ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

213話 体調はいいと思うの ★

 挨拶してすぐさま、お義母さまから私を受け取ったジュリアスさま。
 お義母さまがブーブー言いつつも笑ってる。

「調子はどうだ?」

 心配そうにおでこくっつけてくる。
 熱は出てないんですよー。

「お昼から寝ててさっき起きたのでもう元気です」
「そうか」

 キツめの眼差しがへにゃって和らいでちょっときゅんだよ。
 一緒にお部屋に戻ってジュリアスさまのお着替えを待つ。

「来月のアッガスの海開きに向けてアルジェがこちらに来てくれるぞ。海洋国との交流や輸出入のノウハウをレオルカに教えてくれる」

 おお!キャベルルン国のカマランの領主さま(イケメン)が来てくれるんだ。

「隣とはいえ他国なのにそんなに協力してくださるんですか?」
「この大陸の海側に領地を持つ者にとって、海向こうの国は脅威だからな。お互い連携を取るのは本来の姿なのだが前領主がほぼ外交を絶っていたのでアッガスは孤立しているんだ」

 前の領主はいろいろダメなクソ領主だったんだね。外交を断つって大問題なのになんで放置されてたんだろ??

「なぜ国としてテコ入れがされてなかったんです?」 
「レイドラアースは海のある領地が二つしかなく海向こうとの交流に積極的ではないんだ。その代わりと言えるかはわからないが地続きの近隣国とは密にしている」

 ディゴーに来てた外国からの商品はカマラン経由で入ってきてたけど、この国の人たちに興味が持てる物がなかったの?

 スパイスとかスパイスとかスパイスとか!

 あとコーヒーとカカオ!

 使い方がわかってなかったのだから興味を持つわけないか。カマランでもスパイス使ってなかったもんね。

「近々ファティマ王女が海洋国デレードに嫁がれることに決まった」

 ん⁉交流がなかった国にいきなり娘を嫁がせるの⁉孤立無援でしんどそうじゃん?

「陛下はグリーンリバーや近隣にと考えていたそうだが王女自身が自分の存在意義のために一番良い決断をすると選んだそうだ」

 アッガスが海外との商業取引を決めたのは最近なのに、いきなりそんな話が出てくるなんて。

「王女は我が強い。言い出した以上折れないからな。陛下がいろいろ婚姻契約の項目を増やしたそうだ」
 
 おっと!逆に向こうの心象を悪くしないかしら。

「アルジェがデレードの王子は〈悪くない〉ヤツだと言っている」

 フランクな付き合いがあるのかな。

「お幸せになられると良いですね」
「そうだな」

 存在意義にためというのはどんな思いが込められているのか私にはわからないけど、国の友好のために行かれるなら、アッガスの海が安全に航行が出来て里帰りが容易いようにするのが私たちグレーデン家から王女への餞だと思う。

「さあ、食事に行こうか」

 本日の夕食は若手の騎士さんが初めての大物10mくらいのウォータービッグバイソンを狩った分のお裾分けだそう。
 騎士棟ではお祝いで大騒ぎなんだとか。素敵な職場。
 
 だ・け・ど。私の夕食は今日もお粥だよー。

「リーシャちゃん、もう体調はいいの?」
 クラウスさまが口いっぱいにお肉を頬張りながら聞いてくる。

「多分大丈夫?」
「多分って!」

 ケラケラ笑うけど、無自覚なんだもん。
 多分アレ来ちゃったらお腹が痛くなるんだもん。

「クラウス、風邪も引いたことがないからわからないでしょうけど女の子はいろいろしんどいのよ」

 え⁉風邪も引いたことないってすごい。

「ふーん?まぁさ、具合が悪い時は無理しないでねー」

 無理をした覚えがないから困るんだよー。

「あ、そういえばデイジー嬢はバーベラに付き添ってもらって少し学んでもらったあとディゴーの学校を担当してもらうよー」
 
 ディゴーなら自警団もいるし、人手も人目もあるから騎士さんたちもいきなりナイフを投げてきたりしないから大丈夫。

「あと薬草を描いた新しい絵札がいろいろ仕上がってきてるよー」
「そうなんですね!子供達の反応はどうですか?」
「楽しそうに使ってるよー」

 絵札の裏に絵に描かれたモノの名前と説明が入ってるから。覚えやすいはず。

「体調が落ち着いたら一緒に顔出しに行こうねー」

 私が午後のお仕事をしばらく出来ないから報告を受けるだけになっちゃう。

「そういえばセリウスがダンジョンを踏破し終わって王都に報告を入れてから帰ってくるぞぅ」

 踏破!すごい。

「比較的、低レベルらしいが少し苦戦した階層があるらしいぞぅ」
「うわー、そそられるー。早く行きたいなー」

 クラウスさまはよっぽどダンジョンが好きなのね。

 デザートはアイスクリームではなく果物を凍らせて削った氷菓だった。
 

 美味しくいただいた後は、ジュリアスさまと一緒にお風呂に入った。





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