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第五部 薬師学校の先生になります!?
第9話『薬師、教職につく』
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……やがて仕事初日がやってきた。
わたしは朝早くからミラベルさんに叩き起こされ、眠い目をこすりながら準備に追われている。
夜もなかなか寝付けなかったし、正直、寝不足だった。
「教職の制服もお似合いですよ。髪飾りも素敵です」
「あ、ありがとうございます……でもこれ、派手じゃないですかね……?」
ニコニコ顔のクロエさんにお礼を言い、頭につけられたヘアピンに手をやる。
これは昨日、就職祝いに工房の皆からもらったものだ。
枝分かれした葉っぱがモチーフになっていて、金メッキで仕上げられている。
鏡に映してみると、わたしの深緑の髪によく映えていた。
ちなみに育毛剤を使ったものの、わたしの髪の毛はほとんど伸びなかった。
……おかしい。効能マシマシにしたはずなのに。
「そろそろ時間だぞ。いい加減に諦めて学校へ向かえ」
鏡を見ながら、頬のあたりまでしかない髪をいじっていると、ミラベルさんに呆れ顔をされた。
「え、もうそんな時間ですか」
わたしは真新しいカバンを手にする。
なんだかんだでバタバタだったし、朝食を食べてからの記憶がほぼない。
初日から遅刻するわけにもいかないし、急がないと。
「エリンさん! ケープ忘れてるよ!」
工房を飛び出そうとした時、マイラさんが丈の長いケープを羽織らせてくれた。
「あ、ありがとうございます」
白い生地を基調としたこのケープには、胸のところに学年や役職を示す紋章が入っている。
わたしの場合、教員であることを示す大きな花の紋章だ。
だいぶ簡略化されているからわかりにくいけど、たぶんサクナゲの大花だと思う。
「そ、それでは、行ってまいります」
「エリン先生、頑張ってきてください!」
「気をつけてねー!」
エリン工房の皆に見送られながら、わたしは工房をあとにする。
目指すは、王立薬師学校。もちろん緊張はしているけれど、頑張らないと。
◇
……この街は丘の上に建てられた王宮を頂点に、貴族街、準貴族街といった順で整備されている。
目的地の王立薬師学校があるのは、貴族街の一角だ。
薬師学校には貴族の子息も通うので、この場所に作られたのだと思う。
それは……まぁわかるのだけど。
「ぜぇ、はぁ……と、遠い……上り坂がきつい……!」
エリン工房のある城下町……すなわち平民街は丘のふもとにあるので、薬師学校に行くには必然的に丘を登らないといけない。
運動不足のわたしにとって、それだけで大変だった。
「はぁぁ……少し休もう」
近くにあった街灯の柱に体を預け、息を整える。
ルークリッド村で暮らして、それなりに体力はついたと思っていたのだけど……話にならなかった。
「今日って、ルシアン先生の授業あったっけー?」
「ないよー。オルガノ先生の授業ならあるけど」
「えー、オレ、あの人の授業苦手ー」
その間にも、わたしと似た服装の子どもたちが元気に通り過ぎていく。
薬師を志す者は、10歳になると薬師学校に通うことができる。
その在学年数は五年で、その間に薬師免許の習得を目指すのだ。
薬師免許は三級から始まり、二級、一級、そして特級と、階級が上がるほど試験も難しくなる。
二級薬師免許までは独学でも習得が可能なレベルなので、薬師学校に通う者は基本、一級薬師以上を目指して勉強に励むことになる。
言い換えれば、薬師学校を卒業しても、薬師免許が二級以下だとなんのために学校へ行ったのかと笑われてしまうのだ。
「……よし。回復した」
ようやく息が整ったのを確かめて、わたしは再び丘の上に向かって歩き出した。
……そのまま歩くことしばし。わたしは王立薬師学校へとたどり着く。
さすが立派な門構えだ。三階建ての校舎は陽の光を受けてキラキラと輝き、中庭にそびえる時計塔はまるで学び舎のシンボルのよう。
敷地の中には色とりどりの花が咲き乱れる花壇や噴水があり、貴族の邸宅を思わせる。
大陸中から集まる生徒のために、裏に学生寮まであるらしいし、どれだけ広いのだろう。
「……あれ?」
そんなことを考えながら敷地内を歩くも、そこに人の姿はなかった。
それこそ、制服姿の生徒たちで溢れかえっていると思ったのだけど……。
……ま、まさか。
ある考えに至ったわたしは、おそるおそる時計塔を見やる。時計の針は、今まさに始業時間を指し示そうとしていた。
……し、しまった。長く休憩しすぎた。
このままでは、初日から遅刻することになってしまう。それはあまりに印象が悪い。
わたしは周囲を見渡したあと、校舎に向けて駆ける。
「あ、エリン・ハーランドさんですね?」
入口らしき場所を見つけた直後、一人の男性から声をかけられた。
栗色の癖っ毛と青い瞳が特徴的な彼は、朗らかな笑みを浮かべている。
「は、はいっ。そうです」
「私はルシアン・ルーズリークと申します。王立薬師学校の教師で、あなたの指導役を任されています」
「あっ、そうなんですね。よろしくお願いします」
とっさに気の利いた挨拶などできず、わたしはただただ頭を下げる。
「そうかしこまらなくても大丈夫ですよ。まずは学校長先生に挨拶に行きましょうか。こちらです」
ルシアン先生は表情を変えずに言って、わたしを先導するように校舎に向けて歩き出す。
学校長先生という言葉に背筋が伸びつつ、わたしは彼に付き従ったのだった。
……すでに授業が始まっているのか、静粛に包まれた校内を進んでいく。
やがて目の前に、重厚な扉が現れた。
「学校長先生、本日より赴任されるエリン・ハーランドさんをお連れしました」
その扉をノックしたあと、ルシアン先生が言う。ややあって、女性の声が返ってきた。
「どうぞ。お入りください」
「し、失礼いたします」
一気に緊張しながら、わたしは学校長室へと足を踏み入れる。
直後、足元の感覚が変わった。ふかふかの絨毯が敷かれていた。
室内は派手というわけではないけれど、壁際に黒塗りの棚がずらりと並べられ、大量の書類や本がしまわれていた。
その棚の上には表彰楯やトロフィーが置かれていて、それがこの学校の実績の多さを物語っていた。
その部屋の一番奥、これまた黒塗りの机に座る、初老の女性がいた。
年の頃は50代前半といったところで、メガネをかけている。きちんとまとめられた髪は、ところどころに白髪が見えていた。
「はじめまして。私はミレイユ・ラチェッタ。この薬師学校の学校長をしています」
女性はそう名乗ると、椅子から立ち上がって握手を求めてきた。わたしも慌ててそれに応じる。
「エリン・ハーランドです。よ、よろしくお願いします」
「ふふ、そう緊張なさらないで」
自分としてはできるだけ取り繕っているつもりなのだけど、すぐに見抜かれてしまった。
「エリンさんには、ルシアンのもとで五年生のクラスを担当してもらいます。優秀な方と聞いていますし、期待していますよ」
「あ、ありがとうございます。頑張ります……」
やっぱり、学校長という肩書だけで緊張してしまう。わたしはお礼を言うのが精一杯だった。
……その後、ミレイユ学校長から辞令証書が手渡され、わたしは正式に王立薬師学校の教師となった。
それからはルシアン先生が校内を案内してくれ、学校設備の説明を受ける。
それが終わると、いよいよ教室へ向かう。
生徒たちとの顔合わせの時が迫っていた。
わたしは朝早くからミラベルさんに叩き起こされ、眠い目をこすりながら準備に追われている。
夜もなかなか寝付けなかったし、正直、寝不足だった。
「教職の制服もお似合いですよ。髪飾りも素敵です」
「あ、ありがとうございます……でもこれ、派手じゃないですかね……?」
ニコニコ顔のクロエさんにお礼を言い、頭につけられたヘアピンに手をやる。
これは昨日、就職祝いに工房の皆からもらったものだ。
枝分かれした葉っぱがモチーフになっていて、金メッキで仕上げられている。
鏡に映してみると、わたしの深緑の髪によく映えていた。
ちなみに育毛剤を使ったものの、わたしの髪の毛はほとんど伸びなかった。
……おかしい。効能マシマシにしたはずなのに。
「そろそろ時間だぞ。いい加減に諦めて学校へ向かえ」
鏡を見ながら、頬のあたりまでしかない髪をいじっていると、ミラベルさんに呆れ顔をされた。
「え、もうそんな時間ですか」
わたしは真新しいカバンを手にする。
なんだかんだでバタバタだったし、朝食を食べてからの記憶がほぼない。
初日から遅刻するわけにもいかないし、急がないと。
「エリンさん! ケープ忘れてるよ!」
工房を飛び出そうとした時、マイラさんが丈の長いケープを羽織らせてくれた。
「あ、ありがとうございます」
白い生地を基調としたこのケープには、胸のところに学年や役職を示す紋章が入っている。
わたしの場合、教員であることを示す大きな花の紋章だ。
だいぶ簡略化されているからわかりにくいけど、たぶんサクナゲの大花だと思う。
「そ、それでは、行ってまいります」
「エリン先生、頑張ってきてください!」
「気をつけてねー!」
エリン工房の皆に見送られながら、わたしは工房をあとにする。
目指すは、王立薬師学校。もちろん緊張はしているけれど、頑張らないと。
◇
……この街は丘の上に建てられた王宮を頂点に、貴族街、準貴族街といった順で整備されている。
目的地の王立薬師学校があるのは、貴族街の一角だ。
薬師学校には貴族の子息も通うので、この場所に作られたのだと思う。
それは……まぁわかるのだけど。
「ぜぇ、はぁ……と、遠い……上り坂がきつい……!」
エリン工房のある城下町……すなわち平民街は丘のふもとにあるので、薬師学校に行くには必然的に丘を登らないといけない。
運動不足のわたしにとって、それだけで大変だった。
「はぁぁ……少し休もう」
近くにあった街灯の柱に体を預け、息を整える。
ルークリッド村で暮らして、それなりに体力はついたと思っていたのだけど……話にならなかった。
「今日って、ルシアン先生の授業あったっけー?」
「ないよー。オルガノ先生の授業ならあるけど」
「えー、オレ、あの人の授業苦手ー」
その間にも、わたしと似た服装の子どもたちが元気に通り過ぎていく。
薬師を志す者は、10歳になると薬師学校に通うことができる。
その在学年数は五年で、その間に薬師免許の習得を目指すのだ。
薬師免許は三級から始まり、二級、一級、そして特級と、階級が上がるほど試験も難しくなる。
二級薬師免許までは独学でも習得が可能なレベルなので、薬師学校に通う者は基本、一級薬師以上を目指して勉強に励むことになる。
言い換えれば、薬師学校を卒業しても、薬師免許が二級以下だとなんのために学校へ行ったのかと笑われてしまうのだ。
「……よし。回復した」
ようやく息が整ったのを確かめて、わたしは再び丘の上に向かって歩き出した。
……そのまま歩くことしばし。わたしは王立薬師学校へとたどり着く。
さすが立派な門構えだ。三階建ての校舎は陽の光を受けてキラキラと輝き、中庭にそびえる時計塔はまるで学び舎のシンボルのよう。
敷地の中には色とりどりの花が咲き乱れる花壇や噴水があり、貴族の邸宅を思わせる。
大陸中から集まる生徒のために、裏に学生寮まであるらしいし、どれだけ広いのだろう。
「……あれ?」
そんなことを考えながら敷地内を歩くも、そこに人の姿はなかった。
それこそ、制服姿の生徒たちで溢れかえっていると思ったのだけど……。
……ま、まさか。
ある考えに至ったわたしは、おそるおそる時計塔を見やる。時計の針は、今まさに始業時間を指し示そうとしていた。
……し、しまった。長く休憩しすぎた。
このままでは、初日から遅刻することになってしまう。それはあまりに印象が悪い。
わたしは周囲を見渡したあと、校舎に向けて駆ける。
「あ、エリン・ハーランドさんですね?」
入口らしき場所を見つけた直後、一人の男性から声をかけられた。
栗色の癖っ毛と青い瞳が特徴的な彼は、朗らかな笑みを浮かべている。
「は、はいっ。そうです」
「私はルシアン・ルーズリークと申します。王立薬師学校の教師で、あなたの指導役を任されています」
「あっ、そうなんですね。よろしくお願いします」
とっさに気の利いた挨拶などできず、わたしはただただ頭を下げる。
「そうかしこまらなくても大丈夫ですよ。まずは学校長先生に挨拶に行きましょうか。こちらです」
ルシアン先生は表情を変えずに言って、わたしを先導するように校舎に向けて歩き出す。
学校長先生という言葉に背筋が伸びつつ、わたしは彼に付き従ったのだった。
……すでに授業が始まっているのか、静粛に包まれた校内を進んでいく。
やがて目の前に、重厚な扉が現れた。
「学校長先生、本日より赴任されるエリン・ハーランドさんをお連れしました」
その扉をノックしたあと、ルシアン先生が言う。ややあって、女性の声が返ってきた。
「どうぞ。お入りください」
「し、失礼いたします」
一気に緊張しながら、わたしは学校長室へと足を踏み入れる。
直後、足元の感覚が変わった。ふかふかの絨毯が敷かれていた。
室内は派手というわけではないけれど、壁際に黒塗りの棚がずらりと並べられ、大量の書類や本がしまわれていた。
その棚の上には表彰楯やトロフィーが置かれていて、それがこの学校の実績の多さを物語っていた。
その部屋の一番奥、これまた黒塗りの机に座る、初老の女性がいた。
年の頃は50代前半といったところで、メガネをかけている。きちんとまとめられた髪は、ところどころに白髪が見えていた。
「はじめまして。私はミレイユ・ラチェッタ。この薬師学校の学校長をしています」
女性はそう名乗ると、椅子から立ち上がって握手を求めてきた。わたしも慌ててそれに応じる。
「エリン・ハーランドです。よ、よろしくお願いします」
「ふふ、そう緊張なさらないで」
自分としてはできるだけ取り繕っているつもりなのだけど、すぐに見抜かれてしまった。
「エリンさんには、ルシアンのもとで五年生のクラスを担当してもらいます。優秀な方と聞いていますし、期待していますよ」
「あ、ありがとうございます。頑張ります……」
やっぱり、学校長という肩書だけで緊張してしまう。わたしはお礼を言うのが精一杯だった。
……その後、ミレイユ学校長から辞令証書が手渡され、わたしは正式に王立薬師学校の教師となった。
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