ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

561話

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 綿菓子が行き渡る前に王子さまたちと王女さまたちがお部屋に戻され、後半の部が始まった。

 ナギ国の方達はこっちの音楽で踊るのはどうなんだろうと思ったら、基本のステップはあまり変わらないので大丈夫なんだって。
 ただお相手が合わせて動ける上級者しか無理だろうってことで、上位貴族がお相手になることに。

 私は体格のこともあって、家族以外は無理なので、ホッとしちゃった。だって振り回してもらうだけで踊ってないかね☆てへ!

 ファースト男子はジュリアスさま、その後は、セリウスさまとお義父さま、アークさまって、ブンブンされてるのを何気に女性陣は羨ましそうに見てた。うん、全部委ねてお任せ出来るって、良いよね。
 頼りになる男性陣が素敵だよね!

 ユエさまには『新たな格闘技のようです』って言われちゃった。

 ユエさまに誘われて、『私の足の上に足を置いてくだされば良いので』って、そんなわけにはーって思いつつ、ジュリアスさまが『大丈夫』って送り出すものだから困った。
 中央に行けば、ナギの音楽に変わって、二胡や胡弓なんか旅情的と言うか懐かしいような弦の音と笛の音が。太鼓もね。

 ゆっくりめのダンスになって、これならって思ったのも束の間、足の上どころかやっぱりほぼ持ち上がった状態で。

『たまに殿下方の練習に付き合いますが、腰を痛めますのでこれは良い方法を知ることが出来ました』
 え?王女さまたちの教育に良くないし。持ち上げるのも腰にクルよね?
『屈んだ状態よりは、持ち上げる方が楽ですよ。これでも鍛えてますから』
 えー。
『身長差が無くとも不慣れな女性には少し浮く感じでリードすることもありますよ』
 えー。

『あ、今使ってる楽器は購入出来ますか?』
『おや、気に入って頂けましたか』
 シタールのようなのも良い音だけど、二胡も好き。
 あ、楽器鳴らす才能はないので誰かに演奏してもらうよ!

 購入は出来るけど、量産品ではないから数年かかるって。船便のこともあるし、待つのは構わないのでお願いした。私の貯金が使えるチャンスきたー!

 音楽が終わったので挨拶をして戻ろうかと思ったら、ジュリアスさまがあの派手な令嬢に迫られていた。

『ユエさま、あの方は外交的に紹介したい方ではないので次は私の義母を誘って頂けませんか?』
『危険人物ですか?』
『危険ではないですが、失礼な人です』
 ジェラシーとかじゃなくって、態度とかね。感じ悪いし。

 お義母さまが私がユエさまを案内したことで『まぁ、よろしくお願いしますわ』って、ユエさまと踊り始めた。
 お義母さまは、ジュリアスさまの態度も私の対処も見てそうで怖いなぁ。

「ジュリアスさま」
「ああ、妻が戻ったので」
 派手な令嬢、令嬢って言いたくないアニエス・ヘイト侯爵令嬢が私を見て蔑んだ顔を見せる。
 そしてジュリアスさまの腕を強引に掴んだ。

「ふふ、そろそろ一年、第二夫人を娶ってもよろしいでしょう?リーシャさま」
 猫撫で声のようで全然媚びてないのがイラッとくる。

「ジュリアスさまが望まれるのなら反対はできませんが、ヘイトさまでは無理です」
 まずはリーシャ呼び許してねえんだよパーンチからかました。
「あら?何故かしら?」
 あ、嫌味は通じない感じですか。そうですか。
 ケバいから!って言いたいけど、似た感じの人が結構いるから言えないね。流行ってるの?その派手ドレス。

「ジュリアスさまは動物性の香水が苦手です。露出の高い衣装を妻が着ることも望まれませんの」
 私の露出の少なさはただ痩せてるから出さないだけだけど、お胸の頂が見えそうなデザインはジュリアスさまでなくともね。
 お義母さまたちも谷間は強調するドレスを着られるけど、品は保ってるもの。

「あら、この香水が苦手だなんて田舎の方は変わってらっしゃるのね」
 あ"ーーーーん!?
 セクシーな気持ちになる効果とか言うんだろうけど、原液みたいなの使ってたらただの悪臭なんだけど?

「その田舎では今は花の香りが流行っていますので」
「お安いのでしょう」
 あ、情報を得られてないって白状したね。
 美容液関係は王妃さまも公爵夫人も使ってくれてるし、香りもお花やハーブ等、柔らかな物を喜んでもらってる。
 カイダールのハーブ化粧水も知らないんだ。
 この侯爵令嬢、家族とか友人からの情報もないんだ。

「さぁ?お値段は気にしたことがありませんの。好きなだけ使えますので」
 自分で作ってるし、工場産は試作がくるし、カイダールから試作も完成品もお兄さまからプレゼントも来ますので!

 ジュリアスさまが居心地悪そうだな。ちゃんとヘイトさんの腕はペイッと外して、私の腰を抱いてくれたよ。
 
 近くにナギの人がいないので、言葉は普段通りにしてあげてるけど、そろそろ公用語に切り替えたほうがいいかしら。

「いろいろな殿方のお声をかけてらっしゃるようですけど、何故ジュリアスさまに何度もお声をかけられるのでしょう?」

 一番聞きたかったことを聞いてみた。いろんな人と浮き名を流してるって噂なのに、しつこいよ。

「まぁ失礼な言い草ね。ジュリアスさまにはあなたのような小さな方とは合わないでしょうから、美しくて経験豊富な私が良いに決まってるの」
 あ、経験豊富って言っちゃって良いんだ。ほう。

「私は化粧の匂いが苦手だ。男癖を自慢するようなことも好かない。あと名前を呼ぶことは許していないはずだが」
 
 かなり抑えめに言ってると思うけど、ヘイトさんムカついてるらしい。

「この私が相手をしてあげると言っているのに何度も断ってどう言うつもりなの?奥手にも程があるでしょう?」

 ん?どこの私だ。

 侯爵令嬢って何様なの?

 周りに遠巻きにいた人もぽかーんだよ。

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