女神に可哀想と憐れまれてチート貰ったので好きに生きてみる

紫楼

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一章

ルームでまったり

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 解放されたのは深夜二時。
 半分くらい食堂で雑魚寝してた。

 彼ら〈新月の雷光〉は〈小鳥の止まり木〉を定宿にしてるらしい。
 なんか、見た目ゴツくて無精髭で汗臭そう(偏見)なお兄さんたちが、ほっこりお宿にーって思ったけど、そもそも旅行者は商人くらいで、たまに女冒険者チームとか来るかなって程度な田舎だから、新しいお客が珍しい。
 宿にはヤンチャな冒険者が泊まってるのが普通だって。
 料理もガッツリ系だったし、納得。

 俺は部屋に戻ると〈洗浄〉をかけた。
 口の中までスッキリで、酒の匂いも消えちゃうな。これタバコの味と香りも消えるじゃん。

 部屋で酒もタバコも好きにして良いらしいけど、やっぱ気になるからさ。

「〈ルーム〉」

 パッと視界が切り替わって、俺は自宅の部屋に。

「おー!」

 モノクロで統一した俺の部屋!

 スーツと靴下、雑誌と新聞が散らばってるのはご愛嬌。
 本当に丸ごとだ。

 無限収納の中って窓の外はどうなってるんだと窓辺に行ってみた。
遮光カーテン開けたらさ、真っ暗。
 どうもシャッター?そんな感じで塞がってる。

 景色も考慮して、大窓の部屋なのにな。
 まぁ、無限収納=亜空間だとして、窓の外見れたところで何も無いか、俺が仕舞った物が浮いてるだけかも知れん。

 次に電気がどうなってるのか?
 
 コンセントも電化製品のコードも無かった。ついでにブレーカーのケースも。

 でも空調もライトも着いてる。

「すげー」

 冷蔵庫もコーヒーメーカーも大丈夫!

 思わず冷蔵庫開けたら、ハムやチーズ、ビール、牛乳、チューブの中華調味料、醤油のボトル、卵とおかんから送られた味噌と煮物、牛肉とか入れてたのが、使いかけで入ってる。

 冷凍庫はロックアイスとアイスクリーム、冷凍パスタとドリア、枝豆とか。

 野菜室には玉ねぎ、きゅうり、レタス、りんご、葡萄。

 そこそこ買い出しした後だった。ヤッホイ。
 これ使ったら終わりだよなぁ。まぁこれだけでもマシか。

 棚にはチンするご飯とカップ麺、カップ焼きそば、即席味噌汁。お茶漬けの素。
 コーヒー豆、紅茶缶。頂き物の缶詰とか。

 缶ビール三箱とブランデー、日本酒とワインクーラーのワインとまぁまぁ酒もある。

 
 さて!タバコ吸おう。ブランデーもちょっと良い物飲んじゃお。

 この部屋は禁煙って言うか、吸い始めるとやめれなくなって、会社とかでイライラしそうだから完全にタバコをやめてたけど、もう解禁!

 部屋にも〈洗浄〉使えるから臭いとヤニの心配無し。物は片付かないけどね!

 ご機嫌だね!

 アイスペルとおつまみをテーブルに並べて。

「あ、灰皿とシガーカッターがない」
 
 携帯灰皿があるのでとりあえず、ポッケから出して一本。
 
 ブランデーグラスに氷入れて、ブランデーを注ぐ。

「クゥー」

 うぉー。なぜ女にうつつを抜かしたんだ。
 一人でこんな時間を持てれば十分だったろ。

「あ、買い物」

 タバコは人前では葉巻はやばいと判断した。
 一本一万な高級品だから。
 なので、普通のを。見た目的にはリトルシガーのが無難かも?
 ほら薬屋で自分で葉っぱ巻くの買ったじゃん。
 
 リトルシガーも結構種類があるな。
 ワイン風味のとカカオにしてみるか。

 ワンカートンずつって言うか女神さまにもだからツーカートンか。

 灰皿とシガーカッター、シガーケースとマッチとライターも売ってたから買う。

 後は酒。部屋にある分は気ままに飲むとして。

 テキトーにぽちぽち。
 ぶっちゃけ普段は飲めればなんでも良い。

 ツマミは缶詰と燻製を見つけたので辛そうなのをポチッとな。

 ティアランシアとヴェールの分を振り分けて、プレゼントボックスに送った。

 俺まだこの世界でタバコのボッタクリしただけで稼いでない。
 今のところ余裕だけど、この神様たちの人数分貢ぐならちゃんと増やさないとだな。


 さて、明日の採取に入りそうなスコップとクワとハサミを創造魔法で。
 
 ついでに動きやすそうな服をゴス風味で。
 リュックはやっぱあった方がいいか?
 
「あ、剣・・・」
 鍛冶屋で買うべきだったか。
 剣持ってないの笑われたし。

 剣って言うか刀の方が馴染みがあるよな。修学旅行の木刀みたいな。

 あんまり長いのは邪魔だし。いざとなったら銃使うつもりだし。

 まんま日本刀は目立ちそうだから少し装飾を洋風にして。

「ん、こんなもんか。創造魔法で作ったから鈍らかも?」
 
 鍛治までやれないな。

 
 薬屋で買った刻み煙草を出して葉っぱで巻いてみた。
 葉っぱは薄く乾燥させてある。

 フィルター無しだと細かいの口に入りそうだな。
 慎重に巻いて、なんとか吸ってみる。

「・・・ぶほ」
 原初?鼻が荒々しい匂いで痛い。野生だ。
 吸ったことないけど麻薬みたい。ちょっとクラっときた。

 〈鑑定〉にはヤバいこと書いてない、ただの煙草だけど。
 吸いやすく加工されてる地球のタバコ、ありがとう。

 お高い葉巻は明日にしよう。
 

 よし。このまま部屋で寝たいけど、向こうの部屋覗かれたらヤバいし、向こうで寝よう。

 目覚ましは、マナーモードでバイブ。
 数時間しか寝れんが良いか。

 あ、トイレ行っておこう。

 宿のトイレは板に穴空いてる汲み取りタイプだった。尻拭きはゴワゴワなハギレ。
 用を足したらバケツの草と砂をかける。

 俺、カルチャーショックだった。

 俺を坊ちゃん認定したお兄さんたちが、「便所がなんだってぇ?坊や!野糞はどうしてたんだ。冒険者は外ばっかだろぉ」って。

 絶対〈ルーム〉でやるよ。



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