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三章
254話
本日、特にすることが無いと良いので私用訓練場に行くことにした。
「アランとジェイクは自主練してていいよ」
アンゼリカさまに教育的指導されたら可哀想だしって思ってたら、そのアンゼリカさまがチェイスさんとアモンさん連れてきて。
「おう、女王さまが特別にシゴいてくれるそうだぜ!行ってこい行ってこい」
行ってこいが逝ってこいに聞こえてるんだけど。護衛を交代しちゃったよ。合掌。
「えええ~・・・」
「イヤイヤイヤイヤ・・・・」
ドナドナされて行くアランとジェイクがプルプルしてるよ。
仕方ないのでチェイスさんとアモンさんを引き連れてニーナの抱っこで訓練場に。
もうだいぶ体重増えたはずなのにニーナってば軽々と抱っこしちゃって。どんだけ鍛えたんだろう?
「で若奥様は何するんだ~?」
「相変わらずキレーな訓練場だなぁ」
うーむ。うるさそうだ。作業中ずっと見られてると落ち着かない。
「ちょっと作りたいものがあるから二人とも訓練でも昼寝でも好きに過ごしてて」
「え?アイツらお昼寝出来んの?マジっすか?」
「いや、アランとジェイクはいつも二人で鍛錬してるよ」
二人にあらぬ評価をつけられちゃうとこだった!
軽く組み手するとか言い出したの放っておこう。
ニーナには近くのテーブルで刺繍でも読書でもしてて貰おう。
『主、ずいぶん張り切っておるの』
アズライトは近くの窓辺で日光浴をしつつ覗いてる。
(木の実からお酒が作れそうだからより美味しくしようと思って)
『なんと!主は酒まで作るのか?』
尻尾をビタンビタンと窓に当てるもんだからちょっと怖いよ。強化してあるけどさ。
(作れると言うか混ぜるだけなんだよねぇ。発酵具合を見つつ放置して、最後は蒸留してアルコール度を上げて綺麗なお酒にするの)
そんなわけで訓練場の一角を温度管理出来る貯蔵庫にしようかと。
改装改造は好きにして良いって言われてるのでやっちゃおう!
作業場に置いてある建材や鉄板で壁を作って、アイテムボックスから魔石を数個だす。
内部に入って作業しようとしたら、ニーナも中に入ってくる。
アモンさんとチェイスさんも入ってこようとしたけど物を作るだけって言ったら近くで待機するって。
むー。
まずは貯蔵室の温度管理用に冷蔵と湿度管理を出来るように魔法陣を床に魔力インクで描き込む。魔力歩いても物を引きずっても傷つかないはず。上から保存魔法も掛けたけどね。
樽を横置きで保管できるように棚も設置。
んで部屋の片側で蒸留器を作るよ。
加熱釜、濾過槽、冷却器ぐらいで良いかな~。やりすぎ注意だし。
そもそも木の実と種混ぜるだけでお酒できるとかめっちゃ楽で良いし。
この世界のエールとかどうやって作ってるんだろうね?麦と種?混ぜるだけとかかなぁ?
これも貯水と排水の魔道具も足しておけばだいぶ良いよね!冷却水代わりになるでしょ。
残った粕は飼料に混ぜるか畑に撒けば良いよね。
樽三個分くらいの装置を三台だけどとりあえず良いかな。
好きなだけ飲めるようになるまで寝かすぞー!三年ものくらいで勘弁して欲しいけど!十年寝かせえる羽目になったら泣くよ!
攪拌機も作っておく?
うろ覚えなお酒造りの良さげな装置を出来るだけ思い出して作った。
この部屋で撹拌発酵蒸留までやれる!!
魔素でエネルギー供給タイプにしてあるからこのグレーデンの地でなら停電知らず!
「ご機嫌ですねぇ」
もちのろんだよ。だってお酒だよぉ!
未だホットワインしか飲めないけど堂々と飲めるようになったら美味しいのを飲むんだ!
「最初の樽の分は家族とニーナで飲むんだ~」
ベンとレンガにも味見してもらわないとだ。
ルルゥはぁきっといつの間にかいるしね。
まぁ昨日仕込んだ分で屋敷内とリックさま、教授とジョシュー先生の分も一杯ずつならイケる!
ふーむ!王様やお祖父様やホーン家、リュフェリー家にも一本ずつ送りたい。
何味が当たりとか出ちゃうかしら?
もう少し仕込もうかな?
濃いお酒だから小瓶に詰めるかな?
めっちゃワクワクする~!
途中でお昼ご飯食べたりしながら室内を最高の造りにしたよ。
一回本邸の貯蔵庫に仕込んだ樽を取りにいってアイテムボックスに詰め込んで訓練場に戻る。
さすがに樽を持ち上げるのは魔法でできなくも無いんだけど、アモンさんとチェイスさんが受け持ってくれて、発酵用のタンクに移してもらった。
匂いがまだ酸っぱめなので「ビヤッ」「ボゥエェ」ってやってたけど、これが美味い酒に変わった時の反応みたいな。
入れちゃえば蒸留まで全自動なので樽を〈洗浄〉して横に置いておく。
数日後には蒸留が済んであとはしばらく寝かすだけ。
ガラス瓶、贈答用と記念用だけ私が作ろうかな?
「若奥様~これ何ができるんすか~」
臭いが辛かったから知る権利はあるかもだけど騎士団のみんなに知れ渡っちゃうと全然足りないからどうしよう?
「守秘義務、発動しても良い?」
「大事!?」
結局二人は誰にも言わないって誓ったので濃いめのお酒が出来るって教えたよ。
唖然としてたけど、美味い酒って聞いて目の色変わったので味見の約束はした。
この世界、売上についての法律はもちろんあるけど、酒税法みたいなアルコール度とか色々細かいのは無いらしいので安心だよ。
さて満足って思ったら、アズライトがドーンと樽いっぱいの花ミツバチの蜂蜜を持ってきてポムとティムが自分たちの好きなハーブをデデンっと思ってきたので、専用に蒸留機を二台追加することになった。
出来上がったら分けて欲しい。
やり切った感で本邸に戻ったら、玄関ホールが騒がしい。
アレ?お義父さまたち帰ってきた?早くない?
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