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High voltage
52話 勇みと説得と遁走と
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アウルとエリスが外へ出ようとしたタイミングで店に現れたのは、アウルと同期の新兵のパシエンスだった。
途切れ途切れの荒息に、衣服と髪が煤と返り血に染まり、更には大量の汗が混ざったひどく汚れた姿での来店。
彼が何か良からぬ事態に巻き込まれ、急いでここまで駆け付けてきた様子だというのは明白で、少なくとも食事をする為にハーティス食堂に訪れたわけではないのも確かだろう――。
「ど、どうしたのパシエンス? そんなに慌てて……」
突然の登場に面を食らいつつ、アウルが訊く。
「急になんだアイツ……てか、久々に見たな」
厨房で調理をしていたライカも、驚きのあまり手が止まる。彼とパシエンスが会うのは卒業式以来、実に四ヶ月ぶりだったからだ。
(――――認識――――)
「はあ、はあ、アウリスト……と、エリスちゃん! ここにいたのか! 二人とも今から俺と一緒に東門前広場に来てくれ!」
驚く二人とは反し、エリスは至って冷静だった。
少女は視線と視線がぶつかった直後の刹那で空かさず特性を使い、一瞬の内に認識を刷り込ませる早業を披露していたのだ。
「パシエンスくん? 何かあったの?」
前々から知り合いだったと言わんばかりに、エリスは違和感のない返答をする。
「とりあえず、説明は後でするから……来てくれよ! 頼む!」
彼の声と表情からは焦燥感がありありと。
しかし、なんの状況説明もないまま共に向かうのは危険だと、アウルは冷静に判断した。
「落ち着いて、パシエンス。まず何があったか教えてよ」
馬でも宥めるかのように、落ち着いた声色で説明を要求する。
「はあ、はあ……いきなりで悪りぃ。でも細かく説明してる暇はねぇんだ。このままだと、リフトレイがネスロイドに……!」
アウルの言葉によって少しだけ冷静になることができたパシエンスは、大量の二酸化炭素を混じらせながら仲間の危機を報せる。
しかし、話の掻い摘まむ量が少なすぎるため、アウルは事態を把握することができず。
「アイネが、ピリムに……?」
「そうだ、このままじゃ殺されちまう……!」
「――っ!?」
少年は仰天とする。だが、次第に胸中では疑念が募っていく。
(どういうことだ……? でも、嘘を言っているようには……)
任務以外でも普段から行動を共にしていたピリムとアイネ。
『仲が良すぎる』と言っていいほど友情が根強かった少女二人が、何故そんな状況に――と、アウルは頭ごなしにまず疑った。
しかしその話の信憑性の有無は、パシエンスの必死な形相から嫌という程に伝わってくる。
結果として、アウルの取った判断は――。
「……わかったよ。パシエンス、一緒に行こう」
――仲間の言葉を信じることだった。
本来であれば経緯などを先に聞き出しておきたい所であったが、悠長にしてもいられない。そう思い、アウルは共に向かう事を決意したのだ。
「怪我してるってのに……すまねえアウリスト。恩に切るぜ」
心からの礼を告げ、パシエンスは開いたままだった入り口を飛び出し再び外へと躍り出す。
「ちょっとアウル……デートは……」
先に出たパシエンスに続いてアウルは後を追おうとしたが、着ていたベージュのシャツの袖を、エリスに掴まれてしまう。
振り向くと、少女の表情には不満の色が滲み出ていた。
しかし、想いを汲んでいる暇など無い。
「友達が危険な目に遭ってるかも知れないって時に、そんな事してる暇ないよ!」
アウルは約束を破る事に対し若干の後ろ髪を引かれる思いはあったが、断ち切ってみせた。
「……"そんな事"なんて言わないでよ」
俯き気味でエリスがぼそりと呟く。
「ごめん。でも本当に大事なことなんだ。この埋め合わせは必ずするから……俺に着いてきてくれ、エリス」
「……うん」
頭を優しく撫で、諭す少年。
撫でられ、諭され、大人しくなる少女。
その光景は、仮初めの兄妹ではあるがなんとも慈しみに溢れていた。
「アウル! 俺も行きたい気持ちは山々なんだが……あいにく店を空ける事はできねえ。状況は良くわからねえが、無理だけはすんなよ!」
「ありがとう、ライカ。行ってくるよ」
厨房に立ったままの友人からの激励にアウルは応えると、エリスと共に店を後にした。
◇◆◇◆
「ちょ、お前ら! 速すぎだって……! 俺にペースを合わせてくれよぉ!」
電光石火の如きスピードで先を走る二人の背中へ、パシエンスが声をぶつける。
「「…………」」
住宅街の中、並走するアウルとエリスは顔を見合わせた。
エリスは『気にせず急ごう』と、光の灯らない真っ黒な瞳を動かし意思を表すが、アウルは手を横に振るジェスチャーで返答。
(無視して先に行けばいいのに……緊急事態なんでしょ?)
エリスはアウルのお人好し加減に小さく溜め息をついた後、先に減速をした少年に倣ってスピードを緩める。
「くそっ、こっちは既に相当走ってきてんだ! 気ぃ使えよ!」
二人になんとか追い付いたパシエンスが、詰まりそうになる息を振り絞り、苦言を口にする。
「パシエンス。走りながらで良いから、状況を簡単に説明してくれ」
隣で走るアウルから、改めての要求。
ただでさえ疲弊しきっているのに走りながら会話なんてできるか、とパシエンスは文句を垂れようとするが、説明を待つアウルに両目をじっと見据えられ圧力に屈してしまう。
「……わぁーったよ! くそ、どこから話すかな――」
◇◆◇◆
――時間を少しだけ遡り、東門前広場。
広場中を飛び交う悲鳴。
最初は興味本位で少女二人の争いを見に来ていた市民達であったが、止めに入った兵士の身体が弾け飛んだ途端、ようやく事態の深刻さを察することができた。
人だかりになっていた野次馬の群れはたちまちと、蜘蛛の子でも散らしたかのよう一目散に逃げ惑う。
結果として、昼時だというのに蛻の空と化してしまった広場。
そんな中、少女二人は――。
『あはっ、アイネぇ、どうしたのー? さっきから逃げてばっかりじゃない』
感情の昂りにより、口調すらも変わってしまったピリム。
距離をとり間合いをはかろうとするアイネの身体に触れようと、執拗に追い掛ける。
(どうしたらいいの……? ピリムとなんて戦えないよ……!)
必死に間合いを保ち、思い巡らせるアイネ。
少女に戦闘をする意思はない。かといって、逃げる訳にもいかないのが現状。
(アウルくんさえ来てくれたら……もしかすると)
そんなのっぴきならない状況の中アイネは、ピリムが自身以外で"必要"と言ったアウルに対し、一筋の希望を抱いていた。
しかし同じアーカム市と言えど、広場からアウルの自宅までは相当離れているのだ。
思い描いた都合の良い展開など起こるはずもなかった。
『いい加減、戦わないと……殺されちゃうよ? 良いの? アイネぇ』
ピリムが兵士を殺害してから、優に数分は経過。
一向に接近できる気配が無いと見たピリムは、狂い果てた思考で策を巡らせ――。
(――"イグニート"――)
掌から再びの豪炎が放たれるが、間合いの中心には先程と同様に、アイネが光で形成した透明のレンズが――。
屈折。
狙いは再び逸れ、後方へ。
だがピリムは術を放ったと同時に、アイネへと向かう炎の陰へ隠れるように間合いを詰めていた。
『――っ!』
瞬く間に接近。
そして腕を掴む。
しかし、手に伝わるは文字通りの空を掴む感覚。
『えっ?』
アイネの姿は虚像。
掴もうとした細腕のみならず、その全身が蜃気楼のように実体が無かったのだ。
『――こっちだよ』
光で作り出した虚像が音もなく消え去る。
声が聞こえたのは背後。
振り向くと、やや離れた位置にアイネは佇んでいた。
『……やるじゃーん。さすがアタシのアイネ♪』
『…………』
企てた作戦が失敗に終わった少女だが、特に憤慨をしたりする様子は見せず。
それどころか力を存分に発揮し、アイネへとぶつけているこの状況を愉しんでいるようにも見えた。
(ピリム、一体どうしちゃったの……?)
一方で、アイネは悩む。
どうすれば少女の正気を取り戻せるか、と。
『アイネもアタシを攻撃して良いんだよ? 思いっきり戦おうよ?』
思いあぐねるアイネを追い詰めるように、闘争本能を滾らせた少女は言う。
身体の内から溢れ出る邪なる力が、人格さえも歪ませてしまっていた。
『私達が戦って……何になるの?』
『なに? 理由? いるの? 楽しいでしょ? 楽しくない?』
問い掛けに対し、ピリムは血走った眼で答え、捲し立てる。
『私は……楽しくないよ。ピリムと戦っても』
『どうしてそんなこと言うの? アタシね、ずっと強くなりたかったんだよ? アイネやアウルみたいにさ』
激情の奔流の中、少女は本音をさらけ出す。
『……知ってるよ。ピリムが今まで頑張ってたの、私ずっと隣で見てたもん』
アイネはフォローをするが、その言葉と想いは、今の少女には届かず。
『アタシには才能もないし、魔女の力や魔神の血なんてものは無いの。だから自分なりに努力して、勉強して、二人と肩を並べても恥ずかしくならないよう今まで頑張ってきた……!』
常日頃から心の内側に隠していた本心。
溜めに溜め込んでいたフラストレーションが、遂に爆ぜる。
『でも……無理だった! どんなに頑張っても、やっぱりアイネ達に追い付くことなんて出来なかった!』
『そんなこと……ない! ピリムは、強いよ?』
『ヤメテよ! 甘やかさないで! なんでいつもそうやって……みんなアタシを甘やかすの!?』
『ピリム……』
開いた瞳孔の笑顔。
しかし、眼からは涙が止めどなく。
『アイネは強くなろうとしてるアタシをいつも甘やかして遊びに連れ出すし、アウルはアタシの力を頼ってくれない上に、いつもアタシの分まで敵を倒そうとする……! パパも、いつもアタシの事ばかり気にかけて……テストで悪い点取っても、任務であまり良い評価が無くても、一回も叱ってくれない!』
ピリムは行き場の無かった鬱憤を、目の前の少女へ烈火の如く浴びせる。
『お願いだから……私を甘やかさないで……!』
『…………ゴメン』
かける言葉が見付からず、アイネは謝罪の言葉を漏らす。
ピリムの精神をここまで追い込んだのは自分にも原因がある、と省みた結果だった。
しかし、そこで――。
『――いいや! リフトレイ、お前は悪くねえ。謝る必要なんてねえぞ!』
どこからともなく唐突に聞こえた少年の声が、二人の間に流れる空気を一変とさせる。
『『――っ!』』
二人が同時に見やった先に立っていたのはパシエンスだった。
普段の彼の性格を知っている二人からすれば、相方の兵士が死亡した時点で彼は既に市民と共に逃げていたとばかり思っていた。
しかし今まで物陰にでも隠れていたのか、そのあまりにも突然すぎた登場に不意を衝かれ、同時に言葉を失ってしまう。
そして驚くピリムとアイネを余所に、少年は続ける――。
『あのなぁネスロイド。まず言わせてもらうけどよ、お前は俺に比べりゃ充分優秀だし、才能もある! それなのに自分は恵まれてない、っていう言い方はずるいし、リフトレイを責めるのはお門違いにも程があるぞ!』
『……なによソレ? フォローのつもり? 別にあんたと比べるつもりなんて最初から無いし』
少年からの言葉に対しピリムは、まるで眼中にないとでも言わんばかりに、冷たく言い放つ。
『うっ……そういうことじゃなくてだな……』
少女からのひんやりとした威圧感にパシエンスはたじろぐ。
しかし気圧されてなるものかと奮起し、言い返す。
『お、俺なんて……! 魔術の素養なんて全然からっきしだしよ、お前やアウリストのような立派な親もいねえんだ!』
『は……? 結局何が言いたいのよ?』
段々と苛々の度合いが高まってきたピリムが、話の結論を急かす。
『だからよ……人間、目標に向かって努力を続ければ必ず報われる、ってことだよ! 元々剣の才すら無かった俺が、剣術トーナメントで優勝し、軍に入隊を認められるまで強くなれたのは、地道にひたすら頑張ることを辞めなかった結果だ! つまり、その、なんだ……』
声を大にして自身の啓発論を語るパシエンスだったが、急に口ごもってしまう。
『はあ……要するに、アタシが目標に辿り着けず報われないのは、"努力が足りないから"ってあんたは言いたいのね?』
溜め息と共に、パシエンスが言いにくそうにしていた結論となる部分をピリムが紡いだ。
『お、おう! それ、だよ……わかってくれたか』
『わかんないわよ』
『へ……?』
(――"イグニート"――)
ピリムが否定の言葉と同時に翳した掌から放ったのは、迸る豪炎。
説得を試み、心へと届いていたとばかり思っていた少年は警戒など全くしておらず、向かってくる炎を避ける動作が間に合わない。
(あ……これヤバくね?)
当然、少年は死を覚悟。しかし、むわりとした熱気が鼻先に触れた辺りで、右肩へ何かがぶつかるような衝撃。
『――っ!?』
衝撃の正体は、アイネ。
彼女がパシエンスを真横から突き飛ばしたのだ。
『お、おいリフトレイ! お前――』
突き飛ばされ、石畳に尻餅をついたパシエンスが思わず口にする。
咄嗟の判断で身を呈し、パシエンスを守ったアイネではあったが、自身の回避までは間に合わなかったのだ。
『――っ! あっつ……!』
迫り来る業火に僅かばかり背中が触れてしまい、直撃は免れたものの肩から腰にかけて大きく身を焦がす羽目となってしまう。
『ううっ……!』
四つん這い気味に倒れ、背中が焼ける傷みに笑顔をしかめ、小さく呻くアイネ。
『リフトレイ……大丈夫かよ、オイ!』
すぐに立ち上がり、おろおろと心配の声を上げながらパシエンスはアイネの容態を確認する。
彼女の着ていた薄手のローブは焼け、赤黒く爛れた背中が露わとなっていた。
その深刻なダメージにパシエンスは目を丸くし、徐々に後悔の感情が芽生えていく。
『ちくしょうっ、どうすれば……!』
『とりあえず……うるさいから黙ってて欲しいかなぁ』
『!?』
額から汗を流し、息も絶え絶えながら、アイネは毒づく。
『助けにきて勇んでみるなりピンチって……キミさ、ほんとにダメな子だよねぇ……』
『すまん、マジで面目ねえ。でもよ、助けてもらっておいてこう言うのはアレだけど……お前、俺のこと嫌いじゃなかったのか……』
『うん、めっちゃくちゃキライだよぉ。弱いし、すぐ調子に乗るくせに弱いし』
にぱっ、と笑顔で罵倒するアイネ。
『弱いって二回言うなよお! つか、嫌いならなんで助けたんだよ……』
『ピリムにこれ以上誰も傷付けて欲しくないから……だよ。あとキミ、ナザロでピリムのこと助けてくれたよね? あのときのお返し……とでも言っておくね』
『――っ!』
サバイバル演習の時の光景が、少年の脳裏に蘇る。
『……な、仲間のピンチなんだから助けるのは当たり前だろ? お前は、弱っちい俺のことなんざ仲間だと思っちゃいねえかもしんねえけどよ』
『あはは、自分の価値を良くお分かりで』
『そこはせめて濁してくれよ! いい加減泣くぞ!? てか、お前意外と余裕あるな!』
と、場に相応しくない軽快な掛け合いをする二人の少年少女へ、今度はピリムが割って入る。
『……アイネの言った通り、アンタの価値なんて所詮その程度なのよ。身の程がわかったんなら、さっさとここから消えることね』
『くっ……!』
反論は出来なかった。自身の力不足によってもたらされた結果が、膝元でうずくまるアイネの姿だからだ。
(ちくしょうっ……! 俺は一体どうしたら……)
説き伏せるには説得力が、捩じ伏せるにも実力が足らず。
八方塞がりと化してしまった状況に、少年は逡巡とする。
『今逃げるんなら、あんたは生かしといてあげる。別にあんたが生き延びようとアタシには無関係だからね』
『…………っ!』
ピリムはそう言うが、パシエンスに逃げる気などさらさら無かった。
いや、本当は逃げ出したい筈だったのだが、少年に残された僅かなプライドがそれを邪魔していたのだ。
『――ねえ、パシエンスくん。お願いがあるんだけど、いい?』
『……?』
狼狽する少年へ、アイネがうずくまった体勢のまま声を掛ける。
『返事はしなくて……いいよ。今からちょっと逃げてもらえるかな?』
(――っ!?)
吐息混じりの囁き声で提案するアイネに対し、パシエンスは無言で驚く。
『なに急に黙り込んでんのよ……? 逃げるならさっさとしてよね』
5ヤールトほど間合いがある位置にいるピリムにはアイネの声は聞こえておらず、急に押し黙ったパシエンスを怪訝に思う。
対し、策が露呈するのを危惧したアイネは傍らに立つパシエンスへと、率直に要求を告げる。
『……良く聞いてね。キミはこれから逃げるフリをして、アウルくんを呼んできてほしいの』
(――アウリストを!?)
仲間とは認めつつも、常にライバル心を焦がしていた相手を求める声。
少年の自尊心はみるみる内に崩壊していく。
『パシエンスくんお願い……呼んできて』
(ちくしょう……俺じゃやっぱり……ダメなのか)
脳内で繰り返される幾度とない葛藤の末、少年が選んだのは――。
『――なんだ、結局逃げるんじゃん。ダッサ……』
広場から遁走し、敗残兵の如く遠くなっていくパシエンスの背中を見送り、ピリムが呆れを漏らす。
『確かに……ダサいよね、彼。ホント何しに来たんだろ』
よろけながらもゆっくりと立ち上がり、同意をするアイネ。
表情は笑んだままだが、苦悶の色も窺える。
重度の火傷によるダメージは相当深刻なようだ。
『それじゃ、邪魔者は居なくなったことだしっ、また遊ぼ! アーイネっ♪』
ピリムは再び狂気的な笑顔を覗かせ、アイネへと襲い掛かる――。
途切れ途切れの荒息に、衣服と髪が煤と返り血に染まり、更には大量の汗が混ざったひどく汚れた姿での来店。
彼が何か良からぬ事態に巻き込まれ、急いでここまで駆け付けてきた様子だというのは明白で、少なくとも食事をする為にハーティス食堂に訪れたわけではないのも確かだろう――。
「ど、どうしたのパシエンス? そんなに慌てて……」
突然の登場に面を食らいつつ、アウルが訊く。
「急になんだアイツ……てか、久々に見たな」
厨房で調理をしていたライカも、驚きのあまり手が止まる。彼とパシエンスが会うのは卒業式以来、実に四ヶ月ぶりだったからだ。
(――――認識――――)
「はあ、はあ、アウリスト……と、エリスちゃん! ここにいたのか! 二人とも今から俺と一緒に東門前広場に来てくれ!」
驚く二人とは反し、エリスは至って冷静だった。
少女は視線と視線がぶつかった直後の刹那で空かさず特性を使い、一瞬の内に認識を刷り込ませる早業を披露していたのだ。
「パシエンスくん? 何かあったの?」
前々から知り合いだったと言わんばかりに、エリスは違和感のない返答をする。
「とりあえず、説明は後でするから……来てくれよ! 頼む!」
彼の声と表情からは焦燥感がありありと。
しかし、なんの状況説明もないまま共に向かうのは危険だと、アウルは冷静に判断した。
「落ち着いて、パシエンス。まず何があったか教えてよ」
馬でも宥めるかのように、落ち着いた声色で説明を要求する。
「はあ、はあ……いきなりで悪りぃ。でも細かく説明してる暇はねぇんだ。このままだと、リフトレイがネスロイドに……!」
アウルの言葉によって少しだけ冷静になることができたパシエンスは、大量の二酸化炭素を混じらせながら仲間の危機を報せる。
しかし、話の掻い摘まむ量が少なすぎるため、アウルは事態を把握することができず。
「アイネが、ピリムに……?」
「そうだ、このままじゃ殺されちまう……!」
「――っ!?」
少年は仰天とする。だが、次第に胸中では疑念が募っていく。
(どういうことだ……? でも、嘘を言っているようには……)
任務以外でも普段から行動を共にしていたピリムとアイネ。
『仲が良すぎる』と言っていいほど友情が根強かった少女二人が、何故そんな状況に――と、アウルは頭ごなしにまず疑った。
しかしその話の信憑性の有無は、パシエンスの必死な形相から嫌という程に伝わってくる。
結果として、アウルの取った判断は――。
「……わかったよ。パシエンス、一緒に行こう」
――仲間の言葉を信じることだった。
本来であれば経緯などを先に聞き出しておきたい所であったが、悠長にしてもいられない。そう思い、アウルは共に向かう事を決意したのだ。
「怪我してるってのに……すまねえアウリスト。恩に切るぜ」
心からの礼を告げ、パシエンスは開いたままだった入り口を飛び出し再び外へと躍り出す。
「ちょっとアウル……デートは……」
先に出たパシエンスに続いてアウルは後を追おうとしたが、着ていたベージュのシャツの袖を、エリスに掴まれてしまう。
振り向くと、少女の表情には不満の色が滲み出ていた。
しかし、想いを汲んでいる暇など無い。
「友達が危険な目に遭ってるかも知れないって時に、そんな事してる暇ないよ!」
アウルは約束を破る事に対し若干の後ろ髪を引かれる思いはあったが、断ち切ってみせた。
「……"そんな事"なんて言わないでよ」
俯き気味でエリスがぼそりと呟く。
「ごめん。でも本当に大事なことなんだ。この埋め合わせは必ずするから……俺に着いてきてくれ、エリス」
「……うん」
頭を優しく撫で、諭す少年。
撫でられ、諭され、大人しくなる少女。
その光景は、仮初めの兄妹ではあるがなんとも慈しみに溢れていた。
「アウル! 俺も行きたい気持ちは山々なんだが……あいにく店を空ける事はできねえ。状況は良くわからねえが、無理だけはすんなよ!」
「ありがとう、ライカ。行ってくるよ」
厨房に立ったままの友人からの激励にアウルは応えると、エリスと共に店を後にした。
◇◆◇◆
「ちょ、お前ら! 速すぎだって……! 俺にペースを合わせてくれよぉ!」
電光石火の如きスピードで先を走る二人の背中へ、パシエンスが声をぶつける。
「「…………」」
住宅街の中、並走するアウルとエリスは顔を見合わせた。
エリスは『気にせず急ごう』と、光の灯らない真っ黒な瞳を動かし意思を表すが、アウルは手を横に振るジェスチャーで返答。
(無視して先に行けばいいのに……緊急事態なんでしょ?)
エリスはアウルのお人好し加減に小さく溜め息をついた後、先に減速をした少年に倣ってスピードを緩める。
「くそっ、こっちは既に相当走ってきてんだ! 気ぃ使えよ!」
二人になんとか追い付いたパシエンスが、詰まりそうになる息を振り絞り、苦言を口にする。
「パシエンス。走りながらで良いから、状況を簡単に説明してくれ」
隣で走るアウルから、改めての要求。
ただでさえ疲弊しきっているのに走りながら会話なんてできるか、とパシエンスは文句を垂れようとするが、説明を待つアウルに両目をじっと見据えられ圧力に屈してしまう。
「……わぁーったよ! くそ、どこから話すかな――」
◇◆◇◆
――時間を少しだけ遡り、東門前広場。
広場中を飛び交う悲鳴。
最初は興味本位で少女二人の争いを見に来ていた市民達であったが、止めに入った兵士の身体が弾け飛んだ途端、ようやく事態の深刻さを察することができた。
人だかりになっていた野次馬の群れはたちまちと、蜘蛛の子でも散らしたかのよう一目散に逃げ惑う。
結果として、昼時だというのに蛻の空と化してしまった広場。
そんな中、少女二人は――。
『あはっ、アイネぇ、どうしたのー? さっきから逃げてばっかりじゃない』
感情の昂りにより、口調すらも変わってしまったピリム。
距離をとり間合いをはかろうとするアイネの身体に触れようと、執拗に追い掛ける。
(どうしたらいいの……? ピリムとなんて戦えないよ……!)
必死に間合いを保ち、思い巡らせるアイネ。
少女に戦闘をする意思はない。かといって、逃げる訳にもいかないのが現状。
(アウルくんさえ来てくれたら……もしかすると)
そんなのっぴきならない状況の中アイネは、ピリムが自身以外で"必要"と言ったアウルに対し、一筋の希望を抱いていた。
しかし同じアーカム市と言えど、広場からアウルの自宅までは相当離れているのだ。
思い描いた都合の良い展開など起こるはずもなかった。
『いい加減、戦わないと……殺されちゃうよ? 良いの? アイネぇ』
ピリムが兵士を殺害してから、優に数分は経過。
一向に接近できる気配が無いと見たピリムは、狂い果てた思考で策を巡らせ――。
(――"イグニート"――)
掌から再びの豪炎が放たれるが、間合いの中心には先程と同様に、アイネが光で形成した透明のレンズが――。
屈折。
狙いは再び逸れ、後方へ。
だがピリムは術を放ったと同時に、アイネへと向かう炎の陰へ隠れるように間合いを詰めていた。
『――っ!』
瞬く間に接近。
そして腕を掴む。
しかし、手に伝わるは文字通りの空を掴む感覚。
『えっ?』
アイネの姿は虚像。
掴もうとした細腕のみならず、その全身が蜃気楼のように実体が無かったのだ。
『――こっちだよ』
光で作り出した虚像が音もなく消え去る。
声が聞こえたのは背後。
振り向くと、やや離れた位置にアイネは佇んでいた。
『……やるじゃーん。さすがアタシのアイネ♪』
『…………』
企てた作戦が失敗に終わった少女だが、特に憤慨をしたりする様子は見せず。
それどころか力を存分に発揮し、アイネへとぶつけているこの状況を愉しんでいるようにも見えた。
(ピリム、一体どうしちゃったの……?)
一方で、アイネは悩む。
どうすれば少女の正気を取り戻せるか、と。
『アイネもアタシを攻撃して良いんだよ? 思いっきり戦おうよ?』
思いあぐねるアイネを追い詰めるように、闘争本能を滾らせた少女は言う。
身体の内から溢れ出る邪なる力が、人格さえも歪ませてしまっていた。
『私達が戦って……何になるの?』
『なに? 理由? いるの? 楽しいでしょ? 楽しくない?』
問い掛けに対し、ピリムは血走った眼で答え、捲し立てる。
『私は……楽しくないよ。ピリムと戦っても』
『どうしてそんなこと言うの? アタシね、ずっと強くなりたかったんだよ? アイネやアウルみたいにさ』
激情の奔流の中、少女は本音をさらけ出す。
『……知ってるよ。ピリムが今まで頑張ってたの、私ずっと隣で見てたもん』
アイネはフォローをするが、その言葉と想いは、今の少女には届かず。
『アタシには才能もないし、魔女の力や魔神の血なんてものは無いの。だから自分なりに努力して、勉強して、二人と肩を並べても恥ずかしくならないよう今まで頑張ってきた……!』
常日頃から心の内側に隠していた本心。
溜めに溜め込んでいたフラストレーションが、遂に爆ぜる。
『でも……無理だった! どんなに頑張っても、やっぱりアイネ達に追い付くことなんて出来なかった!』
『そんなこと……ない! ピリムは、強いよ?』
『ヤメテよ! 甘やかさないで! なんでいつもそうやって……みんなアタシを甘やかすの!?』
『ピリム……』
開いた瞳孔の笑顔。
しかし、眼からは涙が止めどなく。
『アイネは強くなろうとしてるアタシをいつも甘やかして遊びに連れ出すし、アウルはアタシの力を頼ってくれない上に、いつもアタシの分まで敵を倒そうとする……! パパも、いつもアタシの事ばかり気にかけて……テストで悪い点取っても、任務であまり良い評価が無くても、一回も叱ってくれない!』
ピリムは行き場の無かった鬱憤を、目の前の少女へ烈火の如く浴びせる。
『お願いだから……私を甘やかさないで……!』
『…………ゴメン』
かける言葉が見付からず、アイネは謝罪の言葉を漏らす。
ピリムの精神をここまで追い込んだのは自分にも原因がある、と省みた結果だった。
しかし、そこで――。
『――いいや! リフトレイ、お前は悪くねえ。謝る必要なんてねえぞ!』
どこからともなく唐突に聞こえた少年の声が、二人の間に流れる空気を一変とさせる。
『『――っ!』』
二人が同時に見やった先に立っていたのはパシエンスだった。
普段の彼の性格を知っている二人からすれば、相方の兵士が死亡した時点で彼は既に市民と共に逃げていたとばかり思っていた。
しかし今まで物陰にでも隠れていたのか、そのあまりにも突然すぎた登場に不意を衝かれ、同時に言葉を失ってしまう。
そして驚くピリムとアイネを余所に、少年は続ける――。
『あのなぁネスロイド。まず言わせてもらうけどよ、お前は俺に比べりゃ充分優秀だし、才能もある! それなのに自分は恵まれてない、っていう言い方はずるいし、リフトレイを責めるのはお門違いにも程があるぞ!』
『……なによソレ? フォローのつもり? 別にあんたと比べるつもりなんて最初から無いし』
少年からの言葉に対しピリムは、まるで眼中にないとでも言わんばかりに、冷たく言い放つ。
『うっ……そういうことじゃなくてだな……』
少女からのひんやりとした威圧感にパシエンスはたじろぐ。
しかし気圧されてなるものかと奮起し、言い返す。
『お、俺なんて……! 魔術の素養なんて全然からっきしだしよ、お前やアウリストのような立派な親もいねえんだ!』
『は……? 結局何が言いたいのよ?』
段々と苛々の度合いが高まってきたピリムが、話の結論を急かす。
『だからよ……人間、目標に向かって努力を続ければ必ず報われる、ってことだよ! 元々剣の才すら無かった俺が、剣術トーナメントで優勝し、軍に入隊を認められるまで強くなれたのは、地道にひたすら頑張ることを辞めなかった結果だ! つまり、その、なんだ……』
声を大にして自身の啓発論を語るパシエンスだったが、急に口ごもってしまう。
『はあ……要するに、アタシが目標に辿り着けず報われないのは、"努力が足りないから"ってあんたは言いたいのね?』
溜め息と共に、パシエンスが言いにくそうにしていた結論となる部分をピリムが紡いだ。
『お、おう! それ、だよ……わかってくれたか』
『わかんないわよ』
『へ……?』
(――"イグニート"――)
ピリムが否定の言葉と同時に翳した掌から放ったのは、迸る豪炎。
説得を試み、心へと届いていたとばかり思っていた少年は警戒など全くしておらず、向かってくる炎を避ける動作が間に合わない。
(あ……これヤバくね?)
当然、少年は死を覚悟。しかし、むわりとした熱気が鼻先に触れた辺りで、右肩へ何かがぶつかるような衝撃。
『――っ!?』
衝撃の正体は、アイネ。
彼女がパシエンスを真横から突き飛ばしたのだ。
『お、おいリフトレイ! お前――』
突き飛ばされ、石畳に尻餅をついたパシエンスが思わず口にする。
咄嗟の判断で身を呈し、パシエンスを守ったアイネではあったが、自身の回避までは間に合わなかったのだ。
『――っ! あっつ……!』
迫り来る業火に僅かばかり背中が触れてしまい、直撃は免れたものの肩から腰にかけて大きく身を焦がす羽目となってしまう。
『ううっ……!』
四つん這い気味に倒れ、背中が焼ける傷みに笑顔をしかめ、小さく呻くアイネ。
『リフトレイ……大丈夫かよ、オイ!』
すぐに立ち上がり、おろおろと心配の声を上げながらパシエンスはアイネの容態を確認する。
彼女の着ていた薄手のローブは焼け、赤黒く爛れた背中が露わとなっていた。
その深刻なダメージにパシエンスは目を丸くし、徐々に後悔の感情が芽生えていく。
『ちくしょうっ、どうすれば……!』
『とりあえず……うるさいから黙ってて欲しいかなぁ』
『!?』
額から汗を流し、息も絶え絶えながら、アイネは毒づく。
『助けにきて勇んでみるなりピンチって……キミさ、ほんとにダメな子だよねぇ……』
『すまん、マジで面目ねえ。でもよ、助けてもらっておいてこう言うのはアレだけど……お前、俺のこと嫌いじゃなかったのか……』
『うん、めっちゃくちゃキライだよぉ。弱いし、すぐ調子に乗るくせに弱いし』
にぱっ、と笑顔で罵倒するアイネ。
『弱いって二回言うなよお! つか、嫌いならなんで助けたんだよ……』
『ピリムにこれ以上誰も傷付けて欲しくないから……だよ。あとキミ、ナザロでピリムのこと助けてくれたよね? あのときのお返し……とでも言っておくね』
『――っ!』
サバイバル演習の時の光景が、少年の脳裏に蘇る。
『……な、仲間のピンチなんだから助けるのは当たり前だろ? お前は、弱っちい俺のことなんざ仲間だと思っちゃいねえかもしんねえけどよ』
『あはは、自分の価値を良くお分かりで』
『そこはせめて濁してくれよ! いい加減泣くぞ!? てか、お前意外と余裕あるな!』
と、場に相応しくない軽快な掛け合いをする二人の少年少女へ、今度はピリムが割って入る。
『……アイネの言った通り、アンタの価値なんて所詮その程度なのよ。身の程がわかったんなら、さっさとここから消えることね』
『くっ……!』
反論は出来なかった。自身の力不足によってもたらされた結果が、膝元でうずくまるアイネの姿だからだ。
(ちくしょうっ……! 俺は一体どうしたら……)
説き伏せるには説得力が、捩じ伏せるにも実力が足らず。
八方塞がりと化してしまった状況に、少年は逡巡とする。
『今逃げるんなら、あんたは生かしといてあげる。別にあんたが生き延びようとアタシには無関係だからね』
『…………っ!』
ピリムはそう言うが、パシエンスに逃げる気などさらさら無かった。
いや、本当は逃げ出したい筈だったのだが、少年に残された僅かなプライドがそれを邪魔していたのだ。
『――ねえ、パシエンスくん。お願いがあるんだけど、いい?』
『……?』
狼狽する少年へ、アイネがうずくまった体勢のまま声を掛ける。
『返事はしなくて……いいよ。今からちょっと逃げてもらえるかな?』
(――っ!?)
吐息混じりの囁き声で提案するアイネに対し、パシエンスは無言で驚く。
『なに急に黙り込んでんのよ……? 逃げるならさっさとしてよね』
5ヤールトほど間合いがある位置にいるピリムにはアイネの声は聞こえておらず、急に押し黙ったパシエンスを怪訝に思う。
対し、策が露呈するのを危惧したアイネは傍らに立つパシエンスへと、率直に要求を告げる。
『……良く聞いてね。キミはこれから逃げるフリをして、アウルくんを呼んできてほしいの』
(――アウリストを!?)
仲間とは認めつつも、常にライバル心を焦がしていた相手を求める声。
少年の自尊心はみるみる内に崩壊していく。
『パシエンスくんお願い……呼んできて』
(ちくしょう……俺じゃやっぱり……ダメなのか)
脳内で繰り返される幾度とない葛藤の末、少年が選んだのは――。
『――なんだ、結局逃げるんじゃん。ダッサ……』
広場から遁走し、敗残兵の如く遠くなっていくパシエンスの背中を見送り、ピリムが呆れを漏らす。
『確かに……ダサいよね、彼。ホント何しに来たんだろ』
よろけながらもゆっくりと立ち上がり、同意をするアイネ。
表情は笑んだままだが、苦悶の色も窺える。
重度の火傷によるダメージは相当深刻なようだ。
『それじゃ、邪魔者は居なくなったことだしっ、また遊ぼ! アーイネっ♪』
ピリムは再び狂気的な笑顔を覗かせ、アイネへと襲い掛かる――。
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