《完結》私好みのあなた。もう離しませんよ。

ポカポカ妖気

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第37話

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「~と言うわけで、私は妥協して化学準備室に押し掛ける本郷さんを許容しました。
、、、彼女の名誉の為今まで黙っておりました。すみません。」



そう語る金森先生は悲しそうな、辛そうな表情を我慢する素振りをして校長先生の同情を誘って居る。


金森先生曰く、私は金森先生に一方通行の好意を寄せていてストーカーとなって居たそう。
教師としてキッパリ断ったが私は日に日にストーカー行為をエスカレートさせ周囲にも迷惑を掛けだした。
だから周囲の為に妥協案として毎日化学準備室に来る事を渋々了承したと言う。
これで私が落ち着くと思いきや今度は自分と両思いだと噂を流す始末。
どうしようか悩んでいる所での校長からの呼び出し。
やんわりもうやめるように伝えようとしたら先生を加害者とする暴挙に出た私に、とうとう我慢ができなくなった。と。


そう来ましたか。
私一人に全て押し付け、自分は本当は被害者だという主張を通す気らしい。

こう言う演説は得意なようで悲し気な顔の先生は寧ろ余裕すら感じるが、、、さて校長先生はどんな反応か。



「なるほど、そうだったのですか。それは大変でしたね、、、。
私は、善良な一教師を疑う所でしたーーー」



校長から発せられた同情的な言葉、自身の主張を肯定する言葉が出た瞬間、金森先生の口角が歪に上がるのを見た。



「校長!!信じて貰えて良ーーー」



「なんて私が言うわけないですよ。クズ教師の金森君。」



金森先生の言葉を遮る校長。
その校長の一言でポカンと間抜け顔をして停止している。



「はぁ、、。本当にそんな主張が通ると思って居たのですか?
私は何か問題が生じた時、事前調査は欠かしません。確信を持ってからでなければその中心人物にすら声をかけません。
この学校には優秀な調査員が居るんですよ。
だから知って居ますよ。
私がこうやって本人に事情を聞くのはどう答えるか試す為だけです。
反省しているのであればそれなりの、誤魔化そうとするのであれば容赦なく。
本人の態度によって私は処分を決めます。
お分かりになりますか?金森君。」



金森先生は校長の話が進むに連れて顔色がどんどん青くなっていった。
校長先生の言っている意味を理解したのだろう。
そう校長は知っているのだ。
それなのに金森先生は事実とは異なる、しかも人に罪をなすり付けた内容をツラツラ語った。
それに対しての処分は、さてどうなるか。

金森先生を見ると冷や汗をかきながら頭をガシガシ掻きどう言い訳しようか考えている様子。
そしてバッと前を向き、


『まっ!待ってください!!調査したと言っても所詮証言くらいなものでしょう?
そう、そうだ!
そんなの私に悪意を持ってる人物であれば陥れる偽証をする可能性があります!!
きっと本郷が言ったんでしょ!!!信じないで下さい!!!」



私を指差しながら瞳孔が開き切った目で捲し立てて来る。


ピッ。



「ふっ、聞く~?
みんな俺の手伝いをしたくてたまらないらしいぞ。『君だけだよ、ありがとう。』って笑顔見せりゃ女共は生徒も教師も皆喜んで俺の言う事を聞く。
んであれよと言う間に仕事は完了。
ははっ、楽なもんだ。
まあ今はお前をこき使えるから必要ないけどな。ただーーー、そろそろをしたくなってきたな。って」


ガシャーン!!


「すいません、ビーカーを落としてしまいました。怪我をしないよう離れていて下さいね、金森先生。」


「あーあ、顔が良くてもこの性格じゃ萎えるわ。やっぱりか弱そうな方が色々とーー」
                 』


ピッ。と鳴り校長の後ろにあるスクリーンに映し出された動画が停止した。

どうやら以前化学準備室のでの出来事の動画だった様だ。



「如何ですか?証言では無く、実際の動画なら納得して頂けますか?
どう見ても金森君が言う様な関係ではありませんねぇ。寧ろ金森君が本郷さんに手を出そうとして居る様に見えますよ。
あぁもちろん動画はこれだけではありませんよ。
毎朝の事ですからね、約一ヶ月ですか。その間もっと色々言って居ましたよね。
全く、、、カーテンもせず窓を開けた状態で話すなんて、そんなにも見られたかったんですか?金森君。」



そういう校長の目は氷のように冷たく鋭かった。
もう反論の余地の無い状態まで追い込まれた金森先生は好青年の仮面を完全に脱ぎ捨てリクさんの顔になる。
憎しみと怒りを全面に出し、私に照準を変え攻撃する。




「本郷!テメー約束破りやがったな!!!条件を悉く無視しやがって、挙句動画だとっ!!!!
ゼッテー許さねぇ!!!!」



そう言って以前同様殴り掛かって来る。
馬鹿の一つ覚えだ。しかも今回は校長の目の前でとは、、、救いようの無い人だ。

こちらも前回同様殴り掛かってきた拳を受け流し、手首を捻り地面へ身体を押さえ付ける。


「はぁ、繰り返し飽きませんね。
抵抗しなければ離しますが、、貴方は抵抗しますよね。
じゃあこのままの体勢で聞いて下さい。

私は条件を何一つ破っては居ません。
誰にも居ないし、記録媒体も持って居ない。彼とも連絡は取り合って居ないし、毎日化学準備室にも行きました。
なんなら貴方が私の携帯に監視アプリを入れて居たのも見逃してあげましたよ。
盗聴、盗撮は楽しかったですか?
まぁ上手くかわしていましたけどね。
そう、それと同じで条件も上手く逃げ道を探してかわして居ましたーーー」



そこで種明かしをする。
夕子、はじめさん、ミカさんに金森先生の事を伝え、今後の行動を報告して居たこと。切り札探しの為に従順でいた事。
そして動画についてはーーー



「私は関わって居るかもしれませんが私が撮ったものではありませんよ。
聞くところに寄ると、化学準備室の向かい側は演劇部の部室だったらしくカメラテストで窓の外を映して居たら私たちを目撃したそうです。
そして彼女は私のファンだったそうで協力してくれたとか。
偶然って凄いですね。」



そう夕子が言って居たが今はそれを信じることにする。
動画は正直ありがたかった。
『私が何とかする』
と言った夕子を信じて良かった。
ただ、私はその動画を校長には渡して居なかった。
つまり夕子が渡したのだろう。どういう経緯があったのか分からないが、夕子には夕子の事情がありそうだ。

そんな事を考えて居ると金森先生の体が物凄い力で起きあがろうともがきだした。
なので肺の辺りに膝を当て少々体重を乗せ圧迫し力を抜かせる。



「くっ!!はぁはぁ、はぁ、、、。
何がたまたまだ!何が話して居ない書いただけだ!!屁理屈ばっかりいいやがって!!!
ーーー山田一の事、今この場でバラす!!!苦しめ、クソが!」



今度は脅しに掛かって来たが同様はしない。そうなるだろうと既に先手は打ってある。
私は校長を見る。
すると校長は机に置いてあった資料と封筒のうち資料だけを手に取り金森先生に見えるように掲げた。



「本郷さんと山田先生については金森君が来る一時間前には既に本郷さん自ら話してもらいましたよ。
放課後に呼び出したのに授業をサボって早く来るのは宜しくはありませんが、、、金森君の行動を見越して先んじて来たのは納得しました。
話を戻しますが、生徒と教師、ましてや同じ学校の生徒と担任とがお付き合いをして居るのは確かに看過出来ません。
ーーー出来ませんが、それ以上の衝撃的な報告書を頂いたので今はそちらの方が緊急性が高いと判断しました。
だから後回しですね。
その緊急性が高い案件は金森君、君に関係する事だ。しっかり聞きたまえ。」



そうして私が校長に渡した金森先生に関する資料を読み上げていく。


以前の学校で行った個人情報の売買、入試問題の流出、横領の罪について証拠ごと見せれば、「クソ、クソ、あのバカ女共!!裏切りやがった。」ブツブツ言いながらも既に抵抗する力も無い。



「これは本郷さんからの報告書ね。
で、これがもう一人別の人物からの報告書だ。
これには君が学生の時の裏口入学と成績詐称の件が証拠と共に書いている。
つまり君だけじゃなく、君の父親も関わって居る話だから更に大変だよ?」



私も知らない話だ。調べたのは校長先生の言って居る調査員かな?
それにしても学生時代から既にこう言う人だったという事実に逆に哀れに思う。
誰か止めてあげられる人はいなかったのかと。


抵抗のなくなった金森先生の身体を解放するが、微動だにせず血の気の引いた真っ白な顔で放心状態となった。


ゴンッゴンッ!

      
そこで新たに校長室のドアを叩く音が響いた。
入室の許可の前なのに勢いよく扉が開いた。
入って来たのは


ーーーーはじめさんだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

あともう少しお付き合い下さい。
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