ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
591 / 786
三章

580話

しおりを挟む
 三国の王族は夕食を一緒にとるそうだけど、私は遠慮させてもらえることになったので、ありがたく通訳から逃げた。
 王宮ならちゃんと公用語に対応出来る人材がいるわけだしね!

 王女さまたちにはちょっと申し訳ないんだけど、修行が足りない私では、ミュージカル調に吹き出すか苛立つかで、顔に出しちゃうよ。
 ユエさまは保護者枠で参加になって、ちょっと悪い微笑み(雰囲気で)をさせつつ、背中に哀愁が漂ってた。

 セリウスさまやガルフ侯爵もあからさまにホッとしてるんだ。

「いやー、直接交渉にあたる大使たちはまぁ普通なんだよ。少々の腹黒い面はあるがね。殿下方が程度の差はあれ、あのような感じでね」
 一番激しい二人が来ちゃったそう。一人でもお腹いっぱいなのに。
 シャリアンヌは兄が好き過ぎて、あんな感じらしい。
 ブラコンはいいけど、アレは真似しちゃいかんよ。しかもペタンコとか言いやがって!!てぇ!!

 ちなみに王も王妃も会話が突然オペラ調になるそうだ。

 変な人を寄越したとかではなく、王と王妃が元々そうしてるから、盛大にもてなしてるつもりの選考の結果なのかも。

 いろんな国に行ってみたいって思ってたけど、グリーンリバーには絶対行かないでおこう。絶対にだ!!

 普通に劇場にプロのを観に行くとかならしたいけど、素人のなんちゃってとかはね。

 権力と美貌(が王族全員にあるかは知らないけど)があるから誰も注意しないのかな。

「穏やかな性格をしていらっしゃるのは第二王子と王弟である大公なので、向こうに着けば、ナギのお方達のお相手はお二人がなさるはず」
 だと良いね。

 お部屋に戻ってきたー楽な衣装に変えてもらってから、応接室でお茶をとニーナに呼ばれて行くと、セリウスさまとアンゼリカさまが着替えて座ってた。

「ひさびさに見たけどー、やっぱ面倒だったねー」
「演出過剰なんだ」
 セリウスさまが知ってる範囲では、カイサル殿下は過去四回、国王夫妻は二回ほど来てるんだって。シャリアンヌも四回。小さな頃から兄と離れたがらなかったとか。

 お義父さまはグリーンリバーには、交流試合に参加したり、陛下の護衛で、三回行ってて。先代王の時もミュージカルっぽい行動はあったんだとか。常春なお国柄なのか陽気だね!

「子供の頃は王女もドレスを着ていたが兄と同じが良かったんだろうな」

 えー!嫁がいる兄とお揃いはちょっとすごいね。

「母親の王妃さまに寄せると後の襟が顔くらいまで立ってるドレスになるからねー」
 なんとなくわかるけど、カイサル殿下も襞襟で、どっちもド派手ですよ。

「向こうの流行のデザインだろうけど、邪魔じゃないのかなー」
 つけた事ないからわからないよ。

「あの様子だとー、国境まではホーンも付くしー、俺たちはここでお役御免かなー」
 そうだと嬉しい。
 王女さまたちには申し訳ないけど、グレーデンに早く帰りたい。

 ご帰還時にアッガスに来てくれたら盛大におもてなしするから許して!

「明日の宴を乗り越えて、明後日に出立の予定だからねー。後はクラウスに任せよー」

 そういえば、セリウスさまは今日帰っちゃうんだった。ズルい!
「そんな顔しないのー」
 私の両頬を片手で潰して笑うセリウスさまが憎いよ!

 今日は、グリーンリバーの到着の歓迎のために警護などで訓練はないから、アンゼリカさまもゆっくりするらしい。
 要人警護は王国騎士団の仕事だから、頼まれない限りは参加しないんだって。
 訓練は、王様と騎士団長から手が空いてる時はなるべく鍛えてやって欲しいと言われてるんだとか。
 普段タウンハウスに詰めてるグレーデンやホーン、リュフェリーの騎士たちも交代で訓練に出るそう。

 だからホーンの緊急時とか参加出来る仕上がりではあるけど、常日頃から魔獣に接してないからあまり成長がないらしい。

 ふむむ。
 ホーンは強さより環境対応が大変な気がする。

 弱いとか思っていても辺境三家が際立ってるからっていうのがあるよね。

 まぁ、お義父さま一人で王国騎士全員ぶっ飛ばせそうだから弱いであってるのかな。
 基準がわからなくなってきたぞ。


「やっほー!兄さん~!リーシャちゃん!アンゼリカ~!来たよー」
 廊下から足音がしたと思ったら、扉が開いて、クラウスさまが入ってきた。

「おー、思ったより早かったなー。夕食後かと思ってたー」
「リーシャちゃんがいないと兄上がウザいからー逃げてきたよー」
 同じようなノリで話してる兄弟。

「兄上って過保護だよなー」
「保護対象がリーシャちゃんに移ってちょっと寂し~☆なんてねー?」
 年下を甘やかすタイプではあるかも?

「逃げてきたところでグリーンリバーのがいるぞ」
 アンゼリカさまがしらっと伝えるとクラウスさまの顔が苦いもの食べたみたいになる。

「王子ー?王女ー?」
 あらら。歓迎ムードじゃないとその二択なの。

「ふふふ、両方ー」
 悪い顔のセリウスさまが指二本出す。ピースじゃないのだ。二つとか二人って意味の方ね。
「わぁ、マジかー!」

 クラウスさまが言うには、シャリアンヌが兄に近づく(ただの挨拶)女性を威嚇したり、ミュージカル調に兄の素晴らしさを語ったりで面倒な印象を持っていて、兄カイサルの方も、すべての女性が自分を好きだと思っているから、
「ふぅううんっぬ!わったぁしは罪ぶっかぁいうぉっとこどぅわぁっぁぬ!くぉれぇでぇ、いっもうとぅうぉうっんぬっ!ゆるっしてぇくぅれぇっんっぬっ!」
(私は罪深い男だ!これで妹を許してくれ!)
って、令嬢の手を取って口付けをするから、シャリアンヌがさらに騒ぐって悪循環を起こすから、近付きたくないんだそう。

 自惚れ男に嫉妬深い妹かー。

 勝手にやってて欲しいね。

「さすがのヘイト嬢みたいな色魔令嬢も突撃しないんだよー。僕も押しかけに困ったら、アレやろうかぁなっぁんんぬ!」
「それはいいっんねぇっ!っんぬっ!!」

 えー、第一王子で美形なんだから行けば良かったのにね!
 ってセリウスさまとクラウスさまが前髪ファッサとさせてウィンクって、笑わさないで。

 アンゼリカさまがすごい顔になっちゃったよ。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」 魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。 ――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。 「ここ……どこ?」 現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。 救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。 「ほら、食え」 「……いいの?」 焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。 行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。 旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。 「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」 「ウチの子は天才か!?」 ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。 これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。 ※若干の百合風味を含みます。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

処理中です...