ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む

紫楼

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三章

641話

 ジュリアスさまたちも帰ってきたので、私はジュリアスさまに突撃してみた。普通に「ただいま」ってにっこりされちゃった。

 お義母さまはセリウスさまに飛んでたけど本日二度目だからか、セリウスさまが「来る」って覚悟を決めていたからかガッチリ抱き止めてた。シャムはぴょんとニーナに飛んだ。ニーナが無表情のままニヤけてる。器用だな。私以外がいる場所ではなるべくポーカーフェイスでいたいんだよね。出来る侍女なのだ。

「うー」
 クラウスさま、セリウスさまに対してそんな悔しがらなくて良いじゃん。強さって三歳差は大差無いようで有ると思う。鍛える時間分さ。

 ジャスパーが私を下ろした後のジュリアスさまに飛びついて顔にお腹ビターンってなってたよ。もふもふから行く腹もふ羨ましい。
「ぶは」
 モフ毛に鼻が刺激されたらしい。

 玄関ホールでこんなに和気藹々って素敵家族じゃない?私はこの家族に出会えて幸せだよね!


 ジュリアスさまと私は、お部屋に着替えに戻った。
 遠出なのでちょい他所行きワンピースだったので、簡易ワンピースになる。
「楽しかったか?」
「子供たちが大きくなってました」
 あの年齢の子たちは半年も会わないと身長が伸びちゃってて、いつの間にって感じだ。

「温泉と池が凄く大きいのが出来てました」
『アズライトとポムが楽しげにやったんだぞ』
『おぬしも好きに動いていたではないかの』
 私がナギの件でアッガスと王都に向かっている間、お祖父さまたちとかなりあちこち回ってたらしい。羨ましいなぁ。

 アッガスに行けたのもナギの王女さまたちと出会えたのも嬉しいことだったけど。
 グレーデン全域にはまだ行けてないからね。そこはやっぱり羨ましい。
 でも私が行くより、ポムたちが行って加護舞を大盤振る舞いしてくれることの方がグレーデンに有益だ。

「アズライト、ジャスパーありがとね」
 ポムたちはおやつ目当てに厨房に行ってる。
『我は主に世話になると決めたので主の喜ぶことをするのは当然だの』
『我もなんだぞ!主が喜んで我が棲む場所を快適に出来て良いことだらけなんだぞ!』
 ジャスパー、それで良いんだけどちょっと台無しよ。

「ふふふ、俺は嫁にもお前たちにも恵まれたんだよ」
 アズライトたちが自由に振る舞うのを気にしないおおらかな家で本当に良かった。
 他のお家の人なら、突然大穴が出来て水貯まったのを、精霊や神の恵みじゃなくて天災や神罰って勘違いして大問題になるよ。
 
『我はこの地を全て我のナワバリにするのもやぶさかでは無いの』
 いやいや、全域って。全部池にしたいとか困るから。
『我もそれが良いんだぞ!』
 それはアズライトと分け合うのか、張り合うのかでだいぶ意味合いが違う気がする。
 ジャスパーが尻尾をブンブンさせて楽しそうに言うのを、アズライトは尻尾でべシンとした。ちょっと嫌だったのかな。

「さすがに全域は困る。適度に頼むぞ」
 そんな優しく言うと池面積が増えるから。
「王様が行ってた不毛な場所を好きにさせてもらう方が思いっきり行けるんじゃない?」
 思わず言ってしまう。他所でお願いって。

『それは我の仕事ではないの。ジャスパーやポムとティムの仕事よの』
 アズライト的には、加護を直接もらっているポムたちが精霊王の使徒?で、自分のような属性持ちな存在は進んで人の為になる立ち位置のつもりはないらしい。
 あくまで主の私に良いことの延長でしか動きたくないと。
 アズライトの池は、自分の棲家に相応しいものにしただけで、私が欲しい蜜ミツバチや木々はついで。

「そうなの。まぁここでお祭りやお供えしていれば精霊がレイドラアース全域に広がるみたいだし、無理を通さなくて良いかな?」
 王様が頼んだら、精霊樹の種をくれちゃう子たちだしね。

 着替えを終えた私たちは食堂に向かう。
 すでにみんな集まってるようで賑やかだ。

「ポムちゃん~、これどうぞぉ」
「シャム、それは口に溜めると潰れるよー」
「ティム、それは酒じゃぞ」

 クラウスさまがシャムにプルルン(特大)をあげたら、頬袋に目一杯貯めようとして弾けちゃった。
「ぎゃー」
 果汁がシャムとクラウスさまとセリウスさまに飛んで大惨事だ。
 シャムがシトシトになって水色に染まってる。
 
 侍女さんたちがテーブル周りを即座に綺麗にして、ススーっとシャムを回収した。丸洗いされちゃうね。

「あーあ~、着替えてくるー」
「僕もー」
 セリウスさまもクラウスさまも生成りのシャツなので色が付いちゃって、胸元も開き気味だったのでベタベタだよ。

「おほほ、水も滴る良い男ねぇ」
「甘い果汁だけどねー」
 
 そんなわけでシャムは賢さが一上がった・・・かも?


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