ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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二章

間話 スノウリリィside ★

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 王命で長男ジュリアスに嫁いできた嫁はとっても小さくてガリガリに痩せいて細く明らかに手をかけられてない子供だった。
 それでも王都からの道中に多少手を加えたとルークが言っていたけれど、私が見てきたどの貴族の子女には当て嵌まらないことに困惑したわ。

 グレーデン領には痩せ細った子供はいない。なんらかの事情で孤児になったとしてもすぐに親の仲間や子のいない領民に引き取られ大事に育てるから孤児院が無いの。
 もちろん領主家として補助もしているわ。

 だからウチの家族だけでなく随行していた騎士たちやウチの従者達が受けた衝撃は凄まじいものだったと思うわ。

 幸いなことに彼女はジュリアスにも私たちにもすぐ慣れてくれて、辺境と言う地に忌避も無く。

 陛下の無茶振りには腹が立ったけど、結果的には感謝しているの。

 ジュリアスは学園に入った当初は体格も王都貴族の平均くらいで自慢じゃないけど美形に育っていたからか、夜会などで年増の破廉恥女たちに薬を盛られて連れこまそうになったり、ねっとりと口説かれたりで女嫌いの傾向を持ってしまったわ。
 もちろん毒や薬には耐性を付けさせていたし、妙な誘いは回避していたわよ。

 当然情報が入り次第、苦情を入れて本人には報復をしたわ。

 だから年頃の女性に興味を持たず、年増の色気のある自信過剰な女を嫌っていて、ウチは下に二人男の子がいるし、義兄や義弟、義妹にも有望な子が居るから、婚姻は強要する気もなかったの。
 グレーデン領は血筋に拘って能力のない者に任せることは出来ない危険な土地だもの。継げる者がいるなら直系に拘らないのよね。

 リーシャちゃんは年上の肉感的な女が嫌いなジュリアスにとっては存在が尊いくらいなよね。
 もちろん子供が好きとか妙な嗜好ではなくてよ。リーシャちゃんはちっちゃいけどふとした表情が大人びてたり考え方はちゃんとしてるから子供扱いは出来ないわね。

 お嫁じゃなくても、娘として来てくれたとしても、最高に嬉しい存在なんだけど、ウチからお嫁に出すとか考えたら泣いちゃうから、やっぱりジュリアスの嫁に来てくれたのが最良よ。陛下はジュリアスのことも考慮してくれたのね。


 王都の夜会に参加させるのは最後まで悩んだの。だって今まで外に出されたことがない子がいきなり私たちの家族として、あのハーボットとオレイユの弾劾があるとわかっている場に連れていくのはねぇ。

 会場ではリーシャちゃんが居心地悪そうにしていたけど、年配の貴族のほとんどはリーシャちゃんが思っている意味での注目を浴びてるわけじゃなかったの。
 セラーナさまに生写しで、カイダール卿が失踪後に一切表舞台に出てこなかったナタリアさまの面影もあるリーシャちゃんを見て驚いていた人の方が多いの。
 あと私とお揃いの生地のドレスもね。

 まぁ若い子達はナタリアさまやセリシアさまのお顔を知らないだろうから、辺境伯家という特殊な家にいきなり嫁いだ謎の《子供》に妬み嫉みを向けているの者もいたけど。
 グレーデン領に住みたくはとしてもウチの財力や権力に群がりたい人間は多いし、ジュリアス自身はデカいといっても良い男なのよ。

 くだらない連中はルルゥや他の護衛たちにチェックをして貰って、今後の付き合いを見合わせるリストに追加したわ☆

 陛下がハーボット侯爵とオレイユ男爵を呼び、カイダール卿の死を発表したとき、リーシャちゃんは想像していたより冷静で泣くことも罵倒することもなく淡々とオレイユ男爵を切り捨てた。
 カイダール卿が行方不明と発覚した後、マーベルハント前伯爵や付き合いの深かった友人たちは必死に情報を集めて長い間探していたけど10年も経てば誰もが死を受け入れるしかなかったのだと聞いている。


 夜会の翌日、ルドガーさまが陛下と話をしてきた。
 カイダール卿を害した理由はハーボット侯爵の方は禁止薬物の製作を断ったことと、イダルンダ・オレイユ男爵の方は孤児売買、奴隷斡旋を知られたこと、ナタリアさまへの歪んだ愛情が絡んでいたからだろうと。
 まだまだ今後取調べで出てくることもあるだろうけど、一番に驚いたことは、マーガレットさまのことね。

 夫の違法商売を知って、リーシャちゃんが普通に育てば餌食になりかねないから見栄えが悪いように夫の関心を引かぬようにしていたのではないか?と陛下が仰ったそう。
 確かに孤児売買や奴隷斡旋などと如何わしい生業をしている者が今のリーシャちゃんを見ればすぐさま売り飛ばすに違いないわ。

 マーガレットさまはイダルンダと血の繋がらないリーシャちゃんなら年頃になれば危ないけど、血の繋がった娘なら売ったりはしないだろうと娘にだけ関心が向くようにしていたらしい。

 なぜそこまで?と思えば、マーガレットさまは夫に愛は無く、カイダール卿が存命時にナタリアさまとの付き合いもあり、仲が良かったことからリーシャちゃんをなんとか守ろうとしたのではないか?と陛下のお考えだそう。

 同じ母親としては実子キミーへの愛が足りない気もしなくはないけど、嫌っている夫と良く似た娘が苦手でも仕方がないのかもしれないわね。あの子は少し会っただけでも強烈だったし。政略結婚で産んだは良いけど人任せで自分で育ててないから無関心だなんてことは、まま聞く話しではあるもの。

 ナタリアさまが実家に戻るなりしなかったのも、オレイユ家の領地にカイダール卿が大事に育てていた薬草畑があってそれを他者に委ねたくなかった、夫を待ちたかったなどの想いがあったのでは?と。

 全部推測だそうよ。真実は本人のみぞ知るのね。

 マーガレットさまは修道院に行くことを希望しているそうだけど、ご実家が叶うのならば引き取りたいと言ってるそう。ただキミー嬢はイダルンダ・オレイユの生業に絡んでるそうで一緒には行けないから、マーガレットさまはおそらく実家には行かないのではないかと。

 リーシャちゃんが抱えていた問題は思っていたより深刻だったわ。
 
 でもアーレン・ポッド様に対しても穏やかに接して、立派だったわ。

 私が16歳の頃だったら多分もっと荒ぶって訳もわからずポッド様を罵倒したかもしれない。
 
 リーシャちゃんは貴族社会に慣れてなくて、見た目もまだまだ庇護すべき子供のようなのに、貴族令嬢としても辺境伯家の一員としても恥ずかしくない、辺境伯夫人としてちゃんとやっていける風格を持っていることは本当にびっくりよ☆

 最初に痩せ細った姿を見たせいでどうしても過保護にしちゃうけど、立派な夫人として対峙しないとなのね!

 でも可愛いから、そうねぇ。私は一生可愛い娘としてみちゃうわね。
 さぁ、今日も可愛い格好をして貰いましょう。ラベンダー色のが良いわ♡

「リーシャちゃん!今日はこのドレスにしましょう♡」
 

 新婚旅行に行ってしまったら私がリーシャちゃんをしばらく堪能出来ないから今日は私のお膝に乗ってちょうだいねぇ♪



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