ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

479話

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「精霊と神の恵みに感謝を」
「「「「「感謝を」」」」」

 みんなはやっぱりお肉からいっちゃうねぇ。
 魚が主役なのよ?
 アランとアモンさんだけ、お魚をしみじみと食べてくれる。
 ニーナも席についてくれてるけど、ポムたちのお世話が優先だ。
 ルルゥも一緒に食べるのは滅多にないから楽しい。旅先やバーベキューでも作りながらだしね。

「朝からゴハーンは珍しいな」
 そうだね、朝はパン、パンパパンだよねぇ。
 米を食べる習慣が無かったからか、夜やお昼用お弁当にたまに出てくる感じだ。

「パンの方が良かったです?」
「いや、ゴハーンはリーシャの作るおかずに合う」
「そうねぇ、フリュアとゴハーン会うのよねぇ」
『パバブもゴハーンが合うよの』

 まぁ和食中心にしたからね。今回。

「パンよりゴハーンの方が腹にたまる気がするっすわ」
 腹持ちはいいかも。確かに。

「おにぎりも中に具が入ってるから嬉しいです」

 定食大盛りじゃ足りない人たち。

「これだけの品数を作ろうと思うと手間よねぇ、常駐させるコックの腕次第ではキツイわよぉ~」
 このお宿はグレーデン家の別荘扱いだから、泊まる時はコックさん連れてだけど、他のお宿も旅館もここまでは出来なくても大丈夫なはず。
 旅館の方は、グレーデン家で修行したコックさんによる通常の食事でいいし。

「量を多めで品数を減らしても大丈夫でしょ。今回は試しにいろいろ作っただけだし」
「でもぉ、作れるに越したことはないから特訓しないとぉ」
 プロたちなんだから、慣れたら私より早いだろうし、美味しく作れるよ。

「コック長の裁量でいいと思うの」
「そうねぇ、得意なものを出すのはもちろん、満足してもらわなくちゃでしょう?」
 
 ルルゥが頭の中でいろいろ考えちゃってる。

「今日は休暇だ。話し合いはまたにしよう」
 ジュリアスさまがルルゥを止めてくれた。
 ルークも話に混ざりたそうだったから助かった。領地の繁栄の話は大好物だものね。

「ルーデウスは見た目を裏切ってクソ真面目だよな」
「そうそう、ルークより硬いんじゃねぇか」

 アモンさんとチェイスさんが、二人を怒らせそうなことを。

「食事中だからやめておくが後で覚えておけよ」(デスボイス)
 ルルゥからゴン太い声が出たじゃない。

「おー、こわ」

 魚にかぶりついていたポムがチェイスさんの手の甲をガブリ。
 
「イッテェ!」
 一瞬、ポムに擦り寄られて嬉しそうになった瞬間噛まれてちょっとウケる。
「プキュキュ」
「モッキュン」

『食事をくれる奴に逆らう奴はバカなんだぞ!食いっぱぐれるんだぞ』
 ジャスパーがポムの通訳?をした。

「あー、じゃれあいだって、逆らってるわけじゃないからよぉ~」

「プゥ!」
「モッ!」

 これは「メッ」だな。私にもわかる。

「くっそ~、協力な武器持ってんなぁ。ルーくん」

 あ、懲りてないぞ。
 あと、「ルーくん」だとルークも巻き添えだぞ。

「ルーデウス、この二人は明日から一週間、大旦那さまに付かせる」
「へぇ~。行き先次第だは楽じゃないのぉ?」
 なんだろう。ルーデウス呼びはルークには許されてるのかな。

「「・・・」」

 二人とも黙っちゃった。
 お義父さまは、討伐の時は楽しそうだけど、普段はどうなんだろう。

「父上は2人が付くなら活動範囲広げそうだな」
「「・・・」」
「ハロルドさんが一緒ならいいかもぉ?それで許してあげるわぁ」
 ルルゥがめっちゃいい笑顔になった。二人はちょっと魂が抜けかけてる。

 その間、もくもくと食べ続けたアランとジェイクは賢いと思う。

 朝食を終えて、お昼の用意の説明をルルゥにしておく。

 昼食後には帰る予定にしている。

「じゃぁ、また後でね」


 ジュリアスさまとジャスパーとアズライトとで部屋に戻った。

「アズライト、ずっとルークといたの?」
『いや、湯に浸かって、縁側で寝たりしていたの』
『我はニーナと湯に入って、毛を撫でてもらっていたんだぞ』
 あはは、ルークもニーナもお仕事で来てるから甘い時間はなしなんだ。

 家族がお宿に泊まるの飽きたらルークとニーナにも一泊とかしてもらおうかな。
 交代で侍女長たちとかしたら、アンケートとか取って他のお宿に意見を活かせるし。

 それなら少し遠い方がいいかな??希望を聞いてからがいいね。


「ジュリアスさま。お庭お散歩しましょ」
 お風呂に浸かるのも捨て難いけど、ここのお庭も堪能したいな。

「そうだな、俺は抱っこで行きたいがリーシャは歩きたいか?」

 わぁ。それは悩むな。でも抱っこだとジュリアスさまの目線で景色が見れる。

「えーと、半々で?」
「そうか」
 ジュリアスさまが「おいで」って手を広げてくれたので抱きつくと片手で支えてくれる。

 ジャスパーとアズライトに『甘酸っぱいのぉ』とか言われつつ、庭に出たよ。



 じゃりじゃりと石の音をさせながら、屋敷沿いを歩く。
 石庭をゆっくり眺めて、池では鹿威しの音を聞きながら水面を覗く。まだお魚は入れてない。睡蓮は移植したけど今は咲いてない。
 いずれはたくさん咲くといいな。

「ここでは時間がゆっくり流れている気がする」
『仕事に追われぬからではないかの』
 アズライトが身も蓋もない言い草だ。

「それもあるが、なぜか心が和ぐ気がする」

 荒地が減ったとはいえ、景色はやっぱりワイルドなグレーデンなのでこの敷地内は別の世界に見えないこともない。
 
 家の庭も離れの庭もワッサワサと茂ってるし、池も別世界ではあるけど、このお宿は馴染みのないものばかりだからかなぁ。

『主はもう少しゆっくりした方がいいんだぞ。ルークはおっかないんだぞ』
「あれくらいしっかりしてくれてるから仕事が溜まらないんだ」

 普段一緒にいるジャスパーが言うんだからよっぽどなんだろうなぁ。


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