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一章
白い俺もダメ
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みんなのケツを気にしてやったのに酷い目にあったぞ。
休憩地は、街道の脇に整地されているだけの広場だ。そこにレンガで作られた窯?コノ字型にレンガを積んであるだけってなんて言うの?
それに拾って来たか持って来た薪で火をおこして調理をしたり、夜間の冷え対策に使うらしい。
コノ字なのはあまり明かりが見えると獣が寄ってくるからだって。
「交代で休むぞ~」
御者はしっかり休むため馬車の中で休むんだそう。御者は馬に水やったり、飼い葉与えたりお世話してから寝た。
「ジェイル、腹減ってねぇか」
「あのクッションありがたかったぞ」
「慣れたと思っていたがわりと痛かったと気付いた」
腹はいいけどとにかくタバコが吸いたい。
全員寝る前にボルクさんの弁当を食べて、ちょっと酒飲んだ。
朝まで二時間交代で二人ずつ見張りするからと順番を決めて、俺は初心者という事でランガと一番目になった。
レンガ窯のそばに座った。見張りってどうやるんだろうと思ったらランガが気配探知が出来るから起きてればいいらしい。
「「ふぅ」」
みんなが寝るとランガと二人で一服。
「あー、うめぇ」
ランガがものすごく深くため息をつく。
「馬車じゃ吸えないわな」
「あん?そりゃ灰が落ちたら危ねぇだろうが」
ヤンもヴァロもタバコ吸うのに馬車では誰も吸わなかった。
灰かぁ。急な揺れが起きたら少し危ないかな。
薬屋の自分で巻くやつなんかは確かに危なそう。
「なんだ、馬車でも吸いたかったのか?」
「少し・・・ケツが痛い間はそんな余裕なかったけどな」
尾骶骨も股関節もバキバキに割れるかと思った。
「お前わけわからねぇよな。身分証なしで旅してるとか言うし冒険者になったらなったで大物倒してくるし」
ランガがゲタゲタと笑う。
「こんなうめぇブツ、ぜってぇ高いのにふっかけねぇし、気軽にバンバン吸ってるしな」
商売していればそういう方向もアリなんだろうけど、神様に貰ったスキルでぼったくるってあんまり宜しくないよな。
十分ぼったくりしていると思ってるけど。
「ついでに教えておいてやるがお前金髪より今のがヤベェぞ」
!!??
「なんで⁉」
「白髪は珍しくはねぇがな、お前は見た目が良いし、清潔感があって、育ちも良さそうで、髪が綺麗だ」
そんな褒めるなよって言う方向じゃないな。
「煌めく白髪と品の良さで神秘的過ぎて高位の神官のようだ」
なんでやねーーーーん!
「どうすれば目立たないんだよ」
「まずそこらの平民の髪から良い匂いなんぞせん」
髪の匂いだと⁉
ハエールSの香りか・・・。
無香料にすべきだったのか。
「何が正解なんだ」
染料の黄緑色を選ぶべきだったのか。
「別に不正解でもないがなぁ、お前は何しても素っ頓狂だ」
もうどうすれば良いのかな?
「まぁ冒険者なんぞピンからキリまで色んな奴がいる。お前いみたいなのもいても良いんだが、なんか心配になる」
言いたい放題言われれるぞ。
「んー、じゃ白いままはダメなんだな?」
金髪は貴族に見えると言われ、白髪は神秘的って・・・
「無駄じゃね。金髪とそう変わらんだろう?」
変わんねぇのかよ⁉
あー・・・もう。ここですぐ金髪に戻しても説明が面倒くさいので、この依頼が済んで一人になったら考えよう。
「ほれ、これ飲め」
ランガが火にかけていた鍋からカップに注いだ物をくれた。
ホットワイン的な?サングリアだっけ。スパイスハーブとか乾燥果実で作ってくれたようだ。
「ありがとう」
「これ飲んどけばよく寝れるぞ」
結局ランガたちはかなり世話好きで優しいんだな。
「あ、明日の仕込みしていい?」
「仕込み?」
パンの薄いのを焼いて食べたい旨を伝えると妙な顔されたけど、OKだった。
テーブルがないので温めていない鉄板の上でやるしかないけど、大麦と小麦を混ぜてこっそりベーキングパウダーと砂糖と塩混ぜてっと水は竹筒に移しておいた竹筒からと、かなりちまちまとした作業だ。
ランガと話しながら二時間、たくさん捏ねた。
十人分、三日くらい持つか?
いや毎回これ食べんだろうから余裕か。
次のシャートとクレイバーに見張りを交代する時間になった。
俺とランガは馬車に戻って寝る。
ゲルマットクッションを広げて簡易マットレスにしてから、フードマントを被って寝る準備。寝袋は襲撃時に困るから使わないと教えられた。いつ使うんだと思ったらダンジョンのセーフポイントとか絶対安心な場所だって。他の人間いたら危なくないかとちょっと思った。人間の方が怖い説。
「お前それ良いなぁ」
マットレスがうらやましいいしい。
「あげない」
どうしてもと言うならまたこっそりトイレとか逃げて買い足してからね。
そのままぐっすり寝れた。俺はわりとどこでも寝れる方だ。
結局この晩は何もなく、朝食タイムまでぐっすり寝た。
「・・・」
何もなく?
なんか大きめなボアが一頭と穴ウサギが三頭捌かれてたけど、Bランク冒険者には肉が自分から来たぞ!ラッキー!!程度の出来事なのかも。
「おっす」
「いやー、ちょっと食ったわ」
食べたのは別に狩ったんだし良いんじゃない。
みんなが乾パンみたいな保存食を食べるみたいだったので、俺は歯が痛そうだなって思って仕込んだ記事でピタパン焼いて、獲れたての肉を焼いて、収納から野菜を出して挟んだ。
「朝から手間じゃないか」
俺の様子を見ていたみんなに食べるか聞けば「欲しい」と言うことでみんなの分を焼いた。
「昨日のはこうなるのか?」
ランガは物珍しそうに俺の手元をずっと観察していた。
「野菜いらんぞ」
「肉だけでいい」
みんなに小学生男子みたいなこと言われつつ作ってやって、朝食を済ませた。
あーあ・・・食後のコーヒー飲みたいな。
出発の準備が整って、休憩地を出た。
まだ一日だからいいんだろうけど、やっぱり服は着替えないんだなぁ。
休憩地は、街道の脇に整地されているだけの広場だ。そこにレンガで作られた窯?コノ字型にレンガを積んであるだけってなんて言うの?
それに拾って来たか持って来た薪で火をおこして調理をしたり、夜間の冷え対策に使うらしい。
コノ字なのはあまり明かりが見えると獣が寄ってくるからだって。
「交代で休むぞ~」
御者はしっかり休むため馬車の中で休むんだそう。御者は馬に水やったり、飼い葉与えたりお世話してから寝た。
「ジェイル、腹減ってねぇか」
「あのクッションありがたかったぞ」
「慣れたと思っていたがわりと痛かったと気付いた」
腹はいいけどとにかくタバコが吸いたい。
全員寝る前にボルクさんの弁当を食べて、ちょっと酒飲んだ。
朝まで二時間交代で二人ずつ見張りするからと順番を決めて、俺は初心者という事でランガと一番目になった。
レンガ窯のそばに座った。見張りってどうやるんだろうと思ったらランガが気配探知が出来るから起きてればいいらしい。
「「ふぅ」」
みんなが寝るとランガと二人で一服。
「あー、うめぇ」
ランガがものすごく深くため息をつく。
「馬車じゃ吸えないわな」
「あん?そりゃ灰が落ちたら危ねぇだろうが」
ヤンもヴァロもタバコ吸うのに馬車では誰も吸わなかった。
灰かぁ。急な揺れが起きたら少し危ないかな。
薬屋の自分で巻くやつなんかは確かに危なそう。
「なんだ、馬車でも吸いたかったのか?」
「少し・・・ケツが痛い間はそんな余裕なかったけどな」
尾骶骨も股関節もバキバキに割れるかと思った。
「お前わけわからねぇよな。身分証なしで旅してるとか言うし冒険者になったらなったで大物倒してくるし」
ランガがゲタゲタと笑う。
「こんなうめぇブツ、ぜってぇ高いのにふっかけねぇし、気軽にバンバン吸ってるしな」
商売していればそういう方向もアリなんだろうけど、神様に貰ったスキルでぼったくるってあんまり宜しくないよな。
十分ぼったくりしていると思ってるけど。
「ついでに教えておいてやるがお前金髪より今のがヤベェぞ」
!!??
「なんで⁉」
「白髪は珍しくはねぇがな、お前は見た目が良いし、清潔感があって、育ちも良さそうで、髪が綺麗だ」
そんな褒めるなよって言う方向じゃないな。
「煌めく白髪と品の良さで神秘的過ぎて高位の神官のようだ」
なんでやねーーーーん!
「どうすれば目立たないんだよ」
「まずそこらの平民の髪から良い匂いなんぞせん」
髪の匂いだと⁉
ハエールSの香りか・・・。
無香料にすべきだったのか。
「何が正解なんだ」
染料の黄緑色を選ぶべきだったのか。
「別に不正解でもないがなぁ、お前は何しても素っ頓狂だ」
もうどうすれば良いのかな?
「まぁ冒険者なんぞピンからキリまで色んな奴がいる。お前いみたいなのもいても良いんだが、なんか心配になる」
言いたい放題言われれるぞ。
「んー、じゃ白いままはダメなんだな?」
金髪は貴族に見えると言われ、白髪は神秘的って・・・
「無駄じゃね。金髪とそう変わらんだろう?」
変わんねぇのかよ⁉
あー・・・もう。ここですぐ金髪に戻しても説明が面倒くさいので、この依頼が済んで一人になったら考えよう。
「ほれ、これ飲め」
ランガが火にかけていた鍋からカップに注いだ物をくれた。
ホットワイン的な?サングリアだっけ。スパイスハーブとか乾燥果実で作ってくれたようだ。
「ありがとう」
「これ飲んどけばよく寝れるぞ」
結局ランガたちはかなり世話好きで優しいんだな。
「あ、明日の仕込みしていい?」
「仕込み?」
パンの薄いのを焼いて食べたい旨を伝えると妙な顔されたけど、OKだった。
テーブルがないので温めていない鉄板の上でやるしかないけど、大麦と小麦を混ぜてこっそりベーキングパウダーと砂糖と塩混ぜてっと水は竹筒に移しておいた竹筒からと、かなりちまちまとした作業だ。
ランガと話しながら二時間、たくさん捏ねた。
十人分、三日くらい持つか?
いや毎回これ食べんだろうから余裕か。
次のシャートとクレイバーに見張りを交代する時間になった。
俺とランガは馬車に戻って寝る。
ゲルマットクッションを広げて簡易マットレスにしてから、フードマントを被って寝る準備。寝袋は襲撃時に困るから使わないと教えられた。いつ使うんだと思ったらダンジョンのセーフポイントとか絶対安心な場所だって。他の人間いたら危なくないかとちょっと思った。人間の方が怖い説。
「お前それ良いなぁ」
マットレスがうらやましいいしい。
「あげない」
どうしてもと言うならまたこっそりトイレとか逃げて買い足してからね。
そのままぐっすり寝れた。俺はわりとどこでも寝れる方だ。
結局この晩は何もなく、朝食タイムまでぐっすり寝た。
「・・・」
何もなく?
なんか大きめなボアが一頭と穴ウサギが三頭捌かれてたけど、Bランク冒険者には肉が自分から来たぞ!ラッキー!!程度の出来事なのかも。
「おっす」
「いやー、ちょっと食ったわ」
食べたのは別に狩ったんだし良いんじゃない。
みんなが乾パンみたいな保存食を食べるみたいだったので、俺は歯が痛そうだなって思って仕込んだ記事でピタパン焼いて、獲れたての肉を焼いて、収納から野菜を出して挟んだ。
「朝から手間じゃないか」
俺の様子を見ていたみんなに食べるか聞けば「欲しい」と言うことでみんなの分を焼いた。
「昨日のはこうなるのか?」
ランガは物珍しそうに俺の手元をずっと観察していた。
「野菜いらんぞ」
「肉だけでいい」
みんなに小学生男子みたいなこと言われつつ作ってやって、朝食を済ませた。
あーあ・・・食後のコーヒー飲みたいな。
出発の準備が整って、休憩地を出た。
まだ一日だからいいんだろうけど、やっぱり服は着替えないんだなぁ。
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