84 / 154
Eroded Life
24話 アイディール・ガール
しおりを挟む
――サバイバル演習から帰還した翌日。
昨日とはうって変わって晴れ上がった姿を覗かせる空。
自室の窓から優しく降り注ぐ暖かな日の光が、気持ちの良い目覚めを演出する。
「ふわぁ~あ。もう朝か……」
大きな欠伸と共に身体を起こす少年。
三日間の演習による若干の疲労感が全身に残るものの、今日も体調は概ね良好。
そう自身のコンディションを把握したアウルは、ベッドから腰を下ろす。
今日は久々の休日。
演習やら訓練やらでほぼ毎日王宮へと出向いてたアウルにとって、オフの日というものはとても貴重であったのだ。
(まあ、これといってすることもないんだけどね…。今日は久々にハーティス食堂にでも顔を出してみようかなぁ。もう一ヶ月くらいライカに会ってないし)
自室を出たアウルは一階へ下りる階段を歩きながら、今日の予定を脳内で組み立てる。
そして、シャワーを浴びようかとそのままリビングへと足を踏み入れた。
「おはよう、アウル」
「あぁ、おはよう」
キッチンの方から聞こえた声に対し、アウルは反射的に挨拶を返してしまう。
(…………え?)
少年は耳を疑う。今、この家には自分以外住んで居ない筈。
(ど、どういう事……?)
続けて疑ったのは、目。
声が聞こえた方を見てみると、自身と同じ位の年齢の見知らぬ少女がキッチンで料理をしていたのだ。
「朝ごはん、アウルの好きなベーコン切らしてたからハムで代用してるけど、いいよね?」
もう何年も前からこの家に住んでいたかのような、違和感のない立ち振舞いで料理をする少女。
おまけに自身の食の嗜好についても当たり前に存じたようなその口振り。
「ちょっ、ちょっと待って……!」
「ん?」
アウルのその声に振り向いた少女。
サイドテールのラベンダーカラーの髪と、この場には似つかわしくない気品溢れる白黒のドレスに身を包んだどこかの令嬢のような出で立ち。
目鼻立ちがくっきりとし、生気を感じさせないほどに透き通ったマネキンのように白い素肌。可憐でありながらどこか儚げにも見える容貌のその少女は、少年にとっては完全に初対面であった。
「あの、キミは……誰?」
山のように積もった疑問から、一番の謎をアウルはまず問い質した。
「私? エリスだよ? なんで?」
『どうしてそんな事を聞くの?』とでも言いたげな表情で返す少女。
アウルは頭が混乱しそうになるのを堪えながら、続けて疑問を唱える。
「えっと……エリス。なんで、俺の家に?」
「んー? 私はずっとこの家に居たよ?」
調理を続けながら、少女はそう答えてみせた。
疑問を解消すべくアウルは質問をしたのだが、その返答によって謎は更に深まっていくばかり。
次は何を訊けばいいのだろうかと悶々としていた少年を余所に、朝食はあっという間に完成を迎えてしまう。
コンソメベースの野菜スープと、ハムと玉子を焼いて味付けをしただけのものと、朝食らしい簡素なメニューが食卓テーブルの上に乗せられる。
「アウル、出来たよ。一緒に食べよ?」
先にイスに座った少女が、優しくそう言う。
並べられた朝食は紛れもなく朝食。
"美味しそう"。素直にそう思ってしまったアウルは、大人しく席についた。
「いただきまーす!」
「いただき……ます」
元気良く食事の開始を告げた少女に対し、明らかな動揺を見せながらアウルが続く。
念のため少女が先に料理を口にしたのを確認してから、続けてアウルも口に運ぶ。
(……おいしい)
まるで自分の舌に合わせたかのように食べ慣れたその味付けは、違和感の無さが違和感を呼ぶという矛盾したものだった。
「どう? おいしいでしょ?」
「うん、おいしい……よ」
正面に座る少女が、ニコニコとした表情で感想を求めてくる。
嘘を言っても仕方がないので、アウルも正直に伝えた。
「ごちそうさまー!」
「……ごちそうさま」
結局、あれよあれよとあっという間に食べ終えてしまったアウル。
満腹感を余韻に残しながら、質疑応答を再開させる。
「エリス。キミは、いつからここに居たの?」
アウルは、先程の返答を鑑みた上での質問をぶつけた。
「…………」
この問いには、流石の少女も答えるのを躊躇う様子を見せていた。
そして少しだけ詰まらせた後、エリスはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……私ね、アウルの中にずっと居たの」
「――っ!」
それだけの答えでアウルは悟った。
そう、目の前に座る少女は――。
「……魔神、なの? エリスは」
「その呼び方はキライ」
プイッとそっぽを向く少女。
"魔神"というのは便宜上で人間が定めた呼称なだけであって、本来は単なるマナの集合体に近い生命体だったのだ。
(この子が……俺の中の魔神っ!)
しかしアウルにとっては、“魔神”だというその認識だけで充分。
積もり積もっていた怨嗟をぶつけるに値する相手だというのは、間違いではなかった。
「エリス、答えろ……! なんで、俺の体に居るんだ?」
怒りを押し殺したような声で、少年が問う。
対し、少女は冷静を一貫させて答える。
「さあね。私が"意識"を持ったのはアウルが十歳になった時だもん。それまでの出来事なんて知らないよ。ちなみに、こうやって姿を"具現化"できたのは今日が初めて」
積年の謎を解決するには至らない回答。
しかし、次に何を言うかアウルは既に決めていた。
勢い良く立ち上がり、少女が着るドレスの襟を乱暴に掴み、床へ強く押し倒す――。
「出てけよ! 俺の体からっ……!」
「……やだ」
少年の懇願に近い要求。
少女の駄々をこねたような返答。
「~~~~っっ!」
怒りにうち震え、気の動転を見せるアウル。
馬乗りの体勢のまま、少女の細首を両手で掴む。
「殺そうとしてもムダだよ。アウルも死ぬことになる。だから、これから仲良くしよ? ね?」
手に込めようとしていた力が霧散していく。
「くそっ……!」
諦めたアウルはそれだけを吐き捨て、手を離し身体を起こそうとする。
すると少女は、蛇が巻き付きでもするかのようにアウルの胴体へ両脚をホールドさせる。
そして、意地の悪い笑みを浮かべながら――。
「せっかく"表"に出てこれたんだから、私の事好きに使えば良いじゃない。アウルの好みの姿にしてあげたんだよ?」
不可解な言い回し。
唐突にも程があるその誘惑。
先程までの怒りはとうに消え失せ、アウルは顔を赤らめる。
「な、何言って……」
拘束を解こうと、少年は力ずくで身体を起こそうとする。
しかし、その細い脚からは考えられない程の力で抑え込まれてしまい、身動きが取れない。
更に少女はアウルの後頭部を掴み、抱き寄せるように自身の顔へとアウルの顔面を近付ける。
(近っ――!)
少女が先程述べた"好みの姿"というのは事実で、エリスの見目形はアウルが理想像としていた同世代の少女の容姿そのものだったのだ。
そのような相手と目と鼻の先にまで接近した事により、アウルの動揺の振り幅は最高潮にまで達する。
「ねえ、キスしよっか?」
「ちょっ! やめっ……!」
即答し、無理に顔を背けようとするアウル。
「もしかして初めて?」
「……っ!」
問われたことにより、約半年前に玄関先で起きたカレリアとのワンシーンが、アウルの脳裏を過る。
「いや、その……初めて、じゃないけど」
「うん、知ってるよ。カレリアちゃんだっけ? 大人の女性とするなんてアウルも中々やるね~」
「なんで知って……!? ――っ!」
疑問を口にしながら、アウルは自ら察する。
そう、エリスはアウルの体内で意識を持ってからのこれまでの間、少年の身に起きた出来事全てを把握していた。
いや、それだけではない。自身の理想とする料理の味や容姿など、アウルの性格趣味嗜好全てを把握した上で、少女は実現してみせたのだ。
「……アウルの事なら何でも知ってるよ? アウル以上にね」
少年の背筋が凍る。
少女は笑顔で続けた。
「アウル、ずっと合ってたけど、ずっと会いたかったよ。これからも……ずっと一緒だからね」
日常が、砕ける音がした。
昨日とはうって変わって晴れ上がった姿を覗かせる空。
自室の窓から優しく降り注ぐ暖かな日の光が、気持ちの良い目覚めを演出する。
「ふわぁ~あ。もう朝か……」
大きな欠伸と共に身体を起こす少年。
三日間の演習による若干の疲労感が全身に残るものの、今日も体調は概ね良好。
そう自身のコンディションを把握したアウルは、ベッドから腰を下ろす。
今日は久々の休日。
演習やら訓練やらでほぼ毎日王宮へと出向いてたアウルにとって、オフの日というものはとても貴重であったのだ。
(まあ、これといってすることもないんだけどね…。今日は久々にハーティス食堂にでも顔を出してみようかなぁ。もう一ヶ月くらいライカに会ってないし)
自室を出たアウルは一階へ下りる階段を歩きながら、今日の予定を脳内で組み立てる。
そして、シャワーを浴びようかとそのままリビングへと足を踏み入れた。
「おはよう、アウル」
「あぁ、おはよう」
キッチンの方から聞こえた声に対し、アウルは反射的に挨拶を返してしまう。
(…………え?)
少年は耳を疑う。今、この家には自分以外住んで居ない筈。
(ど、どういう事……?)
続けて疑ったのは、目。
声が聞こえた方を見てみると、自身と同じ位の年齢の見知らぬ少女がキッチンで料理をしていたのだ。
「朝ごはん、アウルの好きなベーコン切らしてたからハムで代用してるけど、いいよね?」
もう何年も前からこの家に住んでいたかのような、違和感のない立ち振舞いで料理をする少女。
おまけに自身の食の嗜好についても当たり前に存じたようなその口振り。
「ちょっ、ちょっと待って……!」
「ん?」
アウルのその声に振り向いた少女。
サイドテールのラベンダーカラーの髪と、この場には似つかわしくない気品溢れる白黒のドレスに身を包んだどこかの令嬢のような出で立ち。
目鼻立ちがくっきりとし、生気を感じさせないほどに透き通ったマネキンのように白い素肌。可憐でありながらどこか儚げにも見える容貌のその少女は、少年にとっては完全に初対面であった。
「あの、キミは……誰?」
山のように積もった疑問から、一番の謎をアウルはまず問い質した。
「私? エリスだよ? なんで?」
『どうしてそんな事を聞くの?』とでも言いたげな表情で返す少女。
アウルは頭が混乱しそうになるのを堪えながら、続けて疑問を唱える。
「えっと……エリス。なんで、俺の家に?」
「んー? 私はずっとこの家に居たよ?」
調理を続けながら、少女はそう答えてみせた。
疑問を解消すべくアウルは質問をしたのだが、その返答によって謎は更に深まっていくばかり。
次は何を訊けばいいのだろうかと悶々としていた少年を余所に、朝食はあっという間に完成を迎えてしまう。
コンソメベースの野菜スープと、ハムと玉子を焼いて味付けをしただけのものと、朝食らしい簡素なメニューが食卓テーブルの上に乗せられる。
「アウル、出来たよ。一緒に食べよ?」
先にイスに座った少女が、優しくそう言う。
並べられた朝食は紛れもなく朝食。
"美味しそう"。素直にそう思ってしまったアウルは、大人しく席についた。
「いただきまーす!」
「いただき……ます」
元気良く食事の開始を告げた少女に対し、明らかな動揺を見せながらアウルが続く。
念のため少女が先に料理を口にしたのを確認してから、続けてアウルも口に運ぶ。
(……おいしい)
まるで自分の舌に合わせたかのように食べ慣れたその味付けは、違和感の無さが違和感を呼ぶという矛盾したものだった。
「どう? おいしいでしょ?」
「うん、おいしい……よ」
正面に座る少女が、ニコニコとした表情で感想を求めてくる。
嘘を言っても仕方がないので、アウルも正直に伝えた。
「ごちそうさまー!」
「……ごちそうさま」
結局、あれよあれよとあっという間に食べ終えてしまったアウル。
満腹感を余韻に残しながら、質疑応答を再開させる。
「エリス。キミは、いつからここに居たの?」
アウルは、先程の返答を鑑みた上での質問をぶつけた。
「…………」
この問いには、流石の少女も答えるのを躊躇う様子を見せていた。
そして少しだけ詰まらせた後、エリスはゆっくりと言葉を紡ぐ。
「……私ね、アウルの中にずっと居たの」
「――っ!」
それだけの答えでアウルは悟った。
そう、目の前に座る少女は――。
「……魔神、なの? エリスは」
「その呼び方はキライ」
プイッとそっぽを向く少女。
"魔神"というのは便宜上で人間が定めた呼称なだけであって、本来は単なるマナの集合体に近い生命体だったのだ。
(この子が……俺の中の魔神っ!)
しかしアウルにとっては、“魔神”だというその認識だけで充分。
積もり積もっていた怨嗟をぶつけるに値する相手だというのは、間違いではなかった。
「エリス、答えろ……! なんで、俺の体に居るんだ?」
怒りを押し殺したような声で、少年が問う。
対し、少女は冷静を一貫させて答える。
「さあね。私が"意識"を持ったのはアウルが十歳になった時だもん。それまでの出来事なんて知らないよ。ちなみに、こうやって姿を"具現化"できたのは今日が初めて」
積年の謎を解決するには至らない回答。
しかし、次に何を言うかアウルは既に決めていた。
勢い良く立ち上がり、少女が着るドレスの襟を乱暴に掴み、床へ強く押し倒す――。
「出てけよ! 俺の体からっ……!」
「……やだ」
少年の懇願に近い要求。
少女の駄々をこねたような返答。
「~~~~っっ!」
怒りにうち震え、気の動転を見せるアウル。
馬乗りの体勢のまま、少女の細首を両手で掴む。
「殺そうとしてもムダだよ。アウルも死ぬことになる。だから、これから仲良くしよ? ね?」
手に込めようとしていた力が霧散していく。
「くそっ……!」
諦めたアウルはそれだけを吐き捨て、手を離し身体を起こそうとする。
すると少女は、蛇が巻き付きでもするかのようにアウルの胴体へ両脚をホールドさせる。
そして、意地の悪い笑みを浮かべながら――。
「せっかく"表"に出てこれたんだから、私の事好きに使えば良いじゃない。アウルの好みの姿にしてあげたんだよ?」
不可解な言い回し。
唐突にも程があるその誘惑。
先程までの怒りはとうに消え失せ、アウルは顔を赤らめる。
「な、何言って……」
拘束を解こうと、少年は力ずくで身体を起こそうとする。
しかし、その細い脚からは考えられない程の力で抑え込まれてしまい、身動きが取れない。
更に少女はアウルの後頭部を掴み、抱き寄せるように自身の顔へとアウルの顔面を近付ける。
(近っ――!)
少女が先程述べた"好みの姿"というのは事実で、エリスの見目形はアウルが理想像としていた同世代の少女の容姿そのものだったのだ。
そのような相手と目と鼻の先にまで接近した事により、アウルの動揺の振り幅は最高潮にまで達する。
「ねえ、キスしよっか?」
「ちょっ! やめっ……!」
即答し、無理に顔を背けようとするアウル。
「もしかして初めて?」
「……っ!」
問われたことにより、約半年前に玄関先で起きたカレリアとのワンシーンが、アウルの脳裏を過る。
「いや、その……初めて、じゃないけど」
「うん、知ってるよ。カレリアちゃんだっけ? 大人の女性とするなんてアウルも中々やるね~」
「なんで知って……!? ――っ!」
疑問を口にしながら、アウルは自ら察する。
そう、エリスはアウルの体内で意識を持ってからのこれまでの間、少年の身に起きた出来事全てを把握していた。
いや、それだけではない。自身の理想とする料理の味や容姿など、アウルの性格趣味嗜好全てを把握した上で、少女は実現してみせたのだ。
「……アウルの事なら何でも知ってるよ? アウル以上にね」
少年の背筋が凍る。
少女は笑顔で続けた。
「アウル、ずっと合ってたけど、ずっと会いたかったよ。これからも……ずっと一緒だからね」
日常が、砕ける音がした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる