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連載
洞窟内での戦い
自分はさっそく八岐の月に矢を番えて《スコールアロー》を発動。宝箱の上に当たるように矢を放つ。すると、風の矢がそこを中心に雨あられと降り注ぐ。が、どうやら範囲内にはいなかったようで反応は一切なかった。ならばと言う事で、周囲にある宝箱の周囲に矢を次々を放っていく。そして四つ目の宝箱の陰に矢を放った時だった。何もない空間から金属の衝突音がしたのは。
(ビンゴ、やっぱりいた! そして回避せずにこんな金属音を出すプレイヤーに該当するのはガッチリと重い鎧を着込んでいるグラッドとザッドの二名。さあ、今回はどっちだ?)
観念したかのように姿を見せたのはザッドだった。その鉄板を着込んでいるような超重量級装備では、流石に飛んでくる矢を機敏に回避するのは無理だろう。それはザッド自身もよく理解している、故に逃げずにこちらと戦う事を選択する様だ。こちらとしても望む所なのだが、流石にまともにやったらザッドの重装甲を破るのは骨だ。だから、戦闘方法にちょっとした工夫をしないといけない。
「どうせ俺の足では逃げる事は出来ないのでな、ならばここで少しでも時間を稼がせてもらうぞ」
両手斧を構え、徹底抗戦の構えを見せたザッドに自分は一気に近づく。もちろんそんな自分に対してザッドは両手斧を横薙ぎの形で振ってくる。早い──その重量からどうすればこんな速度で両手斧を振るえるのかと考えてしまう。なのでっせ金する事を中断して少し距離を取る。両手斧を振り終わったザッドだったが、体勢が崩れていない。すぐに次の攻撃が出来る様にしているのは明らかだ。
ならば、と言う事で八岐の月の矢を番えてザッドの頭部を狙う。さすがに重装甲でも頭部ならば幾分薄いだろうと予想し、それに加えて八岐の月の能力ならばぶち抜けると考えての攻撃だったのだが……矢がザッドの頭部付近に飛んだ時、明らかに不自然な軌道を描いて逸れていった。具体的には右斜め上に逸れたのだ。
(──なるほど、頭部を飛び道具で狙われる事は想定済みであって、矢や投擲武器などをそらす何らかの仕掛けがあると言う事か。こちらの持っているピカーシャの飾り羽みたいなものをザッドも持っているのだろう)
グラッドの率いるパーティの一員であるザッドなら、飛び道具に対して強く出られる手段を一つや二つ持っていてもおかしくもなんともない。自分の得意な事と苦手な事をちゃんと理解し、対策を練るというのはPvPをやる上での基礎だ。いかに自分の強みを押し付けて相手の強みを発揮させないかという行動は強い人ほど重視する。
分ったか? 飛び道具は効かないぞ? まるでそんな事を表現するかのように両手斧を構えて圧を発してくるザッド。それだけでなく、今度はザッドから距離を詰めてきた。一歩踏み出すごとに立てる足音が凄いが、それだけの重量が走ってくるのだ。体当たりを受けるだけで並のプレイヤーを弾き飛ばせるだけの威力を持っていると言わんばかりだ。
更に構えて間合いに入り次第振るおうとしてい両手斧の威力も推して知るべし、だ。今のステータスの自分であっても、もろに食らうような真似は出来ない。極めたプレイヤーが放つ両手斧から生み出されるその破壊の一撃は、すさまじいという表現ではとてもじゃないが物足りない一撃必殺級の火力を持つ。
PvPの動画でも、残り一割まで追い詰められた両手斧の使い手がその必殺の一撃を当てられるように相手を動かして一瞬の隙に全力を叩き込んで逆転勝利を収めたなんてものは数多い。それに両手斧使いは大抵、残りHPが減って窮地に追い込まれるほどに攻撃力が上がるという、火事場の馬鹿力に該当するスキルを持っている事は非常に多い。
その為、わざとダメージを受けてHPを減らしてからの猛攻でモンスターをすさまじい勢いで狩るプレイヤーも一定数存在する。あまりに定番の両手斧戦士のテンプレートなので、両手斧戦士とのPvPではとどめに細心の注意を払うか、大技を一気に叩き込んでHPを残さず一気に消し飛ばすか──などの方法を取らないと、逆転負けしかねないというのが今の一般認識だ。
(それに加えてこのザッドはこの超重量鎧を着込んだ装甲の厚さもあって、ダメージを与えること自体が一苦労させられる。そして攻撃面でも両手斧であるにもかかわらずこの手数の多さだ。やっぱりグラッドパーティに居るだけあって、やはり強いな。だが、今は一対一のタイマン状態だ。ならば真っ当にダメージを与えていく以外にもザッドを戦闘不能にする手段はある)
ザッドとの攻防のやり取りの最中、自分はタイミングを見計らってレガリオンも八岐の月も収めて素手状態になる。その瞬間、何かを感じ取った様でザッドが後ろに大きく飛んだ。その重量からは想像できないほどに鮮やかなバックステップだ。だが、それでも追いつけない速度ではない。
自分は前に向かって走り出し、バックステップで下がるザッドに肉薄した。ザッドはここまでの急速接近は想定外だったのか両手斧を振るう事も出来ずに驚いた気配を発している。自分はそのままザッドに組み付いて地面に転がしながら──左の腕を締め上げる。そう、関節技ならばダメージを与えられる指輪の能力を使わせてもらったのだ。
「ぐおおおおおおお!?」
ザッドの痛みからくる声が周囲を揺るがす。ワンモアではダメージがプレイヤー自身にも届く仕組みとなっている。だからこそ、この関節技を掛けられた痛みはたまったもんじゃないだろう。が、ここではギブアップも何もない。故に遠慮することなく腕を折る! ザッドも必死で抵抗しているが、ガッチリ肘極めの形で決まっている為逃げようがない。そして鈍い音が周囲に響いた。
その痛みに流石のザッドも耐えられず先ほどの声より大きい悲鳴を上げた。自分が手を放すとザッドはその激痛の為に地面をのたうち回っている。これ以上嬲るような真似はしない、痛みで地面を転がるザッドの首元にレガリオンを振るう事でザッドがうつ伏せ状態となった。転がり廻る事も出来ないので、システム的に瀕死扱いになったはずだ。
当然すぐさま鎖で拘束する。そして檻に飛ばされる前にザッドがこう言い残していった。
「まさか、関節技で攻めてくるとは……だが、体でその痛みは十分味わった。次は喰らわんぞ」
悔しさと、次は負けないという意思が半々実入り混じった感じの言葉だった。次は食らわない、というのは決して虚勢でも何でもないだろう。こっちの手札を味わったからこそ、次は対応して見せるだけの能力が彼にはある。が、こちらも見せたのは理由がある。手札を知っている事で、逆に攻めにくくなると言う事もあるのだ。
(関節技があるから、うかつなインファイトは出来ない。そうザッドの頭には刻み込まれたはずだ。何せ腕を折られたんだからな……その刻まれた記憶が、かえって邪魔になる事もあるのが戦いって奴だったりする訳で)
使う気が無くてもちらつかせる事で、ザッドに対して良い牽制になるはずだ。この手の牽制は、まず相手が一度喰らってくれないと理解して貰えない牽制方法だ。本番でそれを活かすチャンスがあれば遠慮なくやらせてもらうとしよう。さて、これで三人檻に入れたから相手の探索速度は半減したな。もちろん救助されれば探索速度は戻っていく訳だが、それでもいい足止めになるはずだ。
次はどこへ行こうか。まだ一度も立ち入っていない雪原に行って、どういう場所かを調べるべきだろうな。どういう地形なのかを一度自分の目で見て居理解しておいた方が良いはずだし……残り時間は三分を切っているのか。ならば雪原を見に行くで良いだろう。ならばさっさとこの地下世界を脱出して向かわないといけない。
(荒野みたいにあまり起伏がないエリアなのか、それとも吹雪などで視界が悪いのか、雪を利用したギミックがあるのか、って感じの情報を仕入れないとな)
向かう途中で、雪原ならこういうものがあるのではないか? などと考えつつ走り続ける。残り時間を有効に使って出来うる限りの情報を手に入れておかないと、待っている本番で苦しむ事になる。それを避けるべく全力で雪原へ。さあ、何があるかな?
****
厳しい暑さ、じゃないですね。殺人的な暑さが続いています。
皆様本当に体にお気を付けください、作者もちょっと溶けています。
(ビンゴ、やっぱりいた! そして回避せずにこんな金属音を出すプレイヤーに該当するのはガッチリと重い鎧を着込んでいるグラッドとザッドの二名。さあ、今回はどっちだ?)
観念したかのように姿を見せたのはザッドだった。その鉄板を着込んでいるような超重量級装備では、流石に飛んでくる矢を機敏に回避するのは無理だろう。それはザッド自身もよく理解している、故に逃げずにこちらと戦う事を選択する様だ。こちらとしても望む所なのだが、流石にまともにやったらザッドの重装甲を破るのは骨だ。だから、戦闘方法にちょっとした工夫をしないといけない。
「どうせ俺の足では逃げる事は出来ないのでな、ならばここで少しでも時間を稼がせてもらうぞ」
両手斧を構え、徹底抗戦の構えを見せたザッドに自分は一気に近づく。もちろんそんな自分に対してザッドは両手斧を横薙ぎの形で振ってくる。早い──その重量からどうすればこんな速度で両手斧を振るえるのかと考えてしまう。なのでっせ金する事を中断して少し距離を取る。両手斧を振り終わったザッドだったが、体勢が崩れていない。すぐに次の攻撃が出来る様にしているのは明らかだ。
ならば、と言う事で八岐の月の矢を番えてザッドの頭部を狙う。さすがに重装甲でも頭部ならば幾分薄いだろうと予想し、それに加えて八岐の月の能力ならばぶち抜けると考えての攻撃だったのだが……矢がザッドの頭部付近に飛んだ時、明らかに不自然な軌道を描いて逸れていった。具体的には右斜め上に逸れたのだ。
(──なるほど、頭部を飛び道具で狙われる事は想定済みであって、矢や投擲武器などをそらす何らかの仕掛けがあると言う事か。こちらの持っているピカーシャの飾り羽みたいなものをザッドも持っているのだろう)
グラッドの率いるパーティの一員であるザッドなら、飛び道具に対して強く出られる手段を一つや二つ持っていてもおかしくもなんともない。自分の得意な事と苦手な事をちゃんと理解し、対策を練るというのはPvPをやる上での基礎だ。いかに自分の強みを押し付けて相手の強みを発揮させないかという行動は強い人ほど重視する。
分ったか? 飛び道具は効かないぞ? まるでそんな事を表現するかのように両手斧を構えて圧を発してくるザッド。それだけでなく、今度はザッドから距離を詰めてきた。一歩踏み出すごとに立てる足音が凄いが、それだけの重量が走ってくるのだ。体当たりを受けるだけで並のプレイヤーを弾き飛ばせるだけの威力を持っていると言わんばかりだ。
更に構えて間合いに入り次第振るおうとしてい両手斧の威力も推して知るべし、だ。今のステータスの自分であっても、もろに食らうような真似は出来ない。極めたプレイヤーが放つ両手斧から生み出されるその破壊の一撃は、すさまじいという表現ではとてもじゃないが物足りない一撃必殺級の火力を持つ。
PvPの動画でも、残り一割まで追い詰められた両手斧の使い手がその必殺の一撃を当てられるように相手を動かして一瞬の隙に全力を叩き込んで逆転勝利を収めたなんてものは数多い。それに両手斧使いは大抵、残りHPが減って窮地に追い込まれるほどに攻撃力が上がるという、火事場の馬鹿力に該当するスキルを持っている事は非常に多い。
その為、わざとダメージを受けてHPを減らしてからの猛攻でモンスターをすさまじい勢いで狩るプレイヤーも一定数存在する。あまりに定番の両手斧戦士のテンプレートなので、両手斧戦士とのPvPではとどめに細心の注意を払うか、大技を一気に叩き込んでHPを残さず一気に消し飛ばすか──などの方法を取らないと、逆転負けしかねないというのが今の一般認識だ。
(それに加えてこのザッドはこの超重量鎧を着込んだ装甲の厚さもあって、ダメージを与えること自体が一苦労させられる。そして攻撃面でも両手斧であるにもかかわらずこの手数の多さだ。やっぱりグラッドパーティに居るだけあって、やはり強いな。だが、今は一対一のタイマン状態だ。ならば真っ当にダメージを与えていく以外にもザッドを戦闘不能にする手段はある)
ザッドとの攻防のやり取りの最中、自分はタイミングを見計らってレガリオンも八岐の月も収めて素手状態になる。その瞬間、何かを感じ取った様でザッドが後ろに大きく飛んだ。その重量からは想像できないほどに鮮やかなバックステップだ。だが、それでも追いつけない速度ではない。
自分は前に向かって走り出し、バックステップで下がるザッドに肉薄した。ザッドはここまでの急速接近は想定外だったのか両手斧を振るう事も出来ずに驚いた気配を発している。自分はそのままザッドに組み付いて地面に転がしながら──左の腕を締め上げる。そう、関節技ならばダメージを与えられる指輪の能力を使わせてもらったのだ。
「ぐおおおおおおお!?」
ザッドの痛みからくる声が周囲を揺るがす。ワンモアではダメージがプレイヤー自身にも届く仕組みとなっている。だからこそ、この関節技を掛けられた痛みはたまったもんじゃないだろう。が、ここではギブアップも何もない。故に遠慮することなく腕を折る! ザッドも必死で抵抗しているが、ガッチリ肘極めの形で決まっている為逃げようがない。そして鈍い音が周囲に響いた。
その痛みに流石のザッドも耐えられず先ほどの声より大きい悲鳴を上げた。自分が手を放すとザッドはその激痛の為に地面をのたうち回っている。これ以上嬲るような真似はしない、痛みで地面を転がるザッドの首元にレガリオンを振るう事でザッドがうつ伏せ状態となった。転がり廻る事も出来ないので、システム的に瀕死扱いになったはずだ。
当然すぐさま鎖で拘束する。そして檻に飛ばされる前にザッドがこう言い残していった。
「まさか、関節技で攻めてくるとは……だが、体でその痛みは十分味わった。次は喰らわんぞ」
悔しさと、次は負けないという意思が半々実入り混じった感じの言葉だった。次は食らわない、というのは決して虚勢でも何でもないだろう。こっちの手札を味わったからこそ、次は対応して見せるだけの能力が彼にはある。が、こちらも見せたのは理由がある。手札を知っている事で、逆に攻めにくくなると言う事もあるのだ。
(関節技があるから、うかつなインファイトは出来ない。そうザッドの頭には刻み込まれたはずだ。何せ腕を折られたんだからな……その刻まれた記憶が、かえって邪魔になる事もあるのが戦いって奴だったりする訳で)
使う気が無くてもちらつかせる事で、ザッドに対して良い牽制になるはずだ。この手の牽制は、まず相手が一度喰らってくれないと理解して貰えない牽制方法だ。本番でそれを活かすチャンスがあれば遠慮なくやらせてもらうとしよう。さて、これで三人檻に入れたから相手の探索速度は半減したな。もちろん救助されれば探索速度は戻っていく訳だが、それでもいい足止めになるはずだ。
次はどこへ行こうか。まだ一度も立ち入っていない雪原に行って、どういう場所かを調べるべきだろうな。どういう地形なのかを一度自分の目で見て居理解しておいた方が良いはずだし……残り時間は三分を切っているのか。ならば雪原を見に行くで良いだろう。ならばさっさとこの地下世界を脱出して向かわないといけない。
(荒野みたいにあまり起伏がないエリアなのか、それとも吹雪などで視界が悪いのか、雪を利用したギミックがあるのか、って感じの情報を仕入れないとな)
向かう途中で、雪原ならこういうものがあるのではないか? などと考えつつ走り続ける。残り時間を有効に使って出来うる限りの情報を手に入れておかないと、待っている本番で苦しむ事になる。それを避けるべく全力で雪原へ。さあ、何があるかな?
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