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ep32:素敵なインストラクターに出会いたい
アスカ駅西口行きのバスを終点で降り、高架下を南へ進むと、間もなく大きな建物が前方に見えてきた。
「センチュリーウィルビークラブ(SWC)」は、姉の紗耶香が入会検討中の総合スポーツジムだ。
見上げると、白くそびえる建物の2階に全面ガラス張りのトレーニングルームが見える。夜になれば高架を通る列車の窓からからジムの様子が良く見えるのだろう。入り口から入ると、広々としたエントランスの正面奥に受け付けがあり、壁に大きなSWCの立体的なロゴマークが掲げられている。左側には観葉植物でパーティションされた奥にお洒落なカフェが併設され、ロビーにまでコーヒーの良い香りが漂っている。一方右側には、2階のトレーニングルームに上がる階段と、奥の施設へと移動するための通路がある。通路を奥まで進むと、プールや他の施設がある別館に移動ができる。
受付で見学を申し出て、パンフレットを受け取った後、僕たちはプールへと向かう通路を進んだ。通路の途中まで進むと、向こうから長身の女性が歩いて来るのが見えた。トレーニングスーツに身を包んだ女性は近づくにつれ、とても美しい女性という事が分かった。しかも僕はこの人を見たことがある。
「如月選手だ・・・」
姉が呟いたその名前に聞き覚えがあった。
「如月羅夢奈さんよ。ほら、この間のオリンピックで、日本代表選手だったじゃない・・・」
それを聞いて思い出した。4年前のオリンピックで日本代表として競泳に出場した如月選手だった。惜しくもメダル獲得は叶わなかったが、地元出身のオリンピック選手として僕たちも応援していたのだ。僕らの視線に気づいたのか、如月選手が僕らに向かって笑顔で会釈をしてくれた。
「あの・・・如月選手ですよね・・・」
姉の紗耶香が如月選手に話しかけた。姉の、このコミュニケーション能力は、羨ましい。「セキジイ」とも仲良さそうだったし・・・。
「はい。・・・今は、ここでインストラクターをしているんですよ。入会御希望ですか?」
「はい。水泳を習いたくて・・・。あの、オリンピックはTVの前で如月選手を応援してました・・・」
「ありがとうございます。ここは、施設も充実していてスタッフも皆さん優秀なので、是非入会してくださいね」
「オリンピック選手に指導してもらえるなんてすごいですね・・・。是非前向きに検討したいと思います」
オリンピック選手・・・。そういえば、美咲の所属する水泳部の顧問が、元オリンピック代表候補って言ってたな。確か、「渡部」・・・って名前だったかな?
僕らは、プールやそのほかの施設を一通り、見学させてもらった後、姉は入会の手続きを行う事になった。僕は待っている間、エントランス横にあるカフェで姉を待つことになった。アイスコーヒーにミルクを入れていると、カフェの入り口から一人の女性が入ってきた。
如月羅夢奈さんだった。
「センチュリーウィルビークラブ(SWC)」は、姉の紗耶香が入会検討中の総合スポーツジムだ。
見上げると、白くそびえる建物の2階に全面ガラス張りのトレーニングルームが見える。夜になれば高架を通る列車の窓からからジムの様子が良く見えるのだろう。入り口から入ると、広々としたエントランスの正面奥に受け付けがあり、壁に大きなSWCの立体的なロゴマークが掲げられている。左側には観葉植物でパーティションされた奥にお洒落なカフェが併設され、ロビーにまでコーヒーの良い香りが漂っている。一方右側には、2階のトレーニングルームに上がる階段と、奥の施設へと移動するための通路がある。通路を奥まで進むと、プールや他の施設がある別館に移動ができる。
受付で見学を申し出て、パンフレットを受け取った後、僕たちはプールへと向かう通路を進んだ。通路の途中まで進むと、向こうから長身の女性が歩いて来るのが見えた。トレーニングスーツに身を包んだ女性は近づくにつれ、とても美しい女性という事が分かった。しかも僕はこの人を見たことがある。
「如月選手だ・・・」
姉が呟いたその名前に聞き覚えがあった。
「如月羅夢奈さんよ。ほら、この間のオリンピックで、日本代表選手だったじゃない・・・」
それを聞いて思い出した。4年前のオリンピックで日本代表として競泳に出場した如月選手だった。惜しくもメダル獲得は叶わなかったが、地元出身のオリンピック選手として僕たちも応援していたのだ。僕らの視線に気づいたのか、如月選手が僕らに向かって笑顔で会釈をしてくれた。
「あの・・・如月選手ですよね・・・」
姉の紗耶香が如月選手に話しかけた。姉の、このコミュニケーション能力は、羨ましい。「セキジイ」とも仲良さそうだったし・・・。
「はい。・・・今は、ここでインストラクターをしているんですよ。入会御希望ですか?」
「はい。水泳を習いたくて・・・。あの、オリンピックはTVの前で如月選手を応援してました・・・」
「ありがとうございます。ここは、施設も充実していてスタッフも皆さん優秀なので、是非入会してくださいね」
「オリンピック選手に指導してもらえるなんてすごいですね・・・。是非前向きに検討したいと思います」
オリンピック選手・・・。そういえば、美咲の所属する水泳部の顧問が、元オリンピック代表候補って言ってたな。確か、「渡部」・・・って名前だったかな?
僕らは、プールやそのほかの施設を一通り、見学させてもらった後、姉は入会の手続きを行う事になった。僕は待っている間、エントランス横にあるカフェで姉を待つことになった。アイスコーヒーにミルクを入れていると、カフェの入り口から一人の女性が入ってきた。
如月羅夢奈さんだった。
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