ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

567話

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 昼食までそんな時間がないので、ちょっと腹ごなしに庭園に散歩に行きたいって言ったら許可されたので、チェイスさんとアモンさん、ニーナとで王宮庭園の中の上位貴族が王宮滞在中のみ開放されている庭園に向かった。
 
 洗練されたとか造形美とか正直わからないけど、お手入れされてきちんとデザインされてる魅せるためのお庭って感じで趣のある庭園だ。

「上品すぎて鼻がむず痒いんだよなぁ」
「居心地は悪い」
 チェイスさんもアモンさんも美術館とか苦手なタイプだね。

「庭で鍛錬出来ないしな」

 王宮じゃ半裸で打ち合いとかしてたら怒られそう。

「王国騎士団の訓練に付き合うのは?」
「いやだよ。アイツら弱いくせにプライド高いからなぁ」
「俺たちは平民だからなぁ」
 騎士爵でも平民出だと蔑まれたりするそうだ。王国騎士にも平民はいるはずなのに、差別があるなら最悪だなぁ。

「上の方はまだ態度に出さないだけマシってやつだ。生まれっていうのは自慢なんだろうさ」
 うーん、王国騎士のほとんどは次男以下の継ぐ爵位がない人たちのはず。
 しかも王国騎士では、大物討伐の機会が少ないから騎士爵を得るのもわりと難しい。
 
「褒章や勲章を自慢げにぶら下げて訓練場行くのはどう?」
「そりゃ嫌味すぎるだろ」
「自慢げって」
 式典でもなきゃじゃらじゃらさせてたら邪魔だろうな。

「ルドガーさまやジュリアスさまだったらもう付けるとこが足りないだろうけど俺たちはそこまでじゃないわ」
 缶バッチで埋まったオタバッグならぬジャケット着てるお義父さまを想像しちゃった。
 布地見えないやつ。

 凸凹のない安全な石畳を降りてちょっと奥まった場所に進んだ。
 木々が並んでるので自然の香りに癒される。

「自然のまんまの方が落ち着くよね」

 手入れされた薔薇園とかはもちろん好きだけど、グレーデンで生命力あふれる草木に囲まれてる方がいい。

 カイダールの薬草いっぱいの草原も捨てがたいね。

 散歩のつもりだったけど、ほぼ日光浴で終わった。

 昼食はお義母さまとで、パニーニとコンソメスープ、食後はパイやタルトが出てきた。
 これからドレスの採寸とかされちゃうのに。
 あ、お腹ポコっとさせたままの方が着る時に食事の制限気にせずいられるかも。

 お義母さまはサイズ変更がないまま十年以上維持してるそうだけど、本当どうなってるのかな。セクシー忍者の女優さんとかどうにも止まらない歌手さんかな。
 
 王女さまたちの元に行く前に、ルルゥがグ○コのお菓子を届けに来てくれた。

「こっちがマーベルハント侯爵家用、こっちがポムたち。グレーデン家に送る分と急なお土産用、そして大奥様の夜のおやつ用で、こちらは王妃さまと王女さまたちへのおもたせねぇ」

 おお、物凄い大量だよ。お義母さまの夜のおやつって、夕食後じゃなくてお夜食の方かな。マジっすか。

「ありがとう、ルルゥ、大変だったでしょ」
「いいえぇ、新しいおやつを覚えられると王家のコックたちが手伝ってくれたからぁ」
 おおぅ。時間外労働だったらどうしよう。

「私の作り貯めたお菓子も一緒に一通り味見用に置いてきたから満足してるわよぉ」
 グ○コのお菓子は一般に流通してないし、私のレシピのお菓子は高級品になってるから、残業代分よりお得感があるらしい。
 ルルゥ作って言う付加価値付き。
 国内屈指の腕のコックさんの残業代とか高そうなのにそれで良いのかって気もするけど、納得してくれてるなら良いかなぁ。

「私はちょっと昼寝してくるわねぇ」
 まさか夜通し作ってたのかしら。

「えっと、お休みなさい」

 お義母さまはグ○コのお菓子に目をキラキラさせてる。
 さっきまでパイ食べてたのに。
 誰もが憧れる美人さんなのに。

「さぁさぁ!これを持って早く行きましょうねぇ」
 ドレスよりお菓子タイムに意識が向いてる気がするよ。

 侍女ーズさんたちにお菓子を預けて、王宮侍女さんに案内されて、王女さまたちの滞在するフロアに。

 応接室に通されてみれば、すでにマダム・シフォンたちが布やトルソーを準備してて、ナギ国のお衣装さんたちも大きな行李みたいなケースから布を出してた。

 こっちにはない光沢のある生地だなぁ。

『『待っていたぞ、リーシャ』』
『すごいでしょう、こんなに華やかな生地を見たのは初めてよ』
 興奮気味の王妃さまが手にとっているのはいわゆるチャイナ生地みたいな。
 刺繍が細かく生地全体に入っていて、模様も龍だったり、蓮や唐草、牡丹みたいな。
 色も黒に赤、紫に青と原色で、とても良い。
 ただ龍が西洋の方だね。牡丹もちょっと違う。

 そして気になったのが布を運んでる子供?
 ナギの衣装なんだけどこの子達見たことないな。
 って言うか顔にお札付いてる。
 キョンシー??

『『あはは、驚いたか?』』
『はい。あのお札はなんですか?』

 衣装はナギの侍女さんたちに似たのを着てるんだけど。

『『あの童は人形であの札で動かしておるのだ。私の使う符呪だよ』』
 ほえー。ようはこっちの魔術みたいなものだけど、お札に指令と魔力を仕込んであるらしい。

『『船旅に女子はあまり連れ出せないからな。これで足りぬ手を賄っている』』

 人形は陶器で球体関節らしい。
 ビスクドール!!

 って思ったら顔が無くてちょっと泣きそうになった。

『『符呪で表情などは動かせないから顔は必要ないであろう』』

 無表情でも顔は欲しいなぁ。

 動くお人形の仕組みも気になる。

『お仕事をしてくれる魔法なんてすごいわねぇ』
『便利な魔法ですね』

 お義母さまは顔のない人形も可愛いものと認定したみたいで嬉しそうに動いてる姿を見ている。
 マダムは普通に便利なモノと判断したらしい。

 おおらかすぎるよ。



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