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連載
出鼻をくじかれ、想定外の話に
さて、翌日。ブルーカラーのツヴァイを始めとした各メンバーからは、塔の登頂の手助けを頑張ろうというメールが届いていた。自分はそんなメールを確認した後に──料理を行っていた。大勢の人が残りわずかな期間で少しでも登頂者を増やそうとしている中、お前は何をやっているんだと批判されても仕方がないが、もちろんこれには理由があるのだ。
ログインした後に準備を整え、いざ塔に! と意気込んで入ったはいいが……いきなりテレポートさせられて、その先で二五〇階、五〇〇階、七五〇階で戦った相手が待ち構えていたのである。なお、三人は優雅にお茶会をしていた。
「やっぱり来ましたね」「まあ、悪い事を考えている訳ではないのは分かっているのだけれど」「こちらの都合で呼び出した、悪いけどね」
いきなり戦闘とはならなさそうなので、空いていた席に座るように勧められて素直に座った。紅茶を頂き、まずは一息。そしてもちろん呼び出された理由を問いかけた。その答えは実にシンプルだった……
「ダメだからですね」「いきなりダメ、とだけ言われましても」「他の人の手伝いをするのがダメ、という事だな」
と、手伝いに行ってはいけないとはっきり言われてしまった。なお、理由も聞いてみたところ。
「成功率一〇〇%、この時点でかなり」「それに加えて、特に難易度が高い試練も突破させている……」「挙句の果てに、武器を失った人物にその場で武器を作って渡すとか、相当とんでもない事なんだけど自覚ある?」
とまあ言いたい放題言われてしまった。なので、最後の一週間まで自分が援軍として動くことは塔の主である女神様直々にストップがかかっているのだそうだ。
「でも、成功率一〇〇%の人って他にもいるんですよね?」「いる事にはいる。だが、そいつらはお前みたいに現場で武器を作ったりしていない。また、極端な難易度の試練に出向いてもいないからな。ストップをかける必要はないと判断を受けている」
そうですか、それじゃあしょうがない。やっぱりあの現場で大太刀を打ち直したのは異常行動判定を喰らったのか。とはいえあの時は手助けしたい一心だったし、後悔なんかは一切ないが。
「じゃあ残り一週間を切るまで、のんびり時間を潰すしかないんですね」「戦いたいなら私達が相手をさせてもらおう。訓練に使うもよし、技の試しをするもよし、だ。そちらのリクエストに応える場も用意できる」
なのでお言葉に甘えて一時間ほど彼女達を戦わせてもらった。何より何度も《龍咬》を討たせてもらえたのが助かった。おかげでかなりしっくりとくるようになったと思う。まあ、相手はかなり苦しんでいたが……その後お礼を言って塔を後にした後、さてあと一時間何をしようかと考えていた所で予想外の人に出会ったのだ。
「あれ? もしかしてアース?」「貴方はヴァルキュリアの」
ヴァルキュリアスの副ギルマスとばったり出くわした。向こうも最初驚いていたが──やがて彼女は自分に向かって手を合わせ、拝むような態勢になっていった。いったい何ごとよ?
「お願い、助けて欲しいのよ」「何があったんですか……物騒な話じゃないですよね?」「ええと、ちょっと情けない話になって申し訳ないんだけど」
彼女曰く、今日の職場の賄いにフルーツポンチのような物が出て来たらしい。正式な名称は分からなかったが、雰囲気は似てたとのこと。で、彼女を始めとした職場の一同でそれを食べたらしいのだが、彼女はつい、要らない人事を口にしてしまったのだという。
「『昨日のゲームで食べた奴の方がおいしかった、ですか。そりゃマズいでしょう』」「アースの言う通りなんだけど、本当につい、ぽろっと出ちゃったのよ! だって、アースが出してきた奴よりおいしくなかったんだもん!」
涙目でそう訴えてくるヴァルキュリアスの副ギルマス。いったいどこで働いているのかと聞いてみれば──驚いた、東京にある名店のレストランじゃないか。自分も店名だけは聞いた事があり、人気がすごすぎて予約は常にいっぱい、新規予約を取ってから半年ぐらい待たないとお店に入る事が出来ないというレベルのお話だ。
「そんなお店のシェフの皆さんに、そんなことを言ってしまったら──」「賄いも一種の料理修行だからね……そこでお前の料理よりもっといいのを食べたことがあるなんて言われたら、大きな反応が返ってくるのは当然。分かり切った事なのに、私の馬鹿……」
力なく項垂れるが、これはまさに口は災いの元としか言いようがない。心の中で思うのは自由だが、それを口に出したら流石にまずい。しかも相手は素人ではないのだ。
「話が読めてきましたよ。つまり自分が作ったフルーツポンチを、その人に食べさせて欲しいという事ですね?」「うん、彼も料理の修行の一環としてワンモアをやっている人だから……今日もログインしているの。申し訳ないけど……ついてきてくれないかな?」
知らない人でもないし、仕方がない。幸い時間はあるし多少ぐらいは骨を折ろうと考えて、彼女の案内でそのシェフがやっているワンモア内のお店に移動する。そのお店は大盛況で、大勢のお客が並んでいた。
「番号札三七番の方、料理を受け取りに来てください」「すぐ行きまーす」
どうやらお金を受け取った後に番号札を渡して出来上がりを待ってもらうというスタイルの様だ。幸いお客は次々と捌けていくので邪魔をせずに待つことにした。数分後、お店が空いたタイミングを見計らって話をする。
「すいません、シェフ。彼を呼んできました」「おお、君が私よりおいしいフルーツポンチとやらを作るプレイヤーか! 足を運ばせてすまなかったね」
幸い対応はフレンドリーで、剣呑な空気はない。そして彼から先ほどの話を繰り返され、そして注文をされた。自分が作るフルーツポンチを食べてみたい、と。
「このワンモアでは、シェフでなかろうといい飯を作る人は多い。そういった物を食べる事で舌を磨くのも修行のうちだからね……故に、私の作った物よりおいしかったという君の料理はぜひ口にしたい。むろん代金は十分に払わせてもらうよ」
とのことで、急遽フルーツポンチを作る事になって──冒頭に戻る事になる。
(まあ、こういう状況に対応するのも一興という奴だろう。プロに食べさせるってのはちょっとどころじゃなく怖いけど、流石にここでヴァルキュリアスの副ギルマスを見捨てるというのもなぁ)
小さく縮こまってしまっている彼女をちらっと確認しながら料理を進める。まあ極端に難しい料理ではないのですぐにできる──ただし白玉だけは別。程よい噛み応えと柔らかさを出さないとフルーツポンチのアクセントにふさわしくないから、そこだけはちょっと気を遣う。そして完成したフルーツポンチ。
「では頂こう、君ももう一度食べて見なさい」「は、はい。では失礼します」
二人がフルーツポンチを口に運び、じっくり味わっている。周囲には張り詰めた空気が漂い、二人がフルーツポンチの一杯目を食べ終わるまで緩むことは無かった。ゆっくりと食べ終えたシェフが一度目を閉じてじっくりと考え込み、それから頷いた。
「なるほど……甘いながらもきちんとその中に果物が持つ酸味を活かして単調にならない工夫、更に白玉から作った柔らかい団子が舌休めの役割と噛み応えの変化を与えて飽きさせない変化を生む、か。特にこの白玉が良いな、この工夫は実に良い」
どうやら、それなりには気に入っていただけたようだ。正直ほっとした。
「なるほど、これを先に食べていれば──今日の私が出した賄いのデザートは少し物足りないな。味はともかく、この食感の変化による飽きへの対策が甘かったと言うべきだろう」
そう告げた後、お代わりを要求されたのでたっぷりと盛り付けて渡す。白玉を気持ち多めにした状態で。
「んー、なるほどな。やはり私も学ぶべきことはたくさんあると改めて感じたな。それだけに、このワンモアが終わるのは惜しいところだ……こういった予想しない物と出会える機会が失われるのは残念でならないよ」
と言いながら、こちらに向かって笑みを向けてきた。これはある程度認めてもらえたという事だろうか。
「やっぱりおいしいわ……昨日食べた物より、さらにおいしいような? フルーツポンチ、古いデザートって話だったけど侮れないわね」
なんてことを、ヴァルキュリアスの副ギルマスは口にしていたが。さて、これでお役御免だと思ったのだが──シェフの言葉でそれが変わる。
「ふむ、君は他に作れる料理はあるかい? こちらで出来る限り材料を集めるからさ、なにかこう、このワンモアだからこそ作れたという料理を是非見せて欲しいんだ。報酬は弾むよ」
ログインした後に準備を整え、いざ塔に! と意気込んで入ったはいいが……いきなりテレポートさせられて、その先で二五〇階、五〇〇階、七五〇階で戦った相手が待ち構えていたのである。なお、三人は優雅にお茶会をしていた。
「やっぱり来ましたね」「まあ、悪い事を考えている訳ではないのは分かっているのだけれど」「こちらの都合で呼び出した、悪いけどね」
いきなり戦闘とはならなさそうなので、空いていた席に座るように勧められて素直に座った。紅茶を頂き、まずは一息。そしてもちろん呼び出された理由を問いかけた。その答えは実にシンプルだった……
「ダメだからですね」「いきなりダメ、とだけ言われましても」「他の人の手伝いをするのがダメ、という事だな」
と、手伝いに行ってはいけないとはっきり言われてしまった。なお、理由も聞いてみたところ。
「成功率一〇〇%、この時点でかなり」「それに加えて、特に難易度が高い試練も突破させている……」「挙句の果てに、武器を失った人物にその場で武器を作って渡すとか、相当とんでもない事なんだけど自覚ある?」
とまあ言いたい放題言われてしまった。なので、最後の一週間まで自分が援軍として動くことは塔の主である女神様直々にストップがかかっているのだそうだ。
「でも、成功率一〇〇%の人って他にもいるんですよね?」「いる事にはいる。だが、そいつらはお前みたいに現場で武器を作ったりしていない。また、極端な難易度の試練に出向いてもいないからな。ストップをかける必要はないと判断を受けている」
そうですか、それじゃあしょうがない。やっぱりあの現場で大太刀を打ち直したのは異常行動判定を喰らったのか。とはいえあの時は手助けしたい一心だったし、後悔なんかは一切ないが。
「じゃあ残り一週間を切るまで、のんびり時間を潰すしかないんですね」「戦いたいなら私達が相手をさせてもらおう。訓練に使うもよし、技の試しをするもよし、だ。そちらのリクエストに応える場も用意できる」
なのでお言葉に甘えて一時間ほど彼女達を戦わせてもらった。何より何度も《龍咬》を討たせてもらえたのが助かった。おかげでかなりしっくりとくるようになったと思う。まあ、相手はかなり苦しんでいたが……その後お礼を言って塔を後にした後、さてあと一時間何をしようかと考えていた所で予想外の人に出会ったのだ。
「あれ? もしかしてアース?」「貴方はヴァルキュリアの」
ヴァルキュリアスの副ギルマスとばったり出くわした。向こうも最初驚いていたが──やがて彼女は自分に向かって手を合わせ、拝むような態勢になっていった。いったい何ごとよ?
「お願い、助けて欲しいのよ」「何があったんですか……物騒な話じゃないですよね?」「ええと、ちょっと情けない話になって申し訳ないんだけど」
彼女曰く、今日の職場の賄いにフルーツポンチのような物が出て来たらしい。正式な名称は分からなかったが、雰囲気は似てたとのこと。で、彼女を始めとした職場の一同でそれを食べたらしいのだが、彼女はつい、要らない人事を口にしてしまったのだという。
「『昨日のゲームで食べた奴の方がおいしかった、ですか。そりゃマズいでしょう』」「アースの言う通りなんだけど、本当につい、ぽろっと出ちゃったのよ! だって、アースが出してきた奴よりおいしくなかったんだもん!」
涙目でそう訴えてくるヴァルキュリアスの副ギルマス。いったいどこで働いているのかと聞いてみれば──驚いた、東京にある名店のレストランじゃないか。自分も店名だけは聞いた事があり、人気がすごすぎて予約は常にいっぱい、新規予約を取ってから半年ぐらい待たないとお店に入る事が出来ないというレベルのお話だ。
「そんなお店のシェフの皆さんに、そんなことを言ってしまったら──」「賄いも一種の料理修行だからね……そこでお前の料理よりもっといいのを食べたことがあるなんて言われたら、大きな反応が返ってくるのは当然。分かり切った事なのに、私の馬鹿……」
力なく項垂れるが、これはまさに口は災いの元としか言いようがない。心の中で思うのは自由だが、それを口に出したら流石にまずい。しかも相手は素人ではないのだ。
「話が読めてきましたよ。つまり自分が作ったフルーツポンチを、その人に食べさせて欲しいという事ですね?」「うん、彼も料理の修行の一環としてワンモアをやっている人だから……今日もログインしているの。申し訳ないけど……ついてきてくれないかな?」
知らない人でもないし、仕方がない。幸い時間はあるし多少ぐらいは骨を折ろうと考えて、彼女の案内でそのシェフがやっているワンモア内のお店に移動する。そのお店は大盛況で、大勢のお客が並んでいた。
「番号札三七番の方、料理を受け取りに来てください」「すぐ行きまーす」
どうやらお金を受け取った後に番号札を渡して出来上がりを待ってもらうというスタイルの様だ。幸いお客は次々と捌けていくので邪魔をせずに待つことにした。数分後、お店が空いたタイミングを見計らって話をする。
「すいません、シェフ。彼を呼んできました」「おお、君が私よりおいしいフルーツポンチとやらを作るプレイヤーか! 足を運ばせてすまなかったね」
幸い対応はフレンドリーで、剣呑な空気はない。そして彼から先ほどの話を繰り返され、そして注文をされた。自分が作るフルーツポンチを食べてみたい、と。
「このワンモアでは、シェフでなかろうといい飯を作る人は多い。そういった物を食べる事で舌を磨くのも修行のうちだからね……故に、私の作った物よりおいしかったという君の料理はぜひ口にしたい。むろん代金は十分に払わせてもらうよ」
とのことで、急遽フルーツポンチを作る事になって──冒頭に戻る事になる。
(まあ、こういう状況に対応するのも一興という奴だろう。プロに食べさせるってのはちょっとどころじゃなく怖いけど、流石にここでヴァルキュリアスの副ギルマスを見捨てるというのもなぁ)
小さく縮こまってしまっている彼女をちらっと確認しながら料理を進める。まあ極端に難しい料理ではないのですぐにできる──ただし白玉だけは別。程よい噛み応えと柔らかさを出さないとフルーツポンチのアクセントにふさわしくないから、そこだけはちょっと気を遣う。そして完成したフルーツポンチ。
「では頂こう、君ももう一度食べて見なさい」「は、はい。では失礼します」
二人がフルーツポンチを口に運び、じっくり味わっている。周囲には張り詰めた空気が漂い、二人がフルーツポンチの一杯目を食べ終わるまで緩むことは無かった。ゆっくりと食べ終えたシェフが一度目を閉じてじっくりと考え込み、それから頷いた。
「なるほど……甘いながらもきちんとその中に果物が持つ酸味を活かして単調にならない工夫、更に白玉から作った柔らかい団子が舌休めの役割と噛み応えの変化を与えて飽きさせない変化を生む、か。特にこの白玉が良いな、この工夫は実に良い」
どうやら、それなりには気に入っていただけたようだ。正直ほっとした。
「なるほど、これを先に食べていれば──今日の私が出した賄いのデザートは少し物足りないな。味はともかく、この食感の変化による飽きへの対策が甘かったと言うべきだろう」
そう告げた後、お代わりを要求されたのでたっぷりと盛り付けて渡す。白玉を気持ち多めにした状態で。
「んー、なるほどな。やはり私も学ぶべきことはたくさんあると改めて感じたな。それだけに、このワンモアが終わるのは惜しいところだ……こういった予想しない物と出会える機会が失われるのは残念でならないよ」
と言いながら、こちらに向かって笑みを向けてきた。これはある程度認めてもらえたという事だろうか。
「やっぱりおいしいわ……昨日食べた物より、さらにおいしいような? フルーツポンチ、古いデザートって話だったけど侮れないわね」
なんてことを、ヴァルキュリアスの副ギルマスは口にしていたが。さて、これでお役御免だと思ったのだが──シェフの言葉でそれが変わる。
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