《完結》私好みのあなた。もう離しませんよ。

ポカポカ妖気

文字の大きさ
21 / 54

第17話

しおりを挟む



「はぁ、美味しかったーー!!厚焼き玉子なんてフワッフワッで甘めの味付けがサイコー。一切れでご飯何杯でもいけそう!」


「ホントよね。はじめのご飯も美味しいけどゆづ葉のも美味しいわ。」


そう結城ちゃんと咲さんが言ってくれた。
朝は時間が無いから凝った物ができなかったので、美味しいと言ってくれ素直に嬉しかった。


「ごちそうさま。本当にうまかった。」


はじめさんもうまかったと完食してくれた。
その後すぐ立ち上がり食器をシンクまで片付けると出かける準備を始めた。
さっきまでバタバタしていたので流石に時間ギリギリなのだろう。


準備が完了して玄関へ向かうはじめさん。
玄関先でお見送りをする。



「お仕事いってらっしゃい。
夕飯作って待ってるからね。」



そう言って手を振る。朝のひと時があっという間ににすぎ寂しく感じるけど我慢だ。


するとはじめさんが振り返りグッと身体を引き寄せられる。耳元で


「行ってくる。ゆづ葉の美味い飯楽しみに頑張ってくるから。」


そんな風に囁かれて顔に熱が集まる。
斜め横を見上げればはじめさんの頬。


衝動的に頬に唇を押し当てる。
チュッとリップ音を鳴らし


「はじめさん、大好き。」


そう言って離れ再度手を振る。
頬を押さえるはじめさんはハッとして


「い、いってくる!!」


そう言って家を後にしたのだった。



自分でも大胆なことをしたなと思ったが、耳元で囁くなんて心臓に悪い事したのははじめさんなんだしこれ位は許して欲しいな。



「若夫婦は仲がよろしいコトで。
ホッペにチューだって。
やっぱりゆづ葉のが主導権握ってるよねー。」


「お姉様がお兄ちゃんにチュー。。家族としては良いんだけど、、ファンとしては、、複雑。
ってかこれ絶対学校の人に見せちゃいけないやつだよ。。
お兄ちゃん、、ただじゃ済まない。。」


そりゃ見られますよね。分かってた分かってたけど、、我慢できなかった自分に反省かな。


苦笑いして二人に頭を下げた。
お目汚しを。。と気持ちを込めて。



それから片付け、掃除を済ませ山田家を後にする。
帰宅してまた夕方に来るとなると大変だから家にいれば?と言われたが、先約が有ったので今回は丁重にお断りした。



徒歩で目的地である図書館へ向かう。
まだ開館前なので近くのベンチに座り持ってきた本を読む。



暑い日だが木陰にいると風が吹き込み心地いい。


いつの間にか集中して読んでいると、隣に人の気配を感じた。
視線を向けると夕子が居た。



「おはよう夕子。
なんだー、来てたなら声かけてよ。」



「おはー。ふふ、本に夢中になって百面相してる顔が面白かったから見てたの~。」


百面相してたんだ。恥ずかしい。
ムッと夕子を睨むと全く気にしていない様子でヘラヘラしていた。
なんか悔しいな。


そう、今回図書館に来た理由は夕子と夏休みの課題をする為だった。


夕子は放って置くと課題を全くやらないので定期的に何処まで進んだかを確認しないと不安で仕方がない。


いつもならどちらかの家でやることが多いのだが、本日から山田家で朝晩とお世話になる事を伝えると山田家付近の図書館でやろうと提案してくれたのだ。


「で?朝食作りはどうだった~?
ーーまさか襲ったりしてないよね~?」


あれ?いつもの口調なのになんか微妙に機嫌が悪いような。



「美味しいって言ってくれて嬉しかったよ。みんな優しくて、、なんか家族が増えたみたい。
お、襲ってはナイヨー。若干ハプニングは有ったけど普通にお見送りして(軽く頬にチュッとして)今朝はお終いかな。」


友達にこういう話は恥ずかしいので少し誤魔化した。


「ふーーん。そっか、ほっぺにキスねぇ。。初日からこれだと今後どうなるんだろうね~、として心配だな~。ーーちゃんとしないと離れる羽目になるよ~?」



「どっから『ほっぺにキス』ってワード出てきたの?!!エスパー!?
ってかすいませんでした。家の中でとはいえ軽率でした。
これで慣れちゃうと外でもしちゃうんじゃないかって事だよね?
怒らないで!!夕子!」


多分、周りに気づかれないよう注意しろという警告をしてくれて居るのだろう。
私以上に気にしてくれている。



「私、ゆづ葉の事なら大体把握してるからね~。まぁ基本ゆづ葉が幸せならそれでいいけど~、目に余るようなら、ね??」


すごい心配をかけていたようだ。
だからしっかり宣言する。


「これ以上は卒業まで絶対しません。
周りにもちゃんと注意して行きます。
ーーーー心配かけてごめんね。大好き夕子ーー!!」


最後に思いっきり抱きついた。
私以上に私のことを気にしてくれる親友を抱きしめないでいられるか!



抱きしめた夕子を見ると満足した顔をしていた。


まあこの後詳細に今朝のことを聞かれる羽目になって結局、課題の進行はグダグダになってしまった。


だから明日こそはやろうとまた約束を取り付けて再び山田家へ向かったのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


Prrrrrrrrrr....... カチャッ



「結城、いい情報ありがとう。役立ったわ。」


「いえ、夕子お姉様。
ゆづ葉お姉様の情報共有はクラブの義務ですから。でも拡散だけは。。。」


「当たり前じゃない。ゆづ葉が望まないことにならないよう私だけでとどめるわ。あの子のことは誰よりも大事だからね。」


「じゃあまた宜しくね。」


—-ブチッー——



魔王夕子お姉様、楽しそうだったなぁ。ゆづ葉お姉様の事大好き過ぎて色々画策してる動き回ってる姿、生き生きとしてて素敵なんだよね。
ファンクラブの義務じゃなくても夕子お姉様に協力したくなっちゃう。


お兄ちゃんごめんね!
お兄ちゃんも大切なんだけどニ大お姉様も大切なの!


だから、、昨日みたいに仕事が入って帰りが遅くならないよう祈ってるよ。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない

彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。 酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。 「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」 そんなことを、言い出した。

還暦妻と若い彼 継承される情熱

MisakiNonagase
恋愛
61歳の睦美と、20歳の悠人。ライブ会場で出会った二人の「推し活」は、いつしか世代を超えた秘め事へと変わっていった。合鍵を使い、悠人の部屋で彼を待つ睦美の幸福。 しかし、その幸せの裏側で、娘の愛美もまた、同じ男の体温に触れ始めていた。 母譲りの仕草を見せる娘に、母の面影を重ねる青年。 同じ男を共有しているとは知らぬまま、母娘は「女」としての業(さが)を露呈していく。甘いお土産が繋ぐ、美しくも醜い三角関係の幕が上がる。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

お久しぶりです旦那様。そろそろ離婚ですか?

奏千歌
恋愛
[イヌネコ] 「奥様、旦那様がお見えです」 「はい?」 ベッドの上でゴロゴロしながら猫と戯れていると、侍女が部屋を訪れて告げたことだった。

ジェリー・ベケットは愛を信じられない

砂臥 環
恋愛
ベケット子爵家の娘ジェリーは、父が再婚してから離れに追いやられた。 母をとても愛し大切にしていた父の裏切りを知り、ジェリーは愛を信じられなくなっていた。 それを察し、まだ子供ながらに『君を守る』と誓い、『信じてほしい』と様々な努力してくれた婚約者モーガンも、学園に入ると段々とジェリーを避けらるようになっていく。 しかも、義妹マドリンが入学すると彼女と仲良くするようになってしまった。 だが、一番辛い時に支え、努力してくれる彼を信じようと決めたジェリーは、なにも言えず、なにも聞けずにいた。 学園でジェリーは優秀だったが『氷の姫君』というふたつ名を付けられる程、他人と一線を引いており、誰にも悩みは吐露できなかった。 そんな時、仕事上のパートナーを探す男子生徒、ウォーレンと親しくなる。 ※世界観はゆるゆる ※ざまぁはちょっぴり ※他サイトにも掲載

48歳主婦の宅建試験挑戦―そして年下彼がくれた勇気と恋

MisakiNonagase
恋愛
「お母さん」でも「奥さん」でもない、私の名前を呼び止めたのは、26つも年下の彼だった。 「48歳、主婦。私が手に入れたのは、資格(ライセンス)と、甘く切ない自由だった。」 スーパーのパートに明け暮れる平凡な主婦・中西京香、48歳。 目的もなく始めた宅建試験への挑戦が、枯れかけていた彼女の人生を激変させる。 インスタの勉強垢で出会ったのは、娘よりも年下の22歳大学生・幸正。 「不倫なんて、別の世界の出来事だと思っていた――」 そんな保守的で、誰より否定的な考えを持っていたはずの京香が、孤独な受験勉強の中で彼と心を通わせ、気づけば過去問演習よりも重い「境界線」を越えていく。 資格取得、秘めた大人の恋。そして再スタート、 50歳を迎えた彼女が見つけた、自分だけの「地平線」とは。 不動産、法学、そして予期せぬ情熱が交錯する、48歳からの再生と自立の物語。

処理中です...