ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

文字の大きさ
610 / 787
三章

599話

 転移陣の魔石が少し減ってたのでついでに充填したら、担当騎士さんたちが喜んでくれた。
 私も有り余る魔力が消費できて嬉しいので良き良きですよ。
 ついて来てくれたハロルドとニーナ、ジェイクは苦笑だけど。

 普段はアズライトやジャスパー、ポムとティムが魔力を吸ってくれてると言う。
 美味しいとは言ってたけど、私が魔力過多状態にならないように調整してくれてるのでウィンウィンなのだ。
 
 転移陣のランプが光って、
「ご帰還です」
って、担当騎士さんが教えてくれる。

 光のカーテンがふわふわ広がって魔法陣の上に人の姿が浮き上がってくる。

 私はお義母さまに突撃しようと腰を落としてタイミングを測っていると、お義父さまらしき大きな姿の周りに複数のドレスのシルエットが。
 侍女さんたちも同時に戻って来たのかな??
 じっくり見極めてからじゃないといけない。

 腰を落としたままのポーズで姿を見極めようと見てたら、カーテンが消えて、到着した人の姿が・・・。

「王妃さま!?!?」

 飛び掛かろうとしたシルエットが王妃さまで、その横に並んでたのがお義母さまだった事に仰天した。
 私の悲鳴のような声、そして名称に、転移陣の間の担当さんたちと、お義父さまたちの帰還を出迎え用と待機していた侍従さん、騎士さんが息を飲んだ後、ザッと跪く。

「あらあらまぁまぁ!!リーシャちゃん!とっても可愛いわぁ!ただいまぁ!」
 腰を落としたまま固まっていた私をお義母さまが持ち上げてから抱きしめてグルングルン回る。
「お・・・おかえりなぁいぃ」

「まぁ、とても可愛いわ。リリィちゃん!私も抱っこさせてちょうだい」
 ぎょえぇ!王妃さまに抱っこはちょっと!!
「まぁ!!さすがに持ち上げて抱っこは私には無理ね」
 コロコロ笑いながら私をハグする。若干浮きましたけど。

 なぜか王妃さまの侍女さんたち、女官さんかも?まで手をワキワキして私を見てる。
「私の特権よぉ~」
 お義母さまが私をプラーンとさせた状態で抱っこする。人形かぬいぐるみのようだよ。

「今帰ったぞ。ハロルド、問題はないかのぅ」
「万事恙無く」
「そうか」
 お義父さまとハロルドの阿吽に痺れるぅ!
 信頼しあってる感が滲み出てるの良いな。

 転移陣は、侍女さんや荷物、馬車と魔馬、護衛さんたちが移動してくるので、ハロルドが先導で屋敷に向かう事に。
 宴会の準備でみんなが忙しく動いてる中、私たちを見て礼を取ろうとするので、お義父さまが、
「そのままで良いぞぅ」
と声を掛けて行く。

「うふふ、久々にここに来たけど前より賑やかねぇ」
 王妃さまが女官さんたちとニコニコ。

「いつも陛下が勝手にこっちに行っちゃうから今回は私が先に行動しましたの」

 国王夫妻がこんな感じで良いのだろうか?王子さまたちは置いて来ちゃったの?

「うふふ、リーシャちゃん、明日か明後日から王妃さまと私、お宿に泊まらせてもらっても良いかしらぁ」

 あ、それが本命なのね。何日グレーデンに??

「はぁ、しばらくは予約を受けてないはずなので大丈夫だと思いますが」
 ルルゥ込みでしょうか?
「ならベンとニックスを借りるわねぇ。ルルゥは王都で忙しかったし、ベンとニックスはずっと屋敷から出てなかったでしょう?」
 あ、ちゃんと振り分けなのですね。

「うふふ、楽しいわねぇ、陛下が結婚以来好きに逃げていた分、私も一週間くらいは罰が当たらないでしょう?」
 おお、約二十年分の恨みが募っているようだ。
「王子たちとずっと離れてるのは心配だし、私も自分のお仕事を溜めちゃうのは困りますもの」
 笑顔だけど何か胸の奥に怒りが籠っていらっしゃる。
 王様、第一子妊娠中からやらかしていたなら一生恨まれてるよ。

「おほほ、陛下が王太子でいらっしゃった頃はいつもルドガーさまとアークさまを追いかけてらしたものねぇ」
 王子さまたちは王様に似たのね。

「リーシャさま、王妃様はちゃんと執事と宰相閣下にお手紙を残して来ておりますので」
 女官さんがこそりと教えてくれた。
 王様とは違うと言いたいのね。
 でもお手紙残されても、きっと混乱してると思う。

「オホホホホ!陛下も王妃陛下にいつもご自分のなされている事を返されて、王妃陛下が普段どのような思いをなされているか理解なさるでしょう」
 女官さんの一人が高笑いを!
 きっと彼女も皺寄せを食ってるのね!

 今夜の宴会とお宿でエステと露天風呂で癒されて来て下さいませ!!

 お義父さまが若干引いてる。ハロルドはちょっと悪い笑みを。

 屋敷の玄関には王妃さまのお出ましを聞いて慌ててお出迎えに並んだらしき侍従侍女さんと騎士さんたちが。

「「「王妃陛下!いらっしゃいませ。ようこそ、グレーデンへ!」」」
「「「大旦那様!大奥様!お帰りなさいませ」」」
 宴会準備中で大慌てだっただろうけど、ピシッとしてる。
 セバスチャンが若干汗かいてる。珍しいな。そこ隣にはシエルが可愛く立ってて大変に愛らしいです。
 
「良い。楽にしてちょうだい。お出迎えに感謝するわ。しばらくお世話になります」
「「「はっ」」」
 
 王妃さまは一瞬シエルを見つめた。何か言いたげだったけど、何も口に出すことはなく、屋敷に入った。

「リーシャさま」

 シエルは気付かなかったみたいで、笑顔でお義母さまに抱っこされている私に声をかけて来た。

「僕も後でリーシャさまのような服を着るんです」
 え??ドレス??って思ったら男の子用だそう。ちょっと残念。

 でもそんな話を聞いたお義母さまとニーナと侍女さんたちの目がギラッとなったよ。

 



感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】憧れのスローライフを異世界で?

さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。 日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

誘拐された公爵令嬢ですが、なぜか皇帝に溺愛されています』

富士山麓
恋愛
舞踏会で王太子から婚約破棄を告げられそうになった瞬間―― 目の前に現れたのは、馬に乗った仮面の皇帝だった。 そのまま攫われた公爵令嬢ビアンキーナは、誘拐されたはずなのに超VIP待遇。 一方、助けようともしなかった王太子は「無能」と嘲笑され、静かに失墜していく。 選ばれる側から、選ぶ側へ。 これは、誰も断罪せず、すべてを終わらせた令嬢の物語。

【完結】モブなのに最強?

らんか
恋愛
 「ミーシャ・ラバンティ辺境伯令嬢! お前との婚約は破棄とする! お前のようなオトコ女とは結婚出来ない!」    婚約者のダラオがか弱そうな令嬢を左腕で抱き寄せ、「リセラ、怯えなくていい。私が君を守るからね」と慈しむように見つめたあと、ミーシャを睨みながら学園の大勢の生徒が休憩している広い中央テラスの中で叫んだ。  政略結婚として学園卒業と同時に結婚する予定であった婚約者の暴挙に思わず「はぁ‥」と令嬢らしからぬ返事をしてしまったが、同時に〈あ、これオープニングだ〉と頭にその言葉が浮かんだ。そして流れるように前世の自分は日本という国で、30代の会社勤め、ワーカーホリックで過労死した事を思い出した。そしてここは、私を心配した妹に気分転換に勧められて始めた唯一の乙女ゲームの世界であり、自分はオープニングにだけ登場するモブ令嬢であったとなぜか理解した。    (急に思い出したのに、こんな落ち着いてる自分にびっくりだわ。しかもこの状況でも、あんまりショックじゃない。私、この人の事をあまり好きじゃなかったのね。まぁ、いっか。前世でも結婚願望なかったし。領地に戻ったらお父様に泣きついて、領地の隅にでも住まわせてもらおう。魔物討伐に人手がいるから、手伝いながらひっそりと暮らしていけるよね)  もともと辺境伯領にて家族と共に魔物討伐に明け暮れてたミーシャ。男勝りでか弱さとは無縁だ。前世の記憶が戻った今、ダラオの宣言はありがたい。前世ではなかった魔法を使い、好きに生きてみたいミーシャに、乙女ゲームの登場人物たちがなぜかその後も絡んでくるようになり‥。    (私、オープニングで婚約破棄されるだけのモブなのに!)  初めての投稿です。  よろしくお願いします。

【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~

魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。 ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!  そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!? 「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」 初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。 でもなんだか様子がおかしくて……? 不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。 ※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます ※他サイトでも公開しています。 【無断転載・AI利用禁止 / No Unauthorized Use or AI Training】 本作品の無断転載・複製・AI学習利用を禁じます。 Unauthorized reproduction or use for AI training is strictly prohibited. © 魯恒凛 / RoKourin