もう一人の青いTシャツの男もそれを聞いて、紗耶香の元にやってきた。
「ホントだっ!ねぇ、僕たちと一緒に飲もうよっ!!」
男たちの年齢は20代前半くらいだろうか。かなり酔っぱらっているようだ。紗耶香は困って立ち止まってしまった。
「・・・どいてください。家に帰りますので・・・」
「そんな事言わないでよぉぉ。一緒に飲もうよぉぉ!」
その時彼らの後ろから声が聞こえた。
「私も一緒に混ぜてもらおうかなぁ・・・・・・」
振り向くと、さっきまで彼らが座っていたベンチに、いつの間にか老人男性がちょこんと座っていた。「セキジイ」だった。
「あぁ?何だ?この、じじいは?」赤いTシャツの男がセキジイの元に、サンダルの踵を地面に擦りながら、ゆっくりと歩みを進めた。
「私にも酒をくれないか・・・?」
「ああぁ?お前に飲ます酒はねえんだよぉ。とっとと、家に帰んな?」男が、右手でセキジイの左肩を掴んだ。
セキジイは、掴まれた男の腕の手首と二の腕の辺りを順番に軽く掴んだ。誰の目にも別段力を入れたようには見えなかったが、赤いTシャツの男は、前のめりで勢い良く、その場に倒れ込んだ。数秒前まで粋がっていた男が、今は、うつぶせの状態で、無様に公園の地面にへばりついていた。
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