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連載
ギルド合同打ち上げ
集合場所に一番遅れてやってきたのが自分達のようで、合流した直後にすぐさま飲み物が配られた。そして乾杯し、まずは配られた飲み物に口をつける。配られたのはリンゴジュースだったようだ……まあ未成年も間違いなくこの場にはいるし、仮想空間と言えど酒はマズいよね。そしてまず、前菜を担当したマッスルの食事が並ぶ。
「前菜だから派手なのはないぜ? まずは軽く何かを腹に入れるという感覚だな」
などとマッスルのギルマスが言いながら出てきたのはコンソメスープとサラダだった。サラダは三種類ぐらいの葉物に彩りとしてプチトマトが入っていた。更に茶色の小さな塊がいくつか見える。おそらくこれはクルトンだろうな。とりあえずスープからいただく……うん、おいしいな。サラダも食べてみるが、こちらもシャキシャキとした野菜の歯ごたえが良い。後、うっすらとドレッシングもかかっていた。
サラダを食べている最中にカリッとした食感がやってくる。やはり茶色の小さな塊はクルトンだったようだ。この歯ごたえの変化がまた食べる事への面白さを引き立てている。と言っても前菜なので、皆が早々に食べ終わる。
「では、次は魚料理の番だな」「ああ、とりあえず焼き、煮、生と用意してきた。好きなものを食べてくれ……生はちゃんとしたプレイヤーが作った物だから病気の心配はないぞ」
マッスルの言葉にうなずいたウィザードナイツのギルマスがそう口にしながら用意してきた魚系の料理を出す。焼き魚、煮魚、刺身とそろっているな……この刺身、ハマチっぽい。ハマチはほんのりとした甘さのある身がおいしい魚だ……さっそくつまんでみる。うん、期待以上に美味しいな。生の魚をワンモアで食べたのはすごく久しぶりだな。
「へえ、旨いな」「うん、悪くないじゃない。良いお店で買って来たんだね」「まあ、ギルメンの中に魚料理が好きな奴がいてそいつの目利きだから間違いはないと思うぜ」
などの会話が交わされる。しばし各自が魚料理を楽しみ、半分ぐらいが消費されたころだろうか。マッスルのギルマスが口を開く。
「しかし、惜しいな。ここのメンツとはあと何回か戦ってみたいものだがこれが最後の機会となるのはな」「俺達はもう勘弁だ、ここまでに鍛えてきた魔法への自信がなくなりかけてるぜ……」
マッスルのギルマスの言葉に、ウィザードナイツのひとりがそう返答していた。彼だけでなくウィザードナイツのほぼ全員がげんなりとしていたので、その言葉はギルド全体の総意であるようにうかがえた。まあ一方的な展開になってしまったと聞いているし、そういった反応を見せてしまうのは仕方ないと言えるだろう。
「魔法があんな風にかき消されるとか、どんな悪夢だよ」「必死に磨いてきた技術がことごとく無効化されたのはさすがに心が折れた」「俺達もそれなりにやれるだけの腕はある筈なんだけどなぁ」「それを全て粉砕する筋肉にはまいったとしか言いようがない」
次々と出てくるウィザードナイツの言葉にヴァルキュリアスの面々が苦笑している。準決勝で負けた後に、リプレイでマッスルとウィザードナイツの試合を見たのだろう。自分達はまだ見る事は出来ていないが、ヴァルキュリアスの反応からして相当にひどかったんだろうなぁ。
「とはいえ、こちらも自信はあまり持ててないのも現実だがな」「ああ、優勝できると思っていたら──まさかの形で負けたからな」「ブルーカラーの鬼気迫るあの戦い方、俺達にはないものだ」「試合中は寒気を感じまくったからなぁ。あの気迫はどこから生まれてくるものなのやら」
マッスル側はそんなことを言いながら、自分、エリザ、ミリーに視線を向けてくる。見られるのは仕方が無いか、最後まで折れずに何とか戦い抜いた自分、斬られながらも最後の最後まで戦い続けたエリザとミリー。注目を浴びるのは当然、か。
「試合が終わったから聞くんだけど、ダメージとプレイヤーの痛覚を軽減するスキルってとっているの?」「取る余裕はないわ、魔法使いならだれもが取る事を諦めてるんじゃない?」「私もありませんね~、痛みに耐えるのはプレイヤーである私自身の気合ですから~」
ヴァルキュリアスの質問に、エリザとミリーはそう返答を返す。まあ、魔法使いは取る事は無理だよね……魔法の威力を上げるスキル、MPを温存、回復を早めるスキル、クロース防具スキルなどを取っていくと十枠などあっという間に埋まる。そこから何かのスキルを抜けば魔法使いとしての戦闘に支障が出るって話は何度も聞いている。
「こちらも痛覚軽減系スキルはないですね。魔法使いではないですが、自分もいろいろとスキルが必要なので取る余裕は全くありませんから」
自分にも視線が向けられたので素直に返答した。すると、ヴァルキュリアスとマッスルからの視線が驚きのものへと変わった。むう、やっぱりこういう視線を向けられる事になるのか。
「あれだけの戦いをした奴が、痛覚軽減を持っていない、だと!?」「じゃあ、あのダメージに耐えていたのはプレイヤーも同じって事かよ」「根性どころの話じゃねえな……俺達の技が決して安くないことは俺達自身が知っている。それを受けてなおあそこまで立って戦っていたという事か……気に入ったぜ、その気合と根性」
マッスルからの評価、そしてマッスルのギルマスは自分の根性が気に入った様だ。でも、痛覚を軽減していないからこそ脅威だとか危険性に敏くなれたからこそ戦えたという面もある。痛覚があるという事は、マイナスな事ばかりじゃない。と、ここで魚料理が切れたので肉料理へと移る。
「肉料理も、各種取り揃えてみました。お好きなものを食べてください」
ヴァルキュリアスのギルマスがそう口にしながら用意してきた肉料理を出す。なるほど、ステーキ系、ハンバーグ系、小籠包や肉まんなどの中華系、唐揚げにローストチキンなど様々な肉料理が用意されている。これならば色々口にできそうだな。誰もが口に料理を運びつつ話は続く。
「今回のギルド対抗戦とは関係ないけどさ、ブルーカラーの活動ってどういう事をしてきたかは聞きたいな。俺達が知ってるのは有翼人の一件だとか、獣人連合でのイベントで成果を上げたとかそういったごく一部の話だけだから」
と、ウィザードナイツのギルドメンバーの一人がツヴァイに質問をしてきた。
「うーん、と言ってもなぁ。普段からそんな派手な行為ばっかりしてきたわけじゃないぞ? 大半は他のギルドやパーティと大差ない事しかやってないと思うしな。ただ、通称ヒーローパーティなんて言われるレッド達とはちょくちょく共闘したりはしたな。そういった話はあんまり一般的には広まってないだろう」
ああ、ツヴァイ達もレッド達と共闘していたのか。彼らは困っている人達の所に姿を見せる、そしてツヴァイ達も困っている人はできるだけ助けようという性質だ。だから何かの件で一緒になったのなら協力して事に当たるのは容易に想像がつく。
「あーあの人たちか。俺達ウィザードナイツは全然出会えなかったんだよな。名物パーティだから一回ぐらいは共闘したかったんだが、結局塔に登る直前まで一回も出会えなかった」「あのパーティも戦い方が面白そうだから、一回ぐらい出会いたかったよな」
とウィザードナイツのギルドメンバーが反応を返す。まあ、彼らもまた色々と動いている人達だから出会えるか否かは運に左右されるんだよね。自分は数回ほど会っているから、かなり運がいい方だろう。
「後はダークエルフの鍛冶屋には大いに世話になったな。彼に出会えなければ、俺達の装備はかなり弱かっただろう……そういった出会いも、この世界の面白さだな」
などと言いながら自分に視線を向けるツヴァイ。自分もこの世界で様々な人々と出会い、協力したり戦ったりしてきたからそのあたりの意見には同意する。本当にこの世界を旅して色々な事があったよなぁ。普通のゲームではこうはいかない。
「ブルーカラーはダークエルフとの出会いがあったんだね。私達は獣人連合で仲良くなれた姉妹がいてねー、彼女達とはいろいろと協力し合って強くなったよ」
と、ヴァルキュリアスからもそんな話が飛び出す。そういう出会いがあるか無いかでも、ワンモアという世界への見方が変わるんだろうな。
「うーむ、そういう印象に残る大きい出会いってのはある奴とない奴の差が激しいよな。もうちょっと出会える機会を増やしてくれれば」「戦いばっかりやってたり、街の基本的な所しか回ってないとそういった出会いはないからな。もっと回っておくんだったと思った時にはもう遅かったな」
という言葉がマッスルから出てくる。まあ、プレイヤーの行動でいろいろ変わる世界だから、それはしょうがない。こうやって話を聞くだけでもそれを改めて認識するな。自分はソロだからこそ、効率なんてどうでもいいと考えていたからこそ色々な事をやって様々な場所に出向いて──結果的に強くなれた今がある。でもこれもまた運がよかったからこそか……出会いはいい物ばかりじゃないからね。
「前菜だから派手なのはないぜ? まずは軽く何かを腹に入れるという感覚だな」
などとマッスルのギルマスが言いながら出てきたのはコンソメスープとサラダだった。サラダは三種類ぐらいの葉物に彩りとしてプチトマトが入っていた。更に茶色の小さな塊がいくつか見える。おそらくこれはクルトンだろうな。とりあえずスープからいただく……うん、おいしいな。サラダも食べてみるが、こちらもシャキシャキとした野菜の歯ごたえが良い。後、うっすらとドレッシングもかかっていた。
サラダを食べている最中にカリッとした食感がやってくる。やはり茶色の小さな塊はクルトンだったようだ。この歯ごたえの変化がまた食べる事への面白さを引き立てている。と言っても前菜なので、皆が早々に食べ終わる。
「では、次は魚料理の番だな」「ああ、とりあえず焼き、煮、生と用意してきた。好きなものを食べてくれ……生はちゃんとしたプレイヤーが作った物だから病気の心配はないぞ」
マッスルの言葉にうなずいたウィザードナイツのギルマスがそう口にしながら用意してきた魚系の料理を出す。焼き魚、煮魚、刺身とそろっているな……この刺身、ハマチっぽい。ハマチはほんのりとした甘さのある身がおいしい魚だ……さっそくつまんでみる。うん、期待以上に美味しいな。生の魚をワンモアで食べたのはすごく久しぶりだな。
「へえ、旨いな」「うん、悪くないじゃない。良いお店で買って来たんだね」「まあ、ギルメンの中に魚料理が好きな奴がいてそいつの目利きだから間違いはないと思うぜ」
などの会話が交わされる。しばし各自が魚料理を楽しみ、半分ぐらいが消費されたころだろうか。マッスルのギルマスが口を開く。
「しかし、惜しいな。ここのメンツとはあと何回か戦ってみたいものだがこれが最後の機会となるのはな」「俺達はもう勘弁だ、ここまでに鍛えてきた魔法への自信がなくなりかけてるぜ……」
マッスルのギルマスの言葉に、ウィザードナイツのひとりがそう返答していた。彼だけでなくウィザードナイツのほぼ全員がげんなりとしていたので、その言葉はギルド全体の総意であるようにうかがえた。まあ一方的な展開になってしまったと聞いているし、そういった反応を見せてしまうのは仕方ないと言えるだろう。
「魔法があんな風にかき消されるとか、どんな悪夢だよ」「必死に磨いてきた技術がことごとく無効化されたのはさすがに心が折れた」「俺達もそれなりにやれるだけの腕はある筈なんだけどなぁ」「それを全て粉砕する筋肉にはまいったとしか言いようがない」
次々と出てくるウィザードナイツの言葉にヴァルキュリアスの面々が苦笑している。準決勝で負けた後に、リプレイでマッスルとウィザードナイツの試合を見たのだろう。自分達はまだ見る事は出来ていないが、ヴァルキュリアスの反応からして相当にひどかったんだろうなぁ。
「とはいえ、こちらも自信はあまり持ててないのも現実だがな」「ああ、優勝できると思っていたら──まさかの形で負けたからな」「ブルーカラーの鬼気迫るあの戦い方、俺達にはないものだ」「試合中は寒気を感じまくったからなぁ。あの気迫はどこから生まれてくるものなのやら」
マッスル側はそんなことを言いながら、自分、エリザ、ミリーに視線を向けてくる。見られるのは仕方が無いか、最後まで折れずに何とか戦い抜いた自分、斬られながらも最後の最後まで戦い続けたエリザとミリー。注目を浴びるのは当然、か。
「試合が終わったから聞くんだけど、ダメージとプレイヤーの痛覚を軽減するスキルってとっているの?」「取る余裕はないわ、魔法使いならだれもが取る事を諦めてるんじゃない?」「私もありませんね~、痛みに耐えるのはプレイヤーである私自身の気合ですから~」
ヴァルキュリアスの質問に、エリザとミリーはそう返答を返す。まあ、魔法使いは取る事は無理だよね……魔法の威力を上げるスキル、MPを温存、回復を早めるスキル、クロース防具スキルなどを取っていくと十枠などあっという間に埋まる。そこから何かのスキルを抜けば魔法使いとしての戦闘に支障が出るって話は何度も聞いている。
「こちらも痛覚軽減系スキルはないですね。魔法使いではないですが、自分もいろいろとスキルが必要なので取る余裕は全くありませんから」
自分にも視線が向けられたので素直に返答した。すると、ヴァルキュリアスとマッスルからの視線が驚きのものへと変わった。むう、やっぱりこういう視線を向けられる事になるのか。
「あれだけの戦いをした奴が、痛覚軽減を持っていない、だと!?」「じゃあ、あのダメージに耐えていたのはプレイヤーも同じって事かよ」「根性どころの話じゃねえな……俺達の技が決して安くないことは俺達自身が知っている。それを受けてなおあそこまで立って戦っていたという事か……気に入ったぜ、その気合と根性」
マッスルからの評価、そしてマッスルのギルマスは自分の根性が気に入った様だ。でも、痛覚を軽減していないからこそ脅威だとか危険性に敏くなれたからこそ戦えたという面もある。痛覚があるという事は、マイナスな事ばかりじゃない。と、ここで魚料理が切れたので肉料理へと移る。
「肉料理も、各種取り揃えてみました。お好きなものを食べてください」
ヴァルキュリアスのギルマスがそう口にしながら用意してきた肉料理を出す。なるほど、ステーキ系、ハンバーグ系、小籠包や肉まんなどの中華系、唐揚げにローストチキンなど様々な肉料理が用意されている。これならば色々口にできそうだな。誰もが口に料理を運びつつ話は続く。
「今回のギルド対抗戦とは関係ないけどさ、ブルーカラーの活動ってどういう事をしてきたかは聞きたいな。俺達が知ってるのは有翼人の一件だとか、獣人連合でのイベントで成果を上げたとかそういったごく一部の話だけだから」
と、ウィザードナイツのギルドメンバーの一人がツヴァイに質問をしてきた。
「うーん、と言ってもなぁ。普段からそんな派手な行為ばっかりしてきたわけじゃないぞ? 大半は他のギルドやパーティと大差ない事しかやってないと思うしな。ただ、通称ヒーローパーティなんて言われるレッド達とはちょくちょく共闘したりはしたな。そういった話はあんまり一般的には広まってないだろう」
ああ、ツヴァイ達もレッド達と共闘していたのか。彼らは困っている人達の所に姿を見せる、そしてツヴァイ達も困っている人はできるだけ助けようという性質だ。だから何かの件で一緒になったのなら協力して事に当たるのは容易に想像がつく。
「あーあの人たちか。俺達ウィザードナイツは全然出会えなかったんだよな。名物パーティだから一回ぐらいは共闘したかったんだが、結局塔に登る直前まで一回も出会えなかった」「あのパーティも戦い方が面白そうだから、一回ぐらい出会いたかったよな」
とウィザードナイツのギルドメンバーが反応を返す。まあ、彼らもまた色々と動いている人達だから出会えるか否かは運に左右されるんだよね。自分は数回ほど会っているから、かなり運がいい方だろう。
「後はダークエルフの鍛冶屋には大いに世話になったな。彼に出会えなければ、俺達の装備はかなり弱かっただろう……そういった出会いも、この世界の面白さだな」
などと言いながら自分に視線を向けるツヴァイ。自分もこの世界で様々な人々と出会い、協力したり戦ったりしてきたからそのあたりの意見には同意する。本当にこの世界を旅して色々な事があったよなぁ。普通のゲームではこうはいかない。
「ブルーカラーはダークエルフとの出会いがあったんだね。私達は獣人連合で仲良くなれた姉妹がいてねー、彼女達とはいろいろと協力し合って強くなったよ」
と、ヴァルキュリアスからもそんな話が飛び出す。そういう出会いがあるか無いかでも、ワンモアという世界への見方が変わるんだろうな。
「うーむ、そういう印象に残る大きい出会いってのはある奴とない奴の差が激しいよな。もうちょっと出会える機会を増やしてくれれば」「戦いばっかりやってたり、街の基本的な所しか回ってないとそういった出会いはないからな。もっと回っておくんだったと思った時にはもう遅かったな」
という言葉がマッスルから出てくる。まあ、プレイヤーの行動でいろいろ変わる世界だから、それはしょうがない。こうやって話を聞くだけでもそれを改めて認識するな。自分はソロだからこそ、効率なんてどうでもいいと考えていたからこそ色々な事をやって様々な場所に出向いて──結果的に強くなれた今がある。でもこれもまた運がよかったからこそか……出会いはいい物ばかりじゃないからね。
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