ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

65話 食いしん坊枠はすでにいっぱいです。★

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 その生き物はそろそろ~っと手を出してオズオズと食べてたくせに、みんなが怒らないとわかったからか、おかずを摘んでは頬を手でキュッと持ち上げて「おいしぃ~」と言わんばかりにお尻をフリフリさせてる。
 カワウソって雑食なの?
「これは〈モニパル〉と言う魔獣です。人に害はないですし、野営地などで見かけると癒されるので割と餌をあげてしまうらしく、この子の様に人慣れしている子が多いです」
 
 サーキスさまがサンドイッチを片手に説明してくれる。
 ほえー。野生の動物に餌を与えてはいけません!ってこっちでは言われないのかな?
 生きてる魔獣って初めて見たよ。
 魔獣だからパステルピンクなの?目立っちゃわない?
 不思議だなぁ。

 男性陣の食べる勢いはやっぱりすごいので、モニパルが次に手を出そうとしたらすでに何も残ってない。
 絵に描いたような「がーーーーーん!」って感じの顔とポーズをしてクリクリしたお目目をウリューンとさせてる。
「う、何故か罪悪感が・・・」
「え、なんかごめんな」
 アランたちがワタワタと慌ててモニパルにごめんねってしてるの可愛い。

 可哀想になったので非常食用にアイテムボックスに少しずつコツコツ貯めてる分から、プレーンなクッキーを出してあげる。
 お皿に持ったら、モニパルが「パァァア!」っと喜びの顔を見せて、あろうことか他の人が手を出せないように体を使ってクッキーの上に被さっちゃったよ。
 なんて食い意地の張ったカワウソなんだ!

「ははっ、リーシャの作る食べ物は美味しいから仕方ないな。モニパルにも衝撃的だったのだろう」
 ジュリアスさまったら優しいなぁ。

 クッキー皿に覆い被さったポーズのままクッキーを器用に手で口に運んでカッカッって音をたてながら食べてる。

 その様子を眺めながら、みんなで場を片付けて帰る準備をした。
「そろそろ出発しますよ」
 モニパルの使ってるお皿は置いていくらしい。

 私たちが立ち上がって帰ろうとしたら、モニパルが残っていたクッキーを全部お口に入れてリスみたいに頬をパンパンにさせてお皿を抱えるように持ってよちよちとこちらに向かって歩いてくる。
 可愛すぎない?
 私とジュリアスさまで顔を見合わせるとジュリアスさまがモニパルに話しかける。
「皿を返してくれるのかい?」
 いや、違うでしょ⁉
 モニパルはお皿をジュリアスさまに押し付けて、自分はジュリアスさまの手首にぎゅうっと抱きつく。全然手も腕の長さも足りてないから袖口でびろーんとぶら下がってる感じになっちゃってるけど。
「もしかして付いて来たいんですかね?」
 サーキスさまがモニパルを覗き込むとモニパルは頭をブンブンと縦に降ってる。
 賢い!ついでにあざとかわいい!!

「お前、家族や友達と離れても良いのかい?」
 キュキュっと鳴いてるけど多分、会話は成立してない気がする。
「周りにお仲間はいないようですし逸れたのですかね?」
 キュキュキューってどうも肯定してるっぽい様子。
 ジュリアスさまとサーキスさまで相談した結果、連れて帰ることに。
 誰が飼うのかは家族で要相談なのらしい。
 可愛いからみんな構いたがるよね。

 とりあえずニーナが連れて馬車に乗せることに。
 普段ポーカーフェイスなニーナの口角さえも上がるとはモニパル恐ろしい子!

 結局遅くなってしまったので、他に寄り道はせず。
 グレーデン家に帰り着いたのは夕食時間をだいぶ過ぎた後。
 みんなが「おかえり」って温かく迎えてくれるので、幸せいっぱいだよ。
 軽食とおやつをたべようとみんなで食堂に。

 今日の一番は私的にはフリュアの実が手に入ったことなんだけど、やはりパステルピンクなモニパルが話題を攫う。
 ここの人たち可愛い物が大好きだしね。
「うわぁ!ここまで人懐こいのは初めて見たかも~」
 みんなからおやつを貰い必死に頬張る姿が愛らしいからみんなニッコニコです。
「ほれ、これも美味しいぞい」
「あらぁ、なんでも食べれるのねぇ」
 際限無く食べてるけどあの子の胃袋ってブラックホールかなんかかな?

 結局誰がお世話するとかじゃなくてモニパルが好きに動けるように居間に寝床を置いて、様子を見ることになったよ。
 常に誰か起きてるし、モニパルが構って欲しがれば連れて歩けば良いしね。

 お義父さまが《フェルナンド》セリウスさまが《ジェット》クラウスさまが《ヴェム》って色々名前を考えてくれたんだけど、お義母さまが「可愛くないわ」って《ポム》に決定。
 ピンクカワウソなモニパルはオスでございました☆

 その後もみんなでずっとおやつをあげてたら、
「あげすぎも虐待ですよ」
ってハロルドがストップさせた。

 ポムは一瞬停止して悲しげになったけど、お腹もポンポンというか破裂しそうだし、我に返って空腹じゃないってわかったからかそのままお義母さまの胸へとダイブした。
 この家で誰に媚びるべきかを完全に理解しているな?
 お義母さまがそっと抱きしめて、
「まぁまぁ!今夜は私とおねんねしましょうねぇ」
と、ご機嫌でお部屋に連れていったよ。
 ピンクなだけにおすけべカワウソかもしれないな。
「モニパルってもう少しバカっぽい生き物だった気がするんだが・・・」
 ジュリアスさまが首を傾げている。明日一回【鑑定】してみようかな?
「個性かも?」

 人間だってピンキリで色々いるもの。動物だって体験で賢くなるのかも?








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