実姉をこんなにも好きになる筈がない~危うい僕の変愛ログ~

ちゃかぽこねお

文字の大きさ
25 / 89

ep25:姉のピンチを救いたい

 最終バスで帰ってくると、家に近づいていく車窓から見える景色は、いつもの帰宅時間と違い人影はまばらった。本橋元紗耶香もとはしもとさやかは、公園前のバス停でバスを降りると、一旦家に向かおうとしたが踵を返し、目の前の公園に足を踏み入れた。無性にブランコに乗りたい気分だった。
 
 今日は、勤務先で事務処理に予想以上に時間が掛かり、残業時間が伸びてしまっていた。帰宅時間が遅くなってしまったが、逆にそういう時こそブランコに乗りたくなる。紗耶香が、公園に少し入ったところで、話し声が聞こえた。気のせいかと思い歩みを進め、ブランコにあと数歩というところで、暗闇の中ベンチに座っている人影が見えた。どうやら男二人で酒を飲んでいるようだった。鮮やかな赤いTシャツと青いTシャツが目に入った。紗耶香はブランコの手前で方向転換した。公園の出口方向を向かおうとしたとき、背中から声を掛けられた。

「あれっ?おネェさん、行っちゃうの?僕たちと飲もうよ!」
 紗耶香は無視してそのまま公園を早足で出ようとした。すると、赤いTシャツを着た男が立ち上がり紗耶香を追いかけてきた。その男は酒の入ったアルミ缶を片手に彼女の前方に立ちはだかった。
「ねぇ?おネェさんたらぁ、無視しないでよぉぉぉ。・・・うわぁぁっ!このおネェさん近くで見たら凄い美人さんだぁぁっ!!」もう一人の青いTシャツの男もそれを聞いて、紗耶香の元にやってきた。
「ホントだっ!ねぇ、僕たちと一緒に飲もうよっ!!」
 男たちの年齢は20代前半くらいだろうか。かなり酔っぱらっているようだ。紗耶香は困って立ち止まってしまった。
「・・・どいてください。家に帰りますので・・・」
「そんな事言わないでよぉぉ。一緒に飲もうよぉぉ!」

 その時彼らの後ろから声が聞こえた。
「私も一緒に混ぜてもらおうかなぁ・・・・・・」
 振り向くと、さっきまで彼らが座っていたベンチに、いつの間にか老人男性がちょこんと座っていた。「セキジイ」だった。
「あぁ?何だ?この、じじいは?」赤いTシャツの男がセキジイの元に、サンダルの踵を地面に擦りながら、ゆっくりと歩みを進めた。
「私にも酒をくれないか・・・?」
「ああぁ?お前に飲ます酒はねえんだよぉ。とっとと、家に帰んな?」男が、右手でセキジイの左肩を掴んだ。
 セキジイは、掴まれた男の腕の手首と二の腕の辺りを順番に軽く掴んだ。誰の目にも別段力を入れたようには見えなかったが、赤いTシャツの男は、前のめりで勢い良く、その場に倒れ込んだ。数秒前まで粋がっていた男が、今は、うつぶせの状態で、無様に公園の地面にへばりついていた。




感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。