ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

145話

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 今日は教授たちと騎士さんの訓練を見に行きます。
 魔力の使い方を観察するってヤツです!

「じゃ今日はお昼から兵舎でお仕事だねぇ~」
ってクラウスさまはご出勤。

 リックさまや教授達がいるので馬車で移動した。

「魔力が過剰で使いこなせないというならやはり魔力の高い人を参考にしないとダメでしょうね」

 んー?そうなるとジュリアスさまたちの訓練を見せてもらうのが手っ取り早いのかしら。

「まずは流れを見て少しずつ使ってみたら良いのでは?」
 ジョシュー先生の意見はソフトめだったけど、
「威力の調整が下手なので使わせるのは無謀でしょう」
 リックさまは辛口だった。
 一応以前少し練習したけど暴発はしてないよ!

 訓練場に着いたら騎士さん達がお出迎えしてくれた。
 女っ気が無いからニーナに熱視線が集まるよ。

「リーシャさまはお人形ないかようですから皆さんやに下がってますね」
 ん?ニーナじゃないの?
「この土地の者は可愛いものが大好きなんですよ」
 いつの間にか近くにいたサーキスさまが呆れたように騎士さん達を散らした。

「リーシャさまは無属性ですのでどの属性でも使えるでしょうがここに無属性がいないので得意な属性魔法で覚えてもらいましょう」

 無属性なんだ。気にしたこと無かった!
 物作りの時もなんとなく思い浮かべて目的に合わせた魔法陣使ってたもん。

「んーーー?風かなぁ?」

 スパーンと鎌鼬みたいに切るイメージとかならすぐ頭に出てきそうだし。

 サーキスさまは氷と水だったので、セリウスさまとチェイスさんの訓練を見せてもらうことになった。
 セリウスさまは風と水でチェイスさんは風だったので上級と中級が見れると言うことらしい。

 魔法を使った訓練なので剣の訓練場とは別なので前回見た大迫力の剣戟は無し。
 でも魔法で的に当てたり対戦での訓練はしてるのでマッスルなお兄さん達見放題は一緒。合法の覗き!!

 セリウスさまたちの近くに行って会釈をした後大人しく見学。

 私に分かりやすいようにゆっくりめでショートソードを使って対戦してくれるとのこと。

 2人がふわっと魔力を纏っているのがわかる。セリウスさまが透き通った青緑でチェイスさんが少し濃い緑なのがわかる。

「今の全身に魔力を通しているのが身体強化です」
 サーキスさまが解説してくれる。

 2人は間合いを図りながら一撃ずつ魔力を動かしているのをわかるようにゆっくり打ち出してくれる。
 体内からショートソードに向けて魔法が発動するために動いていく魔力が薄かったり濃かったり、早くしたりで攻撃の強さや速さが変わっていく。

「見事なコントロールですね」
 リックさまが呟くと、
「これくらい出来ないとグレーデンでは魔の森の深部にだせませんよ」
ってサーキスさまは眉も動かさずに答えた。
 手厳し~。

「そうですか?王国騎士団の若手だと速度を落とした瞬間ブレますよ」
「あそこの訓練はヌルいんです」
 
「ほう、最初の1ヶ月で脱走者が出るのですがヌルいですか~」
「学園で親の威光で騎士科の成績をごまかせていた連中なら一週間で逃げてるんでは」

 え、成績誤魔化せたんだ!!
 ん~、普通科は平民も多かったからか結構厳しかったんだけど。
 魔法科はカンガリー教授が不正するわけないし・・・騎士科ってズルいー!

「まぁ残れるのは次男三男と行き場のない必死な者ですよ。腰掛けや名誉が欲しいだけではうちや北との合同訓練で大怪我しますし」

 いや訓練なら寸止めにしてあげて。でも命の危険があるお仕事だから実戦に近い訓練しないとダメか。

「サーキス卿はグレーデン辺境伯と王国騎士団に数年いたと聞いていますがその様子だとあまり良い環境ではなかったのでしょうね」
 お気の毒と言ったリックさまに能面のような顔でサーキスさまは吐き捨てるように答える。

「くだらない派閥争いに巻き込もうとされたり、尻を狙われたりと非常に腹立たしかったので蹴散らしたら半年で追い出されましたよ

 んな?尻?尻といいましたか?

「おや、グレーデン辺境伯は一年はいたと思うのですが」
「ええ、私はホーンにしばらく行ってましたよ」

 ん~?確かにサーキスさまは美人だけど、手を出そうとした人勇気あるな。めっちゃ怖いじゃん!

 耳がダンボになっちゃってついセリウスさまたちから気が逸れちゃうよ!

 慌てて意識を戻したら、セリウスさまが風の魔法陣を出してチェイスさんに攻撃を当てる瞬間になってた。
 細い魔力が精密に魔法陣を描いて一気に魔力が動く。
 チェイスさんはガードの姿勢で魔力の盾を作り出して迎え撃つ。

 セリウスさまの魔力が盾に当たると勢いでチェイスさんは少し踏ん張ってたけど後ろにひっくり返った。

「チェイス、受け流せないとはまだまだだな」
 入り口から声がしたので振り返るとジュリアスさまとロジャー先生がいた。

「んなこと言いますが結構な威力っすよ!」

「ははは、リーシャ、よく観察できたか?」

 はい、サーキスさまが気になってそれどころじゃありません!
 って言うのは無理なので。
 
「すごく繊細な魔法陣が出てびっくりしました」
「ああ、セリウスのは計算が緻密だな」

 え、そーいうのは全然わかんない!でもゆっくり丁寧に見せてもらったから普段はあれが一瞬で繰り出されてるんだと思うとすごいと思う。

「リーシャ、あの的に一回打ってみるか?」
 いきなり実践ですか?

 ちょっと困ってたらロジャー先生が一瞬で魔力を固めたと思ったら一気に上空に弾丸のような魔力を撃ち放った。

 ジュリアスさまもセリウスさまも警戒態勢になって私を庇うと、ロジャー先生が、
「お前たちはまだまだだなぁ」
って笑って、タンと床を蹴って飛ぶとザンっと手刀を放つ。

 上から大きな鳥が落ちてきてその首を刎ねた。

「・・・敵意の無いものには反応しませんよ」

 サーキスさまが呆れたようにいうとロジャー先生が、
「うまい獲物が射程範囲に入ったなら獲りに行くべきだろう?」
って、ニヤリと笑う。ニヒルなダンディ、カッコ良い☆

 落ちてきた鳥から流れる血がパチパチ言ってるんですけど・・・。

「血が勿体無いな。早く回収してくれ」

 唖然として見守っていた騎士さん達が再起動して回収してくれた。

 あの鳥も痺れるやつだ。
 ロジャー先生も食い意地が張ってるんだね。

「サンダー系が続くのは珍しいな、チェイス、魔の森の調査を頼む」
「はい!」
「あ、私も行きます」
 
 サーキスさまが立候補しちゃった。
 
「あ、じゃ俺もいく。海行けなかったし」

 セリウスさま、魔の森はバカンスじゃないでしょ!

 調査には中隊組んで行くので準備してくると出ていってしまった。

「はぁ、短剣が飛ぶのは見ましたが高魔力も飛ぶんですね」
 リックさまが少し引いてる。リックさまにも短剣飛んできたんだ。

 ロジャー先生のは指からビームって言うより波動砲だったよね~。
 魔力の出力がすごかった。

「気が削がれたがリーシャ、試し撃ちはするか?」
 ジュリアスさまが聞いてくれたので頷くと私を後ろから抱えて、
「あの的に向かって小石を一直線に飛ばすイメージで魔力を放ってみろ」
と言われたので、そのイメージで。

 パンって小気味よく的に当たって音が響いた。

「うん、うまくいったな。次は拳大の石を真っ直ぐだ」

 さっきの的の横の的に向かって放つとイメージより大きすぎる魔力が出た。

 的は壁にめり込むように割れて埋まった。

「・・・、まぁ誤差だな」

 あ、慰めはいらないよ!!

「魔石に力を移したりした方が早いか?」

 ジュリアスさまはリックさま達と相談を始めた。

 むぅー、今まで大丈夫だったから平気なのに!



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