30 / 91
第三部 夏の思い出を作りに行きます!?
第14話『薬師、薬を配る 前編』
しおりを挟む
レリックさんと別れたあと、わたしは資料を手に客室へと戻る。
「エリンさん、おかえりー。その手に持ってるのは何?」
部屋の扉を開けるやいなや、マイラさんの明るい声が飛んできた。
「た、ただいま戻りました。えっと、これはですね……」
わたしはその場で経緯を説明し、食中毒事件の調査を任されたことを伝える。
同時に薬の調合を依頼されたことも話し、スフィアにその手伝いをしてくれるようにお願いした。
「もちろんです! 街の皆さんのため、頑張って作ります!」
彼女は快諾してくれ、愛用の薬研を引っ張り出しながら、やる気に満ちあふれていた。
街の皆のため……と言うところがスフィアらしくて、師匠として嬉しくなる。
「食中毒事件については、私のほうで下調べをしておきますね。商会の情報網を使えば、何かわかるかもしれませんし」
口元に手を当てながら、クロエさんが言う。
つい忘れがちになるけど、彼女はリーベルグ商会のお嬢様だった。わたしが想像できないような情報網を持っているのだろうし、こういう時は本当に頼りになる。
「あ、完成した薬を配る時は、もちろん私たちにも声をかけてくださいね。手伝いますから」
「そうだよー! エリンさん、人前に出たら銅像みたく固まっちゃうだろうしさ!」
「あ、ありがとうございます。その時は、よろしくお願いします」
続いてそう言ってくれる二人に頭を下げたあと、わたしは割烹着に着替える。
それからスフィアの手を引いて、調合室へと向かった。
調合室の扉を開けると、そこにはすでにエドヴィンさんの姿があった。
「エリン様、お待ちしておりました」
「ど、どうも。お待たせして、すみません」
一言謝ってから、わたしはスフィアとともに調合室へと足を踏み入れる。
エドヴィンさんは薬棚の前に立っていて、一足先に準備を進めてくれているようだった。
「そ、それで、どの薬を作るかもう決めているんですか?」
「いえ、それこそエリン様に相談しようと思っていたところです」
わたしが問いかけると、エドヴィンさんは難しい顔をしながら言い、一枚のメモを差し出してくる。
それに目を通してみると、そこには見慣れた薬材名がずらりと並んでいた。
「あの、これは?」
「現状、この屋敷にある薬材のリストです。どう組み合わせるべきか、頭を悩ませていまして」
「そ、そうですね。この薬材だと……」
受け取ったリストを一通り眺めてから、わたしは考えを巡らせる。
そして小さく息を吐いたあと、それを言葉にしていく。
「は、伯爵様から頂いた資料には、患者さんたちの症状も細かく書いていました。それによると、主な症状は嘔吐と下痢、腹痛だそうです。なので、ここはオバケソウモドキや音止め草、オレンジの皮を使った薬を作るのがいいかと」
「ふむ……ゴールデンリーフを主薬としたものではなく、その三つの薬材を選んだ理由はございますか?」
「ゴールデンリーフも胃腸薬として優秀ですが、強力な分、体質によっては合わない方がいるんです。資料によれば、食中毒を起こしているのはお年寄りや子どもが多いですし、こちらのほうが良いかと思いまして。効き目は多少緩やかになりますが、オレンジの皮が入っているので飲みやすいですし、この組み合わせなら健胃薬としての効果も申し分ないかと」
「飲みやすさ……そこまでお考えでしたか。いやはや、感服いたしました」
「エリン先生、さすがです!」
一気に説明を終えると、エドヴィンさんとスフィアは顔を見合わせてから、称賛の言葉をかけてくれた。
嬉しいのだけど、何度経験しても、この感覚は慣れない。
「い、いえ、わたしの薬のほうが多くの薬材を使ってしまいますし、調合も時間がかかります」
「それでも、薬師が三人いれば問題ないでしょう。では、エリン様の配合で調合に取りかかりましょう」
言うが早いか、エドヴィンさんは薬棚から必要な薬材を取り出していく。
「わ、わかりました。スフィアも、よろしくお願いしますね」
「はい! 粉骨砕身の精神で頑張ります!」
「ど、どこでそんな言葉を覚えてきたんですか。砕くのは薬材だけにしておいてください……!」
思わずそんな言葉を口にしたあと、わたしたちはそれぞれの作業に取りかかった。
◇
三人の努力の甲斐あって、お昼前には必要数の薬が完成する。
「エリンさんたち、おつかれさまー! ご飯食べたら、さっそく配りに行こうよ!」
その作業が終わるのを待っていたかのように、マイラさんとクロエさんが調合室へとやってきた。
二人からサンドイッチを受け取ったあと、それを頬張りつつ、わたしたちは急ぎ足で街へと向かった。
四人で相談した結果、薬はフランティオ工房の近くで配ることにした。
以前の経験から、体調を崩した人たちは薬を求めて薬師工房に殺到していると予想したのだ。
「うわー、すごい並んでるね」
「本当ですね……薬、間に合っていないんでしょうか」
工房周辺までやってくると、想像以上にたくさんの人が薬を待っていることがわかった。
その様子を見て、マイラさんとクロエさんが心配そうな声を上げる。
街の住民だけでなく、旅行客らしき姿も見える。
観光の街ならではの事情もあって、患者数が増えているのかもしれない。
「それじゃ、さっそく薬を配っちゃいましょう! エリンさんは私たちの後ろにいてください!」
その人の多さに圧倒されていると、クロエさんがそう言って、わたしの前に出てくれる。
「い、いえ。わたしも頑張って配ります。人は怖いですけど」
自然と後ろに下がりそうになった自分を押し留めて、クロエさんに立ち並ぶ。気持ちは嬉しいけど、彼女たちに頼ってばかりもいられない。
「それでは、頑張って配りましょう! おー!」
「おー!」
その様子を見て、スフィアが可愛らしく拳を突き上げる。
マイラさんとクロエさんがそれに続いたあと、わたしも少し遅れて声を上げたのだった。
「ノーハット伯爵様の使者として、お薬を持ってまいりましたー! どうぞ、受け取ってくださーい!」
「よく効くお腹のお薬ですよー!」
「効き目は、ここにいるエリンさんが保証するよー!」
その後、薬を待つ人たちに向けて、三人の元気な声が飛ぶ。
「え? 薬を配ってるのか? しかも無料だって……?」
「いくら伯爵様のご厚意とはいえ、そんな虫のいい話があるのか?」
「気にはなるけど、俺は並んででも工房の薬を買うよ。怪しい連中が作った薬を飲ませて、ばーさんにもしものことがあったら大変だ」
その声を聞いた人々は一瞬反応するも……すぐに怪訝そうな顔をし、誰一人として薬を受け取ってはくれなかった。
先日の一件から、フランティオ工房の工房長は調合があまり上手ではないことはわかっている。
それでも、長年店を出しているということもあり、突然現れたわたしたちよりは街の皆の信頼を得ているようだ。
伯爵様の配慮で薬を無料にしたのも、怪しさに拍車をかけてしまっているのかもしれない。
「あのー、怪しくないですよー。先生の薬は、すごいんですからー……」
先程まで元気だったスフィアの声も、急激にしぼんでいく。
薬を使ってさえもらえれば、その効果がわかってもらえるというのに。
「……おや、そこにいるのは、いつぞやの薬師様ではありませんか」
なんとも言えない空気がわたしたちを包んだ時、背後から声がした。
振り返ってみると、そこに立っていたのは、以前心臓の薬を作ってあげたおじいさんだった。
「エリンさん、おかえりー。その手に持ってるのは何?」
部屋の扉を開けるやいなや、マイラさんの明るい声が飛んできた。
「た、ただいま戻りました。えっと、これはですね……」
わたしはその場で経緯を説明し、食中毒事件の調査を任されたことを伝える。
同時に薬の調合を依頼されたことも話し、スフィアにその手伝いをしてくれるようにお願いした。
「もちろんです! 街の皆さんのため、頑張って作ります!」
彼女は快諾してくれ、愛用の薬研を引っ張り出しながら、やる気に満ちあふれていた。
街の皆のため……と言うところがスフィアらしくて、師匠として嬉しくなる。
「食中毒事件については、私のほうで下調べをしておきますね。商会の情報網を使えば、何かわかるかもしれませんし」
口元に手を当てながら、クロエさんが言う。
つい忘れがちになるけど、彼女はリーベルグ商会のお嬢様だった。わたしが想像できないような情報網を持っているのだろうし、こういう時は本当に頼りになる。
「あ、完成した薬を配る時は、もちろん私たちにも声をかけてくださいね。手伝いますから」
「そうだよー! エリンさん、人前に出たら銅像みたく固まっちゃうだろうしさ!」
「あ、ありがとうございます。その時は、よろしくお願いします」
続いてそう言ってくれる二人に頭を下げたあと、わたしは割烹着に着替える。
それからスフィアの手を引いて、調合室へと向かった。
調合室の扉を開けると、そこにはすでにエドヴィンさんの姿があった。
「エリン様、お待ちしておりました」
「ど、どうも。お待たせして、すみません」
一言謝ってから、わたしはスフィアとともに調合室へと足を踏み入れる。
エドヴィンさんは薬棚の前に立っていて、一足先に準備を進めてくれているようだった。
「そ、それで、どの薬を作るかもう決めているんですか?」
「いえ、それこそエリン様に相談しようと思っていたところです」
わたしが問いかけると、エドヴィンさんは難しい顔をしながら言い、一枚のメモを差し出してくる。
それに目を通してみると、そこには見慣れた薬材名がずらりと並んでいた。
「あの、これは?」
「現状、この屋敷にある薬材のリストです。どう組み合わせるべきか、頭を悩ませていまして」
「そ、そうですね。この薬材だと……」
受け取ったリストを一通り眺めてから、わたしは考えを巡らせる。
そして小さく息を吐いたあと、それを言葉にしていく。
「は、伯爵様から頂いた資料には、患者さんたちの症状も細かく書いていました。それによると、主な症状は嘔吐と下痢、腹痛だそうです。なので、ここはオバケソウモドキや音止め草、オレンジの皮を使った薬を作るのがいいかと」
「ふむ……ゴールデンリーフを主薬としたものではなく、その三つの薬材を選んだ理由はございますか?」
「ゴールデンリーフも胃腸薬として優秀ですが、強力な分、体質によっては合わない方がいるんです。資料によれば、食中毒を起こしているのはお年寄りや子どもが多いですし、こちらのほうが良いかと思いまして。効き目は多少緩やかになりますが、オレンジの皮が入っているので飲みやすいですし、この組み合わせなら健胃薬としての効果も申し分ないかと」
「飲みやすさ……そこまでお考えでしたか。いやはや、感服いたしました」
「エリン先生、さすがです!」
一気に説明を終えると、エドヴィンさんとスフィアは顔を見合わせてから、称賛の言葉をかけてくれた。
嬉しいのだけど、何度経験しても、この感覚は慣れない。
「い、いえ、わたしの薬のほうが多くの薬材を使ってしまいますし、調合も時間がかかります」
「それでも、薬師が三人いれば問題ないでしょう。では、エリン様の配合で調合に取りかかりましょう」
言うが早いか、エドヴィンさんは薬棚から必要な薬材を取り出していく。
「わ、わかりました。スフィアも、よろしくお願いしますね」
「はい! 粉骨砕身の精神で頑張ります!」
「ど、どこでそんな言葉を覚えてきたんですか。砕くのは薬材だけにしておいてください……!」
思わずそんな言葉を口にしたあと、わたしたちはそれぞれの作業に取りかかった。
◇
三人の努力の甲斐あって、お昼前には必要数の薬が完成する。
「エリンさんたち、おつかれさまー! ご飯食べたら、さっそく配りに行こうよ!」
その作業が終わるのを待っていたかのように、マイラさんとクロエさんが調合室へとやってきた。
二人からサンドイッチを受け取ったあと、それを頬張りつつ、わたしたちは急ぎ足で街へと向かった。
四人で相談した結果、薬はフランティオ工房の近くで配ることにした。
以前の経験から、体調を崩した人たちは薬を求めて薬師工房に殺到していると予想したのだ。
「うわー、すごい並んでるね」
「本当ですね……薬、間に合っていないんでしょうか」
工房周辺までやってくると、想像以上にたくさんの人が薬を待っていることがわかった。
その様子を見て、マイラさんとクロエさんが心配そうな声を上げる。
街の住民だけでなく、旅行客らしき姿も見える。
観光の街ならではの事情もあって、患者数が増えているのかもしれない。
「それじゃ、さっそく薬を配っちゃいましょう! エリンさんは私たちの後ろにいてください!」
その人の多さに圧倒されていると、クロエさんがそう言って、わたしの前に出てくれる。
「い、いえ。わたしも頑張って配ります。人は怖いですけど」
自然と後ろに下がりそうになった自分を押し留めて、クロエさんに立ち並ぶ。気持ちは嬉しいけど、彼女たちに頼ってばかりもいられない。
「それでは、頑張って配りましょう! おー!」
「おー!」
その様子を見て、スフィアが可愛らしく拳を突き上げる。
マイラさんとクロエさんがそれに続いたあと、わたしも少し遅れて声を上げたのだった。
「ノーハット伯爵様の使者として、お薬を持ってまいりましたー! どうぞ、受け取ってくださーい!」
「よく効くお腹のお薬ですよー!」
「効き目は、ここにいるエリンさんが保証するよー!」
その後、薬を待つ人たちに向けて、三人の元気な声が飛ぶ。
「え? 薬を配ってるのか? しかも無料だって……?」
「いくら伯爵様のご厚意とはいえ、そんな虫のいい話があるのか?」
「気にはなるけど、俺は並んででも工房の薬を買うよ。怪しい連中が作った薬を飲ませて、ばーさんにもしものことがあったら大変だ」
その声を聞いた人々は一瞬反応するも……すぐに怪訝そうな顔をし、誰一人として薬を受け取ってはくれなかった。
先日の一件から、フランティオ工房の工房長は調合があまり上手ではないことはわかっている。
それでも、長年店を出しているということもあり、突然現れたわたしたちよりは街の皆の信頼を得ているようだ。
伯爵様の配慮で薬を無料にしたのも、怪しさに拍車をかけてしまっているのかもしれない。
「あのー、怪しくないですよー。先生の薬は、すごいんですからー……」
先程まで元気だったスフィアの声も、急激にしぼんでいく。
薬を使ってさえもらえれば、その効果がわかってもらえるというのに。
「……おや、そこにいるのは、いつぞやの薬師様ではありませんか」
なんとも言えない空気がわたしたちを包んだ時、背後から声がした。
振り返ってみると、そこに立っていたのは、以前心臓の薬を作ってあげたおじいさんだった。
195
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
『スキルなし』だからと婚約を破棄されましたので、あなたに差し上げたスキルは返してもらいます
七辻ゆゆ
恋愛
「アナエル! 君との婚約を破棄する。もともと我々の婚約には疑問があった。王太子でありスキル『完全結界』を持つこの私が、スキルを持たない君を妻にするなどあり得ないことだ」
「では、そのスキルはお返し頂きます」
殿下の持つスキル『完全結界』は、もともとわたくしが差し上げたものです。いつも、信じてくださいませんでしたね。
(※別の場所で公開していた話を手直ししています)
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫」と笑った夫。~王宮から私が去ったあと「愛していた」と泣きついても、もう手遅れです~
水上
恋愛
「君は完璧だから、放っておいても大丈夫だ」
夫である王太子はそう笑い、泣き真似が得意な見習い令嬢ばかりを優先した。
王太子妃セシリアは、怒り狂うこともなく、静かに心を閉ざす。
「左様でございますか」
彼女は夫への期待というノイズを遮断し、離縁の準備を始めた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。