ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

406話

 訓練場の作業場に向かえば、ポムとティムがぴょんぴょん跳ねて、ディディエはその動きを飛びながら真似して遊んでた。
「プッキュン!」
「モッキュン!」

 畑がなんか広がってるな~。端が見渡せなくなりそう・・・・・。

 あと訓練場の裏が林を越えて森になってるぞ。どんだけ木を増やしたんだろう。

「一気にやったら収穫の人足りないでしょ」
 思わずぼやいたら、ティムとディディエが一回首を傾げてからいきなり風魔法を放って果実を一気に収穫しちゃった。
 私に見せるためのひと薙ぎだったから一列分だったけど一瞬で終わってる。

「わぁ・・・」
「ププキュン!」
「モキュキュン!」
「ギャオ!」

 プルルンが山盛り。

「人手の心配は要らなかったね」

 どんなもんだいと胸張りポーズのポムたちを一応褒めてクッキーを渡してから作業場に向かう。
 ついでにマイ酒蔵をチェックしておこうと覗いたら、どぶろくっぽいのと花を使った見た目バイオ○ットフィズみたいな綺麗なリキュール、薬草酒とスパイスいっぱいのハーブ酒が樽に詰めてあった。
 良さげなものとりあえず入れた的な。 

 ポムたちが仕込んだらしいタンクには、なんと梅の実が入っていた。
 梅!!!
 鑑定したら梅酒、梅ブランデー、梅ワイン、梅リキュール・・・ウメ○シュ!!
 どんだけ梅が豊作だったの!
 タンクがほぼ梅用にされてる。

 ヤバいのって梅のこと?
 梅の実齧ってまずかったってこと??

 って言うかお祖母様がくれた種、一気に育てちゃったか。

 まだ梅の実が樽に残ってるので梅干しを漬けねば!!
 いや完熟がいいんだっけ?

 しかし魔道具作りをしなくちゃなんだぞ!

 ・・・梅干し食べたい。梅干しおにぎり食べたい。
 焼酎お湯割りに梅干し入れたい!!

 欲望のままに!

 アランとジェイクにお願いしてお手伝いしてもらう。
 白干し梅と紫蘇梅、蜂蜜梅を作るために材料を用意。
 紫蘇は似たハーブがあるので代用、お塩はアッガスの海塩を使おう。
 蜂蜜は蜜ミツバチのは勿体無い気がするけど、おやつ梅にしたいので蜜蜜ミツバチが七虹草から集めてくれた最高級なやつ!!

 今日ばかりはカモン!!ルルゥ!!
 な気持ちで材料をアランに取りに行ってもらったよ。

「リーシャちゃん、その実、美味しく出来るのぉ?」
 アランから何をしようとしてるか聞いたみたいで、ルルゥはめっちゃ訝しがりながら来てくれた。
「齧ったの?」
「すべての食材は味見するでしょう?」
「これは生で齧ったらダメだよ」
 そもそも毒があるもの食べたら大変じゃん。
 ポーションがあるからチャレンジャーなの?
「でもデリアさまはダンジョンでオヤツにしてたんでしょ?」
 それな。
 食べるものがなかったとしてもとんでもない不味さと毒なんだけど。
 環境に合わせて毒に馴染んだとかあるのかな。

「これは漬物にして食べるんだよ」
「漬物?ピクルス?みたいなやつぅ?」
 酸っぱすぎたビヤの実のせいで酸っぱい味は倦厭されてたけど、ピクルスはみんな喜んで食べてくれるようになった。

 ・・・梅干しは受け入れてもらえるかなぁ?

「んー、酸っぱいけど、食べ物を痛みにくくしてくれたり身体の調子を整えてくれたりするんだよー」
「あらぁ!食べ物が傷まないのは素敵ねぇ」

 まぁ受け入れられなくとも、酒に入れるのはきっとハマるよ。マギー先生が。

「タンクのお酒の方はきっとすごく美味しくなるよ」
「ホント!?あの実が美味しくなるのぉ!?」

 ルルゥがワクワクしてくれたので、梅の実の処理してアクを抜いて、拭いて樽に入れて塩と焼酎もどきをふりかけて。
 紫蘇は揉んで足してと手順を説明する。
 蜂蜜は白干し梅が出来てから。

「何日もかかるのねぇ」

 アランもジェイクも黙々と梅の実のヘタを穿ってくれる。
 なぜかポムとティムが一緒にホジホジしてる。可愛いな。 
 ディディエは体型的に細かい作業ができないのでルルゥの頭をツンツンしながらいじけてる。

「で、お手伝いさせておいて申し訳ないんだけど私、魔道具を作りたいからあとはお願いしても良い?」
「良いわよぉ」
「はい」
「大丈夫です」

 作業場の扉は開けておくように言われて。
 アズライトは私が無茶しないように監視するって肩に乗ってる。

 さて、作る魔道具の材料を選んでテーブルに載せる。
 入浴した人が座ったら起動するセンサー式ジェットは風の魔石。
 電気風呂には雷の魔石。
 強弱のレベルを変えられるスイッチもつけよう。
 スチームサウナには水と火の魔石。
 温度管理パネルがいるねぇ。

 魔導インクのおかげで彫り込まなくても結構保つ物ができる。半永久的になら彫り込む方がいいけど、私の他にやれないことはあまりしない方向。

 とりあえずそれぞれ二十個ぐらい作った。
 本邸と宿用、カイダール領に使う分と考えると一回ずつやるのは面倒だし。

 使う術式を決めて成功したら数作る分には素材と魔力次第なので問題ないのだ。

 動作確認をして鑑定で失敗してないか確認出来れば、改めて設計図を書く。
 中級魔導師が作れる範囲にしないと人任せに出来ないのが辛いところ。

『主、今日はそこまでだの』

 トレーニング用には着手出来なかったけど温泉スパには十分な装置になったはず。
 あとで牛乳とフルーツ牛乳用の冷蔵庫や換気用の天井扇風機を作りたいなぁ。
 壁に富士山を描いたらどうかな。
 この世界の人に富士山はわからないだろうけど、太陽と鷹と松を描けば縁起が良さそう!!
 あ!!露天が無理な代わりに壁にステンドグラス窓作ってレイドラ神と精霊王を描いてもらう?
 騎士さんに加護をって!!

『主!向こうも終わったようじゃの!』
「あじゃぱ!」
 私が思考の波に乗ってしまったのでアズライトに尻尾で頬を叩かれちゃった!

「リーシャちゃん、集中してたわねぇ」
 ルルゥたちが目をしぱしぱしつつ待っててくれたので、仕上がった魔道具を試してお疲れをとってもらおうと思いついた。

「ルルゥ!ちょっとお風呂でこれ試してくれない!?」
 訓練場に簡易なお風呂があるのでそこでジェットバスと電気風呂を試してもらいたい。

「・・・試すのは構わないけど私の入浴を見たいってことかしらぁ?」
 ルルゥがセクシーに胸元に手をかけてシャツをチラリとはだける。
「え“っ!?」

 なんてこった。
 ナチュラルにセクハラをかましてしまった。

「見ないよ!!?」

 アランとジェイクが苦虫を口に入れたみたいな顔してる。
 筋肉は好きだけどジュリアスさまで間に合ってるよ!
 うん。お試しはジュリアスさまにお願いしよう。


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