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一章
領主さまと
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呼ばれて出てみれば、ドットたち。
みんないつもよりほんのちょっと小綺麗になってる。
ふむ。普段の俺のが綺麗(自意識過剰じゃないぞ)。
「お、髪だけ粧し込んだのか」
「髪だけ言うな」
そしてまとめてある頭を撫でようとするな。
玄関ホールに執事服の男と制服姿の騎士?らしいのが礼をとって待ってた。
「皆様、主人のもとにお連れいたします」
うー、かなり賢かった場に連れて行かれる感。
外に出れば、豪華な馬車が三台と騎兵??
なんて言うかほんとアニメの中みたいなんだなぁ。
「何回乗っても慣れん」
馬車一台に四人で乗ったので〈鋼鉄の拳〉と一緒だ。救助のお礼と王都行きのことで呼ばれてるからランガたちも呼ばれてる。
「あ、ランガたちはもうカナンに戻るんだろ?」
「おう」
「煙草と酒渡しておこうか」
「「「お!?」」」
まぁタダでくれとか言う奴らじゃないので金貨をたっぷり頂きました。はいー。
「やったなぁ!これでしばらく楽しめる」
「無くなったらジェイル追っかけて買いに行くか!!」
来ないでくれ。美人のお姉さんならともかくゴツいおっさんに追いかけれれるってどんな罰ゲームだよ。
「ま、気が向いたらギルド経由でも連絡くれや」
「そーそー、配達もやってくれるから注文するぞ」
配達って、いくらかかるんだよ。冒険者に依頼するやつだろ?
「気が向いたらな」
「えー」
商売はしてないんだよ。
馬車が停まって外を見ると街を抜けてたらしい。
「ん?」
「あー、領主の屋敷に着いたな」
は?
どうやら警備上の問題を心配して、ラシャドル家の子供達をポルドスの領主リューラス侯爵が保護してるらしい。
「領主と昼餐?」
「そだぞー」
馬車の扉が開いて、執事がどうぞと外に誘導する。
小高い丘に立つどデカい洋館の一角に俺たちは降り立つ。
執事に先導され、屋敷の中を進み、食堂に案内された。
「ようこそ」
「皆様、私の従姉妹の子供達を無事に連れ帰ってくださってありがとう」
アンドレ・リューラス侯爵とマリアン夫人が名乗って、俺たちも順番に名乗る。
マリア夫人は従姉妹であるラシャドル侯爵夫人をご家族で避暑に誘った立場だったので今回のことに心を痛めていたらしい。
「我がポルドスの子供たちも全員は叶わなかったが救出し、悪党どもを捕獲してくれたことを感謝する」
悪党、シルスファンとミシェル狙いを撹乱したくて他の子も攫ったのか、欲をかいて一気に稼ごうとした結果の馬鹿なのかさっぱりわからないな。
密かに一人二人と消えただけだったら、逃げ切れただろうに。
しかも弱かったし。
「正直ドラン経由で国外にか、アトス経由で国内で密かに売買するかと予想していて、まさかポルドスの分岐までの森を使って遠回りするとは」
警戒されてるんだから分岐狙うのありありのありだろう?
そう思ったら、街からそれなりに離れている森の中は街道に比べて危険だってヴァロがコソッと教えてくれた。
街道沿いに通常に出てくる魔物程度なら、Dランクが護衛で行けるとしたら、街から遠い森の奥はCランクでギリギリの魔物がバンバン出て来るみたいな。
連携も出来ないような冒険者崩れが奥に入るのは無謀らしい。
野盗なんかはよほど強くないと奥までいかないんだと。
俺たちが子供達を発見した場所はそれなりに奥。街道に近い道を行ってるつもりが奥に向かう方向に向かっていたんではないかと。
ドットやランガたちはBランクだし、俺はチートな武器があるから一気に済ませたけど、普通はビビってる場所らしい。
悪党たちが利用していた道?は昔最短ルートを作ろうとして放棄したような場所なんだと。
「ともかくシルスファンとミシェルが戻った祝いだ。堅苦しく思わず気楽に飲み食いしてほしい」
リューラス侯爵はそう言うが、めっちゃ煌びやかな部屋で、高級な椅子で、カトラリーも手入れの行き届いた銀器で。
場違いだなぁって思うぞ。
高級フレンチの店だってここまで緊張しない。
ドットたちは貴族に呼ばれるのも慣れてるっぽいけど、俺は初めてだし。
ちなみにシルスファンとミシェルはこの席にいない。正式な席には子供は呼ばれないんだそう。
「こちらはパルムスターツ領のワインだ」
「「「おお」」」
有名なやつらしい。
「「「「乾杯」」」」
さすがお貴族さまのお勧めワインと言ったところか。ちゃんと透き通った味がする。
香りも良い微炭酸の白ワイン。
料理は魚尽くし。
カルパッチョ、海鮮のトマトスープ?
ヒラメのポワレやマグロのソテーのようなのが少しずつ出てくる。
胡椒もちょっと使われてるし、柑橘のソースもあった。
なるほど。
でもちょっと薄味なのは確かだ。素材の味をと言えば良いのか。
パンは焼きたてなので多少柔らかいかな。
最後はリンゴの甘煮がパイみたいな生地に載って出てきた。
砂糖菓子も高級品。
カスタードクリームのないアップルパイ?上品な味わいだった。
ドットたちもさすがにワイワイ話すととはなく、侯爵や夫人から時折される質問に答えてる。
俺にもチラリと他国の貴族かと探りが入ったけど、ドットもランガもやんわり否定してくれた。
_________________________
〈新月の雷光〉
ドット
クレイバー
ドレイク
シャート
〈鋼鉄の拳〉
ランガ
ヴァロ
ヤン
ポルドス領
アンドレ・リューラス侯爵
マリアン・リューラス夫人
ギルマス アントス
シルスァン・ラシャドル
ミシェル・ラシャドル
みんないつもよりほんのちょっと小綺麗になってる。
ふむ。普段の俺のが綺麗(自意識過剰じゃないぞ)。
「お、髪だけ粧し込んだのか」
「髪だけ言うな」
そしてまとめてある頭を撫でようとするな。
玄関ホールに執事服の男と制服姿の騎士?らしいのが礼をとって待ってた。
「皆様、主人のもとにお連れいたします」
うー、かなり賢かった場に連れて行かれる感。
外に出れば、豪華な馬車が三台と騎兵??
なんて言うかほんとアニメの中みたいなんだなぁ。
「何回乗っても慣れん」
馬車一台に四人で乗ったので〈鋼鉄の拳〉と一緒だ。救助のお礼と王都行きのことで呼ばれてるからランガたちも呼ばれてる。
「あ、ランガたちはもうカナンに戻るんだろ?」
「おう」
「煙草と酒渡しておこうか」
「「「お!?」」」
まぁタダでくれとか言う奴らじゃないので金貨をたっぷり頂きました。はいー。
「やったなぁ!これでしばらく楽しめる」
「無くなったらジェイル追っかけて買いに行くか!!」
来ないでくれ。美人のお姉さんならともかくゴツいおっさんに追いかけれれるってどんな罰ゲームだよ。
「ま、気が向いたらギルド経由でも連絡くれや」
「そーそー、配達もやってくれるから注文するぞ」
配達って、いくらかかるんだよ。冒険者に依頼するやつだろ?
「気が向いたらな」
「えー」
商売はしてないんだよ。
馬車が停まって外を見ると街を抜けてたらしい。
「ん?」
「あー、領主の屋敷に着いたな」
は?
どうやら警備上の問題を心配して、ラシャドル家の子供達をポルドスの領主リューラス侯爵が保護してるらしい。
「領主と昼餐?」
「そだぞー」
馬車の扉が開いて、執事がどうぞと外に誘導する。
小高い丘に立つどデカい洋館の一角に俺たちは降り立つ。
執事に先導され、屋敷の中を進み、食堂に案内された。
「ようこそ」
「皆様、私の従姉妹の子供達を無事に連れ帰ってくださってありがとう」
アンドレ・リューラス侯爵とマリアン夫人が名乗って、俺たちも順番に名乗る。
マリア夫人は従姉妹であるラシャドル侯爵夫人をご家族で避暑に誘った立場だったので今回のことに心を痛めていたらしい。
「我がポルドスの子供たちも全員は叶わなかったが救出し、悪党どもを捕獲してくれたことを感謝する」
悪党、シルスファンとミシェル狙いを撹乱したくて他の子も攫ったのか、欲をかいて一気に稼ごうとした結果の馬鹿なのかさっぱりわからないな。
密かに一人二人と消えただけだったら、逃げ切れただろうに。
しかも弱かったし。
「正直ドラン経由で国外にか、アトス経由で国内で密かに売買するかと予想していて、まさかポルドスの分岐までの森を使って遠回りするとは」
警戒されてるんだから分岐狙うのありありのありだろう?
そう思ったら、街からそれなりに離れている森の中は街道に比べて危険だってヴァロがコソッと教えてくれた。
街道沿いに通常に出てくる魔物程度なら、Dランクが護衛で行けるとしたら、街から遠い森の奥はCランクでギリギリの魔物がバンバン出て来るみたいな。
連携も出来ないような冒険者崩れが奥に入るのは無謀らしい。
野盗なんかはよほど強くないと奥までいかないんだと。
俺たちが子供達を発見した場所はそれなりに奥。街道に近い道を行ってるつもりが奥に向かう方向に向かっていたんではないかと。
ドットやランガたちはBランクだし、俺はチートな武器があるから一気に済ませたけど、普通はビビってる場所らしい。
悪党たちが利用していた道?は昔最短ルートを作ろうとして放棄したような場所なんだと。
「ともかくシルスファンとミシェルが戻った祝いだ。堅苦しく思わず気楽に飲み食いしてほしい」
リューラス侯爵はそう言うが、めっちゃ煌びやかな部屋で、高級な椅子で、カトラリーも手入れの行き届いた銀器で。
場違いだなぁって思うぞ。
高級フレンチの店だってここまで緊張しない。
ドットたちは貴族に呼ばれるのも慣れてるっぽいけど、俺は初めてだし。
ちなみにシルスファンとミシェルはこの席にいない。正式な席には子供は呼ばれないんだそう。
「こちらはパルムスターツ領のワインだ」
「「「おお」」」
有名なやつらしい。
「「「「乾杯」」」」
さすがお貴族さまのお勧めワインと言ったところか。ちゃんと透き通った味がする。
香りも良い微炭酸の白ワイン。
料理は魚尽くし。
カルパッチョ、海鮮のトマトスープ?
ヒラメのポワレやマグロのソテーのようなのが少しずつ出てくる。
胡椒もちょっと使われてるし、柑橘のソースもあった。
なるほど。
でもちょっと薄味なのは確かだ。素材の味をと言えば良いのか。
パンは焼きたてなので多少柔らかいかな。
最後はリンゴの甘煮がパイみたいな生地に載って出てきた。
砂糖菓子も高級品。
カスタードクリームのないアップルパイ?上品な味わいだった。
ドットたちもさすがにワイワイ話すととはなく、侯爵や夫人から時折される質問に答えてる。
俺にもチラリと他国の貴族かと探りが入ったけど、ドットもランガもやんわり否定してくれた。
_________________________
〈新月の雷光〉
ドット
クレイバー
ドレイク
シャート
〈鋼鉄の拳〉
ランガ
ヴァロ
ヤン
ポルドス領
アンドレ・リューラス侯爵
マリアン・リューラス夫人
ギルマス アントス
シルスァン・ラシャドル
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