《完結》私好みのあなた。もう離しませんよ。

ポカポカ妖気

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第27話

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あの後、夕子にイチャつくのは後にして夕飯作りを進めて欲しいと涙目で訴えられ、二人で謝罪し急ピッチで準備をした。


そして予定より遅れ夕飯の時間となる。


「「「いただきます。」」」


勢い良く麺を啜る夕子に苦笑いをしながら私も頂く。


はじめさん特製の濃厚白ごまダレが食欲を刺激しどんどん箸が進んだ。
口に含むとごまの風味が広がり隠し味のマヨネーズが更にコクをだしている。



「本当に美味しい。はじめさんの味付けはいつも絶妙だから私も見習わないとな。」



「うっま~!!冷やし中華は酸っぱいタレしかありえないと思ってたけど、これはアリ~!!」



夕子まで素直に感想を述べるものだからはじめさんが表情筋を手で抑えて必死に笑顔を誤魔化していた。



「どう?夕子。はじめさんすごいでしょ?」



私の手柄の様に自慢気に言うと



「ーーーゆづ葉のが美味しいもん。」



とそっぽを向く。
夕子は変な所で素直じゃない。まぁ、そんな所が可愛いんだけどね。

そんな夕子はそのままガツガツ食を進め、結局おかわりまでするのだった。


夕食の片付けも終わりさて入浴タイムだ。



「順番どうしよっか?二人共、お風呂どっちが先に入る?」



そう聞けば



「は~い、私ゆづ葉と先に入る~。」


そう言う夕子にはじめさんが睨みつける。


「ーーー2人で入ると長そうだ。1人ずつ入った方が効率がいい。」



「何~?ヤキモチ~?心狭いな~。」



「そうじゃなく!!」



また始まってしまった。
早々に解決する為口を開く。



「夕子ごめんね、今週は月一のアレで一緒は無理なの。だから私は最後にシャワーを浴びるだけにするね。」



そう言うと明らかに落ち込む夕子にごめんねと頭を撫でる。



「うぅ~、ーーじゃあお風呂は諦めるから一緒に寝よう~?ダメ~?」


潤んだ瞳で見つめられれば答えは一つ。
二つ返事で了承した。



「山田センセイ、ごめんね~。ゆづ葉は私と寝るからセンセイは一人寂しく眠ってね~。」



勝ち誇ったように言う夕子にはじめさんが何故か表情が曇って居た。



「ーー何もするなよ。」



「ん~?何のこと~?あっ、またヤキモチ??いい歳して大人気ないな~」



夕子ははじめさんを揶揄って遊んでいるのだろうが、やり過ぎだ。ここはビシッと窘める。



「夕子やり過ぎだよ。
これ以上はじめさんをイジるのなら、、一緒に寝ないよ。」


努めて淡々と言うと懲りたのか謝罪の言葉を口にする。



「うっ、ごめん~。もうやめるから~許して~。」



「謝るのは私じゃないでしょ?」



「山田センセイ、ごめんなさい~。」


そう頭を下げると



「!!!
ーー別に、気にしていない。」



と許してもらっていた。


夕子、はじめさんと入浴を済ませ最後に私が入る。


入っている間、何やらまた言い争っていたようでお風呂場まで途切れ途切れ声が聞こえる。
はぁ、と思わずため息がでる。
内容は分からないが、これは後で二人とも説教だな。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ゆづ葉入浴中で、残された二人。



「あーあ、ヤマダに謝るとかあり得ない。どう考えても私は悪くない。」


「どの口が言っている。完全に俺を挑発しただろ。
それに謝罪の言葉は口にしたがゆづ葉に見えないように舌出してだろっ!」


「え~被害妄想こわっ。事実を言っただけだし。
ーーまぁ、べーってやったのは認めるけど。。。
ってか私とゆづ葉が一緒に寝るって言ったら明らかに嫉妬してたじゃん。」


「ーーーしていない。」


「え?じゃあゆづ葉と一緒のベットであーんな事やこーんな事して愛を深め合ってもーー」


「ダメに決まってるだろうが!!!」


「ーー足立は毎度、、、」


「ーーー」




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



お風呂から上がり、喧嘩両成敗と言うことで二人に説教をすると何故かはじめさんが凹んでいた。
年下に叱られたことにプライドが傷ついてしまったのかもしれない。
後でフォローしようと思う。


そんな微妙なムードも可愛いもの談義をしていれば(夕子は呆れながらも聞き役に徹してくれていた)あっという間に和やかに。
そんな楽しい時を過ごしているとすぐに就寝時間になった。


おやすみと挨拶をすればはじめさんは客間へ、私と夕子は私の自室へとそれぞれ向かう。



電気を消しベットに入る。
さぁもうひと喋りと思っていると、途端隣から寝息が聞こえてきた。
そうだった。夕子は寝付きが良すぎるんだった。久々にお泊まり会をしたのですっかり忘れていた。


夕子の寝顔を見る。幸せそうに眠る表情に小声で『おやすみ』と声を掛け私も目を瞑る。


楽しい時間を精一杯堪能して疲れたのだろう。
すぐに私も夢の中へ落ちていったのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


早朝。


ピカッと何かが光った様な気がして目が覚める。だが周りに変わった様子はない。夕子も規則正しい呼吸をしている。
その手元には携帯を抱えており、昨日の寝落ち感が垣間見得た。

何だったんだろうと不思議に思いながらもすっかり目が覚めてしまったので起きることにする。

薄暗い部屋の中、時計を見ると午前5時前。
今回は早く起きてもやることは無いのだが習慣で目が覚めたのかな。


夕子を起こさないようにベットから抜け出し着替えをしようとボタンに手をかける。
そこでいつも以上にはだけだ格好になっている自身に気付き一人赤面するも、夕子に見られなかったことに少し安堵した。
着替え終えるとそのまま部屋を後にする。

階段を降りて行きキッチンに入り水を一杯、と思って居たらはじめさんもキッチンに現れた。
はじめさんも毎日の習慣で目が覚めてしまったのかもと一人納得して挨拶をする。



「おはよう。」



「あぁ、おはよう。早いな。ゆっくりしてて良かったんだぞ。
ーーーいや、人のこと言えないか。」



そう言って頬を掻くはじめさんに



「早起きは習慣だもんね。
でもおかげで一番におはようって言えたよ。」



「確かにそうだな。」



そう言った笑顔は穏やかなのに少し寂しさを含んでいるような。。



「はじめさん、なんか私に言いたいことない?
昨日のお風呂上がり位から少し様子がおかしいよね?」



昨日思って居たことを今聞いてみる。



「ーーーあぁ、ゆづ葉には隠し事が出来ないな。」



少し躊躇った後に口を開く。



「足立が言ってたように本当は嫉妬して居たんだ。
足立ばかりに、、その構ったり、一緒に寝るのも即決で、迷ったりしないのか、と、、自分勝手に落ち込んでいた。」



目を逸らしつつそう言うはじめさんを見て、少し嗜虐心が芽生えてしまった。
なんせ、元々夕子がウチに来る事になったのははじめさんが『二人っきりはちょっと』と言い出したからだ。

そんなはじめさんの元に近付き背伸びをし耳元で囁く。



「へぇ、『二人っきりはちょっと(無理)』って言ってた本人が、夕子と寝る事に対して『迷って欲しかった』って、、良く言えるね。
一丁前に嫉妬出来るなら、この前『二人で過ごしたい』位言えなかったの?」



「うっ。ーーすまん。」



「じゃあ今からでも二人っきりで過ごしてみる?そうすれば誰にも嫉妬なんかさせないよ?」



「ーーーいや、折角足立が来てくれたんだ、そんな事は絶対にしない。
寧ろ俺が引くべき所だろう。
夜はちゃんと見張りにくるからーー」



そう言うはじめさんの首に手を回し抱き付き慌てて言葉を紡ぐ。



「ーーごめん、本当にごめん。これはやり過ぎた。ちょっと虐めたくなっちゃっただけで、そんなこと思って無いよ。
寧ろ嫉妬されて嬉しかったし、夕子寄りになっていた事に反省もしてたんだ。
でもはじめさんが夕子のこと『折角来てくれたんだ』って言ってくれて、はじめさんらしい思い遣る言葉に、正直今愛しさが溢れて出して止まらない。
本当はちゃんと謝らないといけないんだけど、、ごめん、このままキスさせて。仲直りの印だと思って!お願い!!」



そう懇願した。



はじめさんが「えっ?」と固まったがコクンと頷いてくれたので、首に回して居た手を離しそのまま両頬に添えて顔を近づけて行く。
目を瞑り柔らかい唇に触れるとその感触を角度を変え啄みながら愉しむ。
そしてそのままその唇を舌で舐め、驚いて開いた所へ舌を進にゅーーー



「はーーーい、ストップ、終了!!!」



その言葉と共に引き剥がされた。



声の主へ向き直り不満顔をぶつけるが、知らん顔で勝手に話を続ける。



「朝っぱらから盛っているのは野生動物の本能として間違って居ないだろうけど、、、山田センセイがキャパオーバーなのは把握してる??」


そう言われはじめさんの顔を見ると、、真っ赤に茹で上がりスッカリ意識を飛ばして居た。


またやってしまったと反省はすれど辞めるつもりは毛頭無い。
こんな彼女でごめんねと頬にキスを送ってみるのであった。



「ゆづ葉って容赦ないわ。ーーーヤマダが哀れに思えてきた。」



そう言いつつ私とはじめさんにキツめのマイスリッパによるど突きが敢行された。


うん、容赦ないのは夕子だと思うよ。



そんな騒がしくも楽しい3泊4日があっという間に過ぎ去った。
そして更に日々が過ぎていきーーーとうとう高校生活最後の夏休みは終わりを告げたのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

話は戻ってお泊まり会最終日の事。


???


ピロン。


メールが来た。あっ、魔王お姉様からだ。


メールを開いた瞬間、ブーっと鼻血が出た。


『良い時間を過ごせたわ。
はい、これが約束の画像よ。
ーーー他に見せず自分だけで楽しみなさい。』

そんな内容と共に画像が一つ。


無防備な寝顔の女神その人は、隠しきれない豊満なお胸様がギリギリ見えそうで見えない絶妙にはだけだパジャマ姿だった。その隣にはドヤ顔で憎めない小動物な魔王様可愛い人


私、一生あなた方の奴隷です。

鼻血による貧血で意識を手放しながらそう固く誓ったのである。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

長くなりました。
次回からまた学校編。
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