576 / 767
連載
エルダープリズムノヴァによる影響
一番反応が早かったゼラァは回避を。ザッドとゼットはその場で防御態勢を取った。防御態勢と言っても武器を構えて落ちてくる《エルダープリズムノヴァ》に備えるのではなく、何らかのスキルかアイテムの効果で体の周囲にうっすらとではあるが青い膜を展開した状態で身を護るべく体を固めていた。
結果として……《エルダープリズムノヴァ》はゼッドとザッド、そして回避行動はとったものの、左にサイドステップした際に右足の足首から先だけが範囲に残ってしまったが故に、その部分だけゼラァにも命中した。その結果は……
「ぐお、毒かよ!?」「ぐ、体が焼ける!」「よりにもよって、アタシにはこんな異常を!?」
ゼッドは毒、ザッドは体が炎上、そしてゼラァは範囲内から抜け出せなかった右足の足首から先が石化していた。一番運が悪かったのはゼラァだな、石化はなかなか発動しないんだが。が、もちろんこの好機を逃がす訳には甲斐ない。MPを大量に消費した以上、それなりの成果を出さなければ。自分が真っ先に狙ったのは……ゼラァだった。
理由だが、体の一部だけとはいえ石化した以上一番体の動かし方に難が出るのはゼラァだからだ。更にゼッドとザッドは鎧を着ているが、ゼラァはその戦闘方法から重い鎧を着込む事を好まない。つまり装甲が一番薄い。そしてなにより、回復してしまったラ機動力が一番あるのもまたゼラァなのだ。機動力で引っ掻き回されたところにゼッドやザッドの重い一撃を喰らう展開だけは絶対に避けたい。
ゼラァに向かって複数の矢を射る。それに気が付いたゼッドとザットが阻止しようと動くが、ゼラァと比べると流石に敏捷性には劣る為矢を阻止する事は叶わなかった。そのまま矢はゼラァに向かって飛ぶわけだが、ゼラァは飛んできた矢の大半を右足の一部が石化しているにもかかわらず回避して見せた。だが、流石に全てを回避しきる事は出来なかったようだ。複数個所に矢が付き立つ。
「ぐうううううっ!!」
辛そうなうめき声をあげ、動きが止まるゼラァ。一方でこれ以上やらせないとばかりに自分に対して突っ込んできたゼッド。彼の槍の穂先が自分に迫ってくる。が、自分はそれを八岐の月に付けてある爪部分で切り払う。槍を流される形となったためかゼッドは動きが一瞬だが止まり、バランスを取りなおそうとしたのでそこを蹴りで追撃しておく。ダメージを取る事が目的ではなく、転ばすためだ。
が、ゼッドは転ばない。とっさに槍を杖のように使ってこちらの蹴りで受けた衝撃に対処し再び刺突攻撃を繰り出してきた。これは流石にバックステップを行う事で距離を取り、回避したがそれだけでは済ませない。バックステップしながらも蛇炎オイルを二つ、軽く前に投げておいたのだ。その片方がゼッドの槍の上に落ち、炎が槍を伝ってゼッドに襲い掛かった。
「やべぇ!」
とっさの判断でゼットが槍を捨てた。が、彼もただ捨てるのではなく、自分に向かって投げ槍の様な形で捨てたのだ。当然槍は自分が火をつけた蛇炎オイルの影響で炎を纏った状態で襲い掛かってくる。更に加えて、ザッドまでもが自分の両手斧をこちらに向かって投擲していたのだ。恐らくはレイジが使っていた斧系統的アーツの一つなのだろう……何せ明後日に投げたはずの斧が自分に向かってホーミングしているのだから。
飛んできたゼッドの槍はとっさにしゃがんで回避し、その後にやってきた両手斧は矢を斧に命中させる事で勢いを少し弱めてからタイミングを見計らって蹴り飛ばして地面に叩き落とした。しかし、なぜあんな明後日の方向にザッドは投げたのだろう? ホーミング性能があるとは言え、ゼッドの槍との連携とするには首を捻る形であったが──そこで、《エルダープリズムノヴァ》の効果をもう一度考えて予想がついた。
(ザッドは炎上だけでなく、盲目の状態異常もかかっている可能性がある)
視界を潰されていて、音だけを頼りに投げたとするならば普段からそう言った訓練をしていないと狙いをつけるのは難しいだろう。だから大雑把にこのあたりか? と当たりをつけてザッドは両手斧を投擲するアーツを使ったのだろう。ホーミング能力がある事は、使い手のザッドが知らないはずがない。
ザッドはすぐに変えの両手斧を持ち出していたが……ゼッドは槍を一時的に失い、この二人からいきなりこちらに向かって中距離以降の攻撃が飛んでくる可能性はかなり下がった。今のうちにゼラァをダウンさせてしまいたい。ゼラァの方に目をやると、一時撤退して状態を回復し、状況を好転させる事を選んだのだろう、かなり離れた場所まで移動していた。だが、逃がす訳にはいかない。
八岐の月を構え、矢を放つ。ゼラァも矢を放たれた事に気が付いたのだろう、音を頼りに回避行動をとる──だが、やはり右足の石化の影響でその動きは精彩を欠く、と言った所だ。特に、心臓のあたりに矢が一本突き立ってしまった事が致命傷になったのだろう、流石のゼラァも地に伏せた。
「ゼラァ!? ち、やっぱりこいつの弓の上では並じゃねえか!」
ここでゼッドも変えの槍を取り出していた。ただ、かなりもたついたようだが……普段愛用の槍を失うという経験があまりなかったのかもしれない。そして、槍を構えてこちらに迫ろうとする動きを見せる。
「ゼッド、熱くなるな! 熱くなって突撃をすれば、アースにとってはカモになる行動以外の何物でもない!」
ゼッドが突撃しようとした所を、ザッドが大声で静止した。が、ゼッドはゼッドで──
「そう言ってもよ! アースの獲物は弓だぞ! この距離を保ったら、一方的にハリネズミにされるだけだっての!」
こちらへの注意は怠らずに、ザッドの言葉への反論を行う。そうだね、確かに今の状況なら投擲される攻撃以外は届かないから、こちらの弓による攻撃がとても行いやすい。だが、それでもザッドはゼッドに行くなと口にする。
「確かにお前のチャージは強力だ! だが、アースには通じる可能性はまずない! 確実に身を守りながら距離を詰めて反撃するしかないのだ! あの弓による攻撃をまともに喰らえば、お前の鎧であっても容易く貫かれるぞ! そしてそのまともに当ててくるだけの力量が、アースにはある!」
むう、評価が高いが……これは間違いなく有翼人との戦いでこちらが見せた様々な動きからそう判断しているんだろうな。しかし、戦いにおいては相手が侮ってくれる方が助かるのだが。残念ながらザッドの考えからしてそれは望めそうにない。この二人にがちがちに守りを固めつつ戦闘を続行されると、時間をかなり浪費させられかねない。
(それは避けたいんだよな……いくら能力が十倍になっても自分という存在は一人であることには変わりがない。だからこういう形での足止めが一番効く。だからこそ、ここはゼッドに突っ込んできて欲しかったんだが)
早々上手くはいかないか……それにダウンさせたゼラァも拘束出来ていない。回復アイテムを使われて起き上がってこられたらまたゼラァを相手にしなければならなくなる。かといって拘束に動けば、ザッドが前に出てゼッドが拘束具を壊すだろうし……あと一人、どちらかを落とさないとダメだろうな。
(ザッドが間違いなく盲目の状態異常にかかっていると確信が持てるのであればもっと積極的に動けるのだが……そこをつつくか?)
あまり時間をかけたくない。出来る事は積極的に試すべき、か。そうなれば、すぐに動こう。ここから向こうがどう動くかの出方で判断する。
結果として……《エルダープリズムノヴァ》はゼッドとザッド、そして回避行動はとったものの、左にサイドステップした際に右足の足首から先だけが範囲に残ってしまったが故に、その部分だけゼラァにも命中した。その結果は……
「ぐお、毒かよ!?」「ぐ、体が焼ける!」「よりにもよって、アタシにはこんな異常を!?」
ゼッドは毒、ザッドは体が炎上、そしてゼラァは範囲内から抜け出せなかった右足の足首から先が石化していた。一番運が悪かったのはゼラァだな、石化はなかなか発動しないんだが。が、もちろんこの好機を逃がす訳には甲斐ない。MPを大量に消費した以上、それなりの成果を出さなければ。自分が真っ先に狙ったのは……ゼラァだった。
理由だが、体の一部だけとはいえ石化した以上一番体の動かし方に難が出るのはゼラァだからだ。更にゼッドとザッドは鎧を着ているが、ゼラァはその戦闘方法から重い鎧を着込む事を好まない。つまり装甲が一番薄い。そしてなにより、回復してしまったラ機動力が一番あるのもまたゼラァなのだ。機動力で引っ掻き回されたところにゼッドやザッドの重い一撃を喰らう展開だけは絶対に避けたい。
ゼラァに向かって複数の矢を射る。それに気が付いたゼッドとザットが阻止しようと動くが、ゼラァと比べると流石に敏捷性には劣る為矢を阻止する事は叶わなかった。そのまま矢はゼラァに向かって飛ぶわけだが、ゼラァは飛んできた矢の大半を右足の一部が石化しているにもかかわらず回避して見せた。だが、流石に全てを回避しきる事は出来なかったようだ。複数個所に矢が付き立つ。
「ぐうううううっ!!」
辛そうなうめき声をあげ、動きが止まるゼラァ。一方でこれ以上やらせないとばかりに自分に対して突っ込んできたゼッド。彼の槍の穂先が自分に迫ってくる。が、自分はそれを八岐の月に付けてある爪部分で切り払う。槍を流される形となったためかゼッドは動きが一瞬だが止まり、バランスを取りなおそうとしたのでそこを蹴りで追撃しておく。ダメージを取る事が目的ではなく、転ばすためだ。
が、ゼッドは転ばない。とっさに槍を杖のように使ってこちらの蹴りで受けた衝撃に対処し再び刺突攻撃を繰り出してきた。これは流石にバックステップを行う事で距離を取り、回避したがそれだけでは済ませない。バックステップしながらも蛇炎オイルを二つ、軽く前に投げておいたのだ。その片方がゼッドの槍の上に落ち、炎が槍を伝ってゼッドに襲い掛かった。
「やべぇ!」
とっさの判断でゼットが槍を捨てた。が、彼もただ捨てるのではなく、自分に向かって投げ槍の様な形で捨てたのだ。当然槍は自分が火をつけた蛇炎オイルの影響で炎を纏った状態で襲い掛かってくる。更に加えて、ザッドまでもが自分の両手斧をこちらに向かって投擲していたのだ。恐らくはレイジが使っていた斧系統的アーツの一つなのだろう……何せ明後日に投げたはずの斧が自分に向かってホーミングしているのだから。
飛んできたゼッドの槍はとっさにしゃがんで回避し、その後にやってきた両手斧は矢を斧に命中させる事で勢いを少し弱めてからタイミングを見計らって蹴り飛ばして地面に叩き落とした。しかし、なぜあんな明後日の方向にザッドは投げたのだろう? ホーミング性能があるとは言え、ゼッドの槍との連携とするには首を捻る形であったが──そこで、《エルダープリズムノヴァ》の効果をもう一度考えて予想がついた。
(ザッドは炎上だけでなく、盲目の状態異常もかかっている可能性がある)
視界を潰されていて、音だけを頼りに投げたとするならば普段からそう言った訓練をしていないと狙いをつけるのは難しいだろう。だから大雑把にこのあたりか? と当たりをつけてザッドは両手斧を投擲するアーツを使ったのだろう。ホーミング能力がある事は、使い手のザッドが知らないはずがない。
ザッドはすぐに変えの両手斧を持ち出していたが……ゼッドは槍を一時的に失い、この二人からいきなりこちらに向かって中距離以降の攻撃が飛んでくる可能性はかなり下がった。今のうちにゼラァをダウンさせてしまいたい。ゼラァの方に目をやると、一時撤退して状態を回復し、状況を好転させる事を選んだのだろう、かなり離れた場所まで移動していた。だが、逃がす訳にはいかない。
八岐の月を構え、矢を放つ。ゼラァも矢を放たれた事に気が付いたのだろう、音を頼りに回避行動をとる──だが、やはり右足の石化の影響でその動きは精彩を欠く、と言った所だ。特に、心臓のあたりに矢が一本突き立ってしまった事が致命傷になったのだろう、流石のゼラァも地に伏せた。
「ゼラァ!? ち、やっぱりこいつの弓の上では並じゃねえか!」
ここでゼッドも変えの槍を取り出していた。ただ、かなりもたついたようだが……普段愛用の槍を失うという経験があまりなかったのかもしれない。そして、槍を構えてこちらに迫ろうとする動きを見せる。
「ゼッド、熱くなるな! 熱くなって突撃をすれば、アースにとってはカモになる行動以外の何物でもない!」
ゼッドが突撃しようとした所を、ザッドが大声で静止した。が、ゼッドはゼッドで──
「そう言ってもよ! アースの獲物は弓だぞ! この距離を保ったら、一方的にハリネズミにされるだけだっての!」
こちらへの注意は怠らずに、ザッドの言葉への反論を行う。そうだね、確かに今の状況なら投擲される攻撃以外は届かないから、こちらの弓による攻撃がとても行いやすい。だが、それでもザッドはゼッドに行くなと口にする。
「確かにお前のチャージは強力だ! だが、アースには通じる可能性はまずない! 確実に身を守りながら距離を詰めて反撃するしかないのだ! あの弓による攻撃をまともに喰らえば、お前の鎧であっても容易く貫かれるぞ! そしてそのまともに当ててくるだけの力量が、アースにはある!」
むう、評価が高いが……これは間違いなく有翼人との戦いでこちらが見せた様々な動きからそう判断しているんだろうな。しかし、戦いにおいては相手が侮ってくれる方が助かるのだが。残念ながらザッドの考えからしてそれは望めそうにない。この二人にがちがちに守りを固めつつ戦闘を続行されると、時間をかなり浪費させられかねない。
(それは避けたいんだよな……いくら能力が十倍になっても自分という存在は一人であることには変わりがない。だからこういう形での足止めが一番効く。だからこそ、ここはゼッドに突っ込んできて欲しかったんだが)
早々上手くはいかないか……それにダウンさせたゼラァも拘束出来ていない。回復アイテムを使われて起き上がってこられたらまたゼラァを相手にしなければならなくなる。かといって拘束に動けば、ザッドが前に出てゼッドが拘束具を壊すだろうし……あと一人、どちらかを落とさないとダメだろうな。
(ザッドが間違いなく盲目の状態異常にかかっていると確信が持てるのであればもっと積極的に動けるのだが……そこをつつくか?)
あまり時間をかけたくない。出来る事は積極的に試すべき、か。そうなれば、すぐに動こう。ここから向こうがどう動くかの出方で判断する。
あなたにおすすめの小説
『彼を解放して!』とおっしゃいましたが、何から解放されたいのですか?
シエル
恋愛
「彼を解放してください!」
友人たちと教室に戻ろうとしていると、突如、知らない令嬢に呼び止められました。
「どなたかしら?」
なぜ、先ほどから私が問いかける度に驚いているのでしょう?
まるで「え!?私のこと知らないの!?」と言わんばかりですけれど、知りませんよ?
どうやら、『彼』とは私の婚約者のことのようです。
「解放して」とおっしゃっいましたが、私の目には何かに囚われているようには見えないのですが?
※ 中世ヨーロッパモデルの架空の世界
※ ご都合主義です。
※ 誤字、脱字、文章がおかしい箇所は気付いた際に修正しております。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまうリリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、悪役令嬢として断罪された少女が、「誰かの物語の脇役」ではなく、自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
試験でカンニング犯にされた平民ですが、帝国文官試験で首席合格しました
あきくん☆ひろくん
恋愛
魔法学園の卒業試験で、私はカンニング犯に仕立て上げられた。
断罪してきたのは、かつて好意を寄せてくれていた高位貴族の子息。そしてその隣には、私を嫌う貴族令嬢が立っていた。
平民の私には弁明の余地もない。私は試験の順位を辞退し、その場を去ることになった。
――だが。
私にはもう一つの試験がある。
それは、帝国でも屈指の難関といわれる帝国文官試験。
そして数日後。
その結果は――首席合格だった。
冤罪で断罪された平民が、帝国の文官として身を立てる物語。